生徒が地球温暖化運動で学校ストを始めたら | 「国語教室 Hey Ho」安藤友里のブログ

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「国語教室 Hey Ho」代表の安藤が、思ったこと・考えたことを綴ります。「文章力をつける」教室を開いているのだから、自分も文章を鍛えないと、と思って書いてます。

国連の温暖化対策サミットで、

スウェーデンのグレタさんが演説をしたことが

メディアで取り上げられ、話題になっています。

 

 

彼女の主張が正しいかどうか、

またその方法が認められるものなのかどうか、

賛否を含め、さまざまな意見がありますが、

世界の若者に影響を与えていることは事実です。

そこで思ったのが表題の「もし~」です。

 

もし、自校の生徒が、地球温暖化への対策を求め

スウェーデンやドイツ、アメリカなどの生徒と同様に

あるいは「金曜日」にストを始めたらどうするか……

頭ごなしに「やめろ」と言ったり

停学や退学をちらつかせて脅したり

そういう非教育的な方法ではなく

「一緒に考えよう」

「でも考えるためには、他の知識も必要だ」と

生徒の意識を受け入れ、昇華させてやることができる教師が

どれだけいるのだろう、と心配になりました。

力量の問題だけでなく

時間的な余裕がないこと・学校全体の空気。

せめて生徒の言い分を聞き

社会の大きな問題に興味を持ったことを認めてやれる

学校が日本にどれだけあるのか……。

 

2001年9.11の日に

私は1時間目の授業で、質問攻めに合いました。

恥ずかしながら、何が起こったのか、

イスラム過激派や自爆テロを行う意味と目的など

私には聞きかじりの知識しかありませんでした。

でも、世界的な事件について関心を持つのは当たり前で

社会について知ろうとする大きなきっかけを大切にしたかったので

「古典」の勉強はせずに

わかる限りのことを話し、

ニュースを見よう、新聞を読もう、と伝えました。

授業が終わり職員室に帰ると

「どうやって生徒の質問をかわして普段通り授業をしたか」

という話でもちきりでした。

当時私は非常勤講師で意見できる立場ではなかったから

「すみません、9.11の話で1時間つぶしました」

と申し訳なく思ったのですが、

今考えると、それは間違いでした。

 

「蓋をする」のではなく、考えるきっかけを与え

極端な言動に走らないようにサポートする。

それが教師の仕事なのだと思います。

教師だけでなく、すべての大人の役割です。

そのために、温暖化について、各国の言い分について、姿勢について

勉強しないといけない。

自戒を込めて、そう感じました。

 

グレタさん演説全文