最強台風 安全確保を 迫る19号 停電時にランタン、水確保、外出×

東京新聞 2019年10月12日

 関東、東海に接近している台風19号は記録的な暴風や大雨が予想され、九月の15号のような大規模停電も心配される。停電や断水などにできる限りの備えをしてほしい。 (小川慎一)

 警視庁は懐中電灯とペットボトルを使った「簡単ランタン」の作り方をホームページで公開している。ペットボトルの中に水を入れ、その下から懐中電灯を当てるだけだ。光が乱反射して周囲を照らす。小さい懐中電灯はコップに入れて、その上にペットボトルを載せる。ろうそくは倒れて火災になる恐れがある。

 スマートフォンは液晶画面を暗い設定にすると電池が長持ちする。「省電力」「低電力」モードの活用も。LINE(ライン)などのアプリはメッセージの「通知」機能をオフに。通信環境が悪ければ通信機能をオフにする「機内モード」にするか、電源を切ってしまおう。

 台風15号では停電復旧時の「通電火災」が千葉県内で相次いだ。屋根や外壁の損壊で電気配線などが傷つき、通電時の火花で火災になりやすい。総務省消防庁は「停電時はブレーカーを落として電気機器の電源を切り、復旧時には配線などに損傷がないか点検を」と呼び掛けている。

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 関東と東海は住宅の倒壊や鉄骨構造物の変形が起こりえる四〇メートル以上の風速が見込まれる。千葉県や伊豆諸島など、台風15号で被害を受けた住宅にとどまるのは危険で、早く避難を決断すべきだ。

 ベランダや庭の物干しざおなどを片付け、屋内に入れられない物はロープで固定する。物置が吹き飛ぶ恐れもある。ガラスが割れても破片が飛び散らないよう、カーテンを閉める。ベニヤ板や養生テープでガラスを補強しておくのも有効だ。水は一人一日三リットルが基準で、家族三日分があると急場はしのげる。風呂に水をためておけば、トイレなどの生活用水で使える。非常食も含め、備蓄品はどこにあるかを覚えておく必要がある。

 ハザードマップや気象庁ホームページの「危険度分布」を確認し、崖や川の近くといった危険な場所から離れよう。暴風雨の中、不要不急の外出をする必要はない。荒天の中、突然の飛来物を避けるのは至難の業だ。特に海や川、水路などがある田畑を見に行く行為は命を落としかねない。

<台風への備え>

ガラス窓にテープを貼って補強する

カーテンは閉めておく

側溝や排水溝を掃除し、水はけをよくする

断水に備えて飲料水を確保する

浴槽に水をためて、トイレなどに使う生活用水を確保する

非常用品を確認する

懐中電灯、乾電池、着替え、タオル、ライター、マッチ、救急薬品、携帯ラジオ、ワンセグ携帯、貴重品、非常用食料、水など

床上浸水に備え、家財や電気製品を2階や高い所に移動

いま使わない電気製品のコンセントは抜いておく

最新の情報を入手して行動する(風雨が強まる前、明るいうちに避難)

避難する前に、家の電気のブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉める

<してはいけないこと>

不要不急の外出をしない用

水路、川、海の様子を見に行かない

強風が吹き始めてから屋根の補修をしない

※日本気象協会のホームページなどから作成

(東京新聞)

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