競売で落札した中古戸建の中身を大公開!(落札金額やリフォーム内容についても)

2019年4月17日の競売開札にて足利市南大町の中古戸建を落札しました。

下記記事では、開札~落札後の動き方について、本物件を題材とした実録体験記を公開しております。合わせてどうぞ。

さて、落札後というのは、所有者に連絡を取り、実際にお会いして残代金の納入が終わった後カギを受領したい旨を伝える、といったことをするわけですが、

今回は、競売落札直後に物件近隣の方に元所有者さんの情報を聞くことができ、直接元所有者さんのところへ行って挨拶をして、「売却許可決定」が出てすらいないのに元所有者さんの意向で明け渡し同意書へのサイン、カギの受領をしてしまいました。(本来は所有権が移るのは残代金の支払いが終わった後なので、このやり方は非推奨ですw特にルール違反というわけでは無いのですが)

元所有者さんは大きな規模で事業を行われていた人でしたが、足利銀行の倒産直後から資金繰りが怪しくなり、次の融資の借り入れ先が決まらずに資金ショートで倒産してしまったという経歴を持つ方でした。本物件も根抵当に入っていたことで、競売となってしまったとのこと。

明け渡しの書類を書いて頂きながら、色々と足利銀行の悪行を聞くことができました。詳細な内容は体験記の方で語りたいと思いますが、足利銀行だけではなく、全ての地方銀行・メガバンクが自分たちの利益のみを優先していた、企業を自分たちの営業成績を上げるためだけに存在するカモのように扱っていた時代があったことを改めて感じました。

「しおいぬ社長、経営者たるもの信頼できる人間はたくさんもったほうがいい。が、しかし、自分以外の人間に依存して、自分の未来をたくすようなことはしてはいけないぞ。おまえが消えて喜ぶ者に、お前のオールを任せるな、だ。」

といった言葉も頂きました。(すいません、最後の一分だけ自分のアレンジですw) 時代の流れで失敗されてしまったとはいえ、実体験から出てくる言葉は重みが違います。貴重な体験・助言を頂くことができました。

銀行はビジネスパートナーであり、どちらかが従属関係にあるわけではない、自分の意思をしっかりと持ち続けて経営することが大事だと説いてもらった。関係ないけど、TOKIOの「宙船」って滅茶苦茶いい曲ですよね。

カギ受領後、早速内部写真を撮ってまいりました。

内部は築年数相応といった感じです。競売資料に「サッシの開閉に問題があり、建物躯体の歪みの原因も考えられる」と書いてあったので、その部分の不安が大きかったのですが、水平器を使って傾きを測定してみると角度は誤差レベルで、サッシも単純に建てつけが悪いだけでした。リフォームで問題なく調整可能な範囲内です。

本物件の落札金額は4,888,888円。取得税・登録免許税・測量・火災保険などの経費を入れても原価530万円程でしょうか。リフォーム費用は非公表とさせて頂きますが、販売金額は1280万円or1380万円を考えており、十分に利益を出しつつも、買主側から見て割安な金額設定とすることが出来そうです。

それもこれも「安く」落札をすることができたからです。「下手な鉄砲数打ちゃ当たる作戦(落札金額低めで大量入札作戦)」成功です(笑)

それでは、物件の各場所ごとにリフォーム内容を書いていきます。

外装・外構・玄関


外装は、外壁塗装、屋根塗装に加え、シーリング目地の打ち直しも行う。駐車場部分は特段にいじる箇所はなさそうだ。(高圧洗浄で汚れを落とすくらいはするかもしれない)
玄関はお客様が入ってきた時に一番最初に目に入る室内部分になる。まだまだ使えそうなシューズクローゼットだが思い切って新品交換することで、お客様の期待度を増幅させる。かかるコストも
そこまで高くない。

居室・リビング


1階和室は表替え・障子の張替・襖の張替を行う。現代人は和室を好まない傾向にあるが、1部屋だけならあっても問題は無い。2部屋以上ある場合は洋室に変更していく。
冷蔵庫がポツンと哀愁を漂わせている。大きすぎて持っていけなかったのだろうか…。フローリングは全て重ね張り、クロスは全室張替、カーテンレールは全て撤去する。コンセント類はもちろん全て新しいパネルに交換だ。
換気扇なども撤去、清潔感を出すコツはプラスチック系の設備を撤去したり、表面だけでも交換することだ。どんなに清掃をしてもプラスチックの表面の汚れは落ちない、木なら最悪は塗装という選択肢もある。

水回り


水回りは全て新品交換とする。間取り的に対面キッチンにすることができないのが多少のネックだ。写真のキッチンは食洗器もついており、当時の値段は非常に高かったことが推測される。しかし、お客様は「今」しか見ない。
中途半端に便座のみ交換するよりも、プラス5万円出して便器ごと交換してしまったほうが、お客様の「あとここがこうだったら完璧なんだけどな~」という逃げ道を潰せる。床はCF仕上げ、クロスも張り替える。
少々ネックなのが、洗面脱衣場の狭さである。幅が120cmしかない。この部分の間取り変更をしようとすると、多大な大工仕事と水道工事が発生する。コストを考えると今回のリフォームで実行することはできないだろう。洗面化粧台をどのくらいのサイズのものを置くか要検討である。床はCF仕上げ、弊社の場合、キッチン・トイレ・洗面脱衣室・階段は基本的にCFで仕上げる。
お風呂のサイズも1216のものしか入れることができない。日本人の身体のサイズが大きくなったことで新築でお風呂を1坪サイズより小さくすることはほぼありえなくなった。しかし、築20年を超える物件を仕入れると、0.75坪サイズの浴室によく出会う。0.75坪サイズのお風呂を見ると「お風呂が狭いな~」と言うお客様は多い。

今回の物件は工務店さんへの発注で、「じゃあ、いつもの感じで」と手放しで言えてしまうくらいに、手を加える必要性が無い、加える箇所がそもそも少ない物件です。

楽なんだが、、、ちょっとつまらない(笑)といった感じ。贅沢な悩みであることは承知している。


リフォームは早速明日(4月20日)から打ち合わせに入り、残代金の納入が済んだら即着工できるようにしておきます。こうすることで、保有期間の短縮が狙えます。(物件の回転率を向上させることで資金の効率的な運用性が高まり、銀行評価が上がる。)

着工を今月中にすることが出来れば、リフォーム完了は6月中旬になるでしょう。それから販売をかけていくと、、、なんとか8月の決算期までに引き渡しまで終わる見込みが立ちます。

元所有者の言う通り、「銀行の言いなりの従属関係になる」必要は無いが、少しでも他より低い金利・良い条件でお金を借りるには、決算書をより良い内容にするなどのゴマすりも必要となります。もしかしたら、経営者というのは端から見るとピエロのようなものなのかもしれない、そんな感覚も覚えてしまいますね。

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