オー・メドックのシャトー・ソシアンド・マレです。前に2011年を試していますが、今日のは1年進んで2012年。格付け3級以上の品質があるとか、メドック一の超長熟だとか、いろいろと評価が高いようで、昔から気になっているワインです。まあ、今回はリカマンで特価だったわけなんですが…。(笑)


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シャトー・ソシアンド・マレは、1633年の文書によると、ソシオンド(Sociondo)という名のバスク出身の貴族が所有していたようで、相当古い歴史があります。その後、どこかで「Sociondo」が「Sociando」にスペルミスされてしまいます。(笑)1831年の所有者のマリー・エリザベス・アラレットさんがマレ家に嫁いた頃、当時の習慣は地所に自身の名字をくっつけることだったようで、こうしてとうとう「ソシアンド・マレ」の名前が完成します。バンザ~イ!
その後シャトーはいくつかの人の手を経ますが、畑は5Haほどしかなく荒れ果てていたそうです。1969年に現オーナーのジャン・ゴートロー(Jean Gautreau)さんが購入することになるんですが、この方がシャトーを見事なまでに復活させ今に至ります。現在、畑は83haにもなり年間45万本近く生産するとのこと。


公式ページは簡素ですがいい感じ。
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ただし、ワイン情報は受賞歴だけしっかり書いてあるのに、ワイン自体の詳細がありません。
この2012年に90点をつけたパーカーおじさんの記事に頼ります。
・カベソー 55%
・メルロー 40%
・カベフラ 5%
新樽率100%のフレンチオーク樽で約12ヶ月の熟成と結構贅沢です。パーカーおじさんは2015年に試飲した記事の中で、まだ10~15年以上熟成してよくなりそうと書いてます。8年じゃまだまだ若いのかしら…。

シャトー訪問。ストビューではなく空撮写真にしてみました。
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いやあ、きれいな畑に囲まれてますね~。

例によってGoogle Mapでシャトーの位置関係を俯瞰で見ます。
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オー・メドックとは言いますが、サンテステフにほぼ隣接しています。境界から歩いても5分ほどの距離。サンテステフの格付け第3級シャトー・カロン・セギュールのお隣さんです。

ボルドー左岸、メドック地区全体も俯瞰して見ます。
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オー・メドック(Haut-Médoc)の分布、(バ)メドック(Bas-Médoc)の位置関係も把握できましたでしょうか。


エチケット平面化画像。
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シンプルで潔いデザインです。裏にはジャン・ゴートローさんのサインも。
「Sociando-Mallet, ... tout simplement.」のメッセージに注目。「(格付けシャトーでもクリュ・ブルジョワでもなく)ただ単にソシアンド・マレである」というジャンさんの名言のようです。


さあ、抜栓。
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ネックのデザインも凝ってましたが、キャップシールのエンボスもカッコいいです。

コルク平面化。
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ミレジム、シャトー名、シンボルマーク入り、完璧です。

Alc.13%。(pH:4.22、Brix:7.0)
濃いインキーなガーネット。褐変は見られませんね。
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黒ベリー、黒糖、濡れ木、スパイス。いいぞ。
辛口アタック。
程よい凝縮感と、
表層は滑らかながら厚みある構造感は立派。
重さやドギツさなく優しい味わいです。
タンニンもごくごくシルキー。
余韻もバランス崩れることなく長く続きます。
とってもおいしいんですが、
これはまだまだ熟成のポテンシャルありですね。

もう5年ぐらい寝かしたらもっと良さそう。
もう1本買っとくか?


*****


Château Sociando-Mallet 2012
RRWポイント 96点