まるを預かってから4日目の朝、
匠は朝のお散歩を
寝坊しました。
お父さんは『まる』が大好きになり、
この日は『まる』も
朝からお父さんにずっとベッタリです。
お父さんが背中を
撫でると気持ち良さそう
にク~ンク~ンと鳴きます。
大きな体で甘えん坊な『まる』
お母さんはまるの存在が嬉しくてたまりません。
たくみ~
『まる』のお散歩の時間よ~
お母さんはリビングから
たくみを呼びましたが
時間になっても起きてきません。
お母さんが
『まる~』お散歩行こっか~
まるは元気よく、ワンと鳴いて嬉しそう。
お母さんは歩いて10分程にある
きれいな公園に連れて行きました。
緑がたくさんあって土の匂いもする場所に
『まる』を連れていってあげたかったのです。
まるは草の匂いを
クンクン、クンクン嬉しそう。
その公園は、ジョギングも
できて地形が丸くなっている。
一周約900mくらいの広い公園の周りを
ジョギングや犬の
お散歩している人たちが
ぐるぐるしています。
お母さんが一周周り
終える頃、近くを通りすぎる
同じゴールデンレトリバーに視線を向けました。
右耳が白くて変わった
模様のゴールデンレトリバー…
その瞬間、お母さんは思い出しました…
ウソ・・・
信じられない・・・
あのときの子…
お母さんは思わず、じっと見てしまいました。
飼い主の年配の女性はとても合いそうが良く
ニコッと笑いかけてきました。
年配のその女性は
まるを見て、あら~かわいい子ね。
うちもゴールデンレトリバーなのよ。
話しかけてきました。
しかしお母さんは会釈をしただけで
その場を後にしました。
10年前の初夏の夜に
公園の金網に繋がれていた・・・
あのゴールデンレトリバーに間違いない…
右耳の色は忘れない。
確かにあの子だ…
あの日、誰かに公園に置き去りにされ
そしてお母さんまでもが
見て見ぬふりをして通り過ぎてしまった
置き去りにしてしまったのだ。
あの時のゴールデンレトリバーが…
生きていた…
人間も動物も命の尊さは同じ。
どうかそれを忘れないで。
命の大切さを心から感じて理解してほしい。
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