人間以外の霊長類からのヨーネ菌の検出(ドイツ)

背景
人以外の霊長類(NHP)のヨーネ菌感染が散発的に発生しており、ドイツのゲッチンゲン大学と霊長類センターの研究グループは人以外の霊長類についてのヨーネ菌の感染について調査した。

方法
7種20匹のNHPの糞便および組織サンプル(回腸、回盲リンパ節、骨髄)が採取されて、ヨーネ菌に特異的なIS900DNAをベースにしたPCR法により分析され、DNA配列が調べられた。
ヨーネ菌PCRで陽性に出たサンプルはさらに培養検査に回された。

「K10 genome」の画像検索結果結果
ヨーネ菌DNAが2匹の動物から検出された;
コットンタマリンの回腸とコモンマーモセットの骨髄からだった。
しかしヨーネ菌の培養はできなかった。
遺伝子配列の分析ではヨーネ菌の標準菌株であるK10株配列に100%一致していた。病理組織学的検査ではヨーネ菌に関連した病変は認められなかった。

 

「コットンタマリン free photo」の画像検索結果

左:コットンタマリン、右:コモンマーモセット(参考写真)

結論:
ヨーネ菌がコモンマーモセットで検出されたのは初めてである。
しかし、両方の猿は他の疾患にかかっていたことから、これらの症例はヨーネ菌に無症状感染していたのではないかと考えられた。
結核感染でも骨髄から結核菌が分離されることがある。本例の骨髄からヨーネ菌が検出されたことから、不顕性ヨーネ病を確立することで骨髄組織が一役担っているのかも知れない

J Med Primatol. 2017 Oct;46(5):211-217. doi: 10.1111/jmp.12270. Epub 2017 Apr 26.
Detection of Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis in non-human primates. Fechner K1, Mätz-Rensing K2, Lampe K2, Kaup FJ2, Czerny CP1, Schäfer J1.

「Faculty of Agricultural Sciences, University of Goettingen」の画像検索結果

ゲッチンゲン大学
https://www.uni-goettingen.de/en/subjects+from+a+to+z/3811.html

コットンタマリンの写真は https://www.pinterest.jp/angelikast35/primates-new-world-black-lion-tamarin-leontopithec/?lp=true より引用。
コモンマーモセットの写真は上野動物園freephotoより引用。
https://harady.com/photo/ueno_zoo4/ueno_zoo_6085.html

CMRIからのコメント
人間からもヨーネ菌DNAの検出報告は珍しくないが、培養されることは少ない。また、骨髄に(骨髄マクロファージと思われる)にヨーネ菌が潜んでいることは、そこから感染した単球が供給されるということで、菌にとっては合理的な隠れ場所だと思われる。動物園で飼育されている猿や霊長類におけるヨーネ菌の抗体調査や末梢血のDNA検査などが進むと多くのことがわかるかも知れません。