私にとって142作品目の読了原書です。
虹影著 《K 英国情人》
(*画像はアマゾンからお借りしました)
私の中で「虹影ブーム」
が起きているのかもしれません。
①《你照亮了我的世界》の感想は⇒コチラ
②《饥饿的女儿》の感想は⇒コチラ
今回は間を置かずに3冊目です。
この物語は実在の人物をモデルにしています。
そして、著者はヒロインの家族から訴えられ、
裁判に負けた結果、
登場人物の名前や舞台エリアを大幅に修正しています。
裁判前のオリジナルバージョンは、
現在大陸には存在しないそうです。
もしかしたら、台湾か香港に
繁体字版のオリジナルが残っているかもしれません。
私が読んだものは大陸のオンライン小説を編集して
Kindleへ添付送信した電子版です。
第17章を境にBefore/Afterが反映されていました。
【裁判の詳細】
2002年6月24日,
长春市中级人民法院审理
原告陈小滢(凌叔华之女)提出的小说《K》“诬蔑先人名誉”罪,
虹影不用律师,出庭自我辩护。
【裁判Before/After】
ヒロインモデル:凌叔华
修正前:林
修正後:闵
ヒロインの夫:陈源
修正前:程
修正後:郑
英国人青年:Julian Bell
修正前:朱利安
修正後:裘利安
物語の舞台
修正前:武漢
修正後:青島
裁判の影響を受けなかったのは、
「新月派」の詩人、徐志摩でしょうか。
“诗人徐”という名で出てきます。
そして有名な《再别康桥》も載せてあるので、
すぐに徐志摩とわかるかと思います。
私の中ではこれまで、
陆小曼や林徽因とのスキャンダルによる
プレーボーイの印象が色濃かったのですが、
彼の死後、
徐志摩の所持品の大部分は
凌叔华のもとに残されていたらしく、
運命の相手は、実は凌叔华だったのでは、
という説もあるそうです。
いずれにせよ、
「恋多き男」
であることには変わりなさそうですネ
私の本書への感想は・・・
良かったです。
虹影さんのワールドが嫌いではありません。
本書において、
性愛全般は非常に赤裸々です。
ここまで激しい性描写を含む原書に、
特に女性作家では
私は初めて触れました。
そして、恋愛の情感の迫る感じ!
エゴや身勝手さ等…
恋愛小説でありながら
きれい過ぎないところが、
グッときました。
例えるならば、
島本理生さんの『Red』
を読んだ時に受けた衝撃に近かったです。
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