おはようございます。
最近、3時間ずつ睡眠をとるクセができてしまいました。やっとで寝れても3時間後には起きてしまい、また眠くなるのを待ってから再度寝るという毎日です。困ったものです。というのも、私には2つの睡眠障害がありまして。ひとつは
「無呼吸症候群」
きっと…いや絶対肥満からきてますね。喉の気道が肉で詰まり、約1分近く呼吸が止まってしまうのです。
もうひとつ、厄介なのが
「ナルコレプシー(居眠り病)」Wikipedia
という病気です。コイツは脳を休ませようとする「ノンレム睡眠」時に、身体が勝手に脳を起こそうとしたりするものなので(他にも症状あり)脳が覚醒を起こし、深い睡眠に入れることが少なくなってしまい、普段の生活中に、逆に凄い睡魔に襲われるのです。ええ、とても厄介です。

体は毎日ダル重だし、肌には悪いし。とても難儀な脳を持ってしまいました。

 しかし、デメリットの中にもメリットはありまして☺︎
常に浅い眠りなので(夢は浅い睡眠時に見るそうです)かなりハイクオリティかつ、リアリティ溢れる夢を見ることができます。

ロンドン旅行へ行く夢(もちろん無料です)
観たことのない映画を丸々1本観る夢(私好みのキャスティングと内容なので凄く面白いです)
天国へ逝った方々とお話する夢(近況報告等)

かなりリアルなので、信じられないくらい怖かったり不快な夢も多々見ますが、たまに上記のような素敵な夢も見ることができます。

今朝は、天国にいる母方の祖父と会って話してきました。
「なかなかお仏壇行けなくてごめんね」
「それよりおまえは自分の身体を心配しなさい」
健康オタクな祖父だったので、かなり心配され、叱られてきました 笑。笑顔が見れなかったのが残念です。


そういえば、祖父は私が大人になってからは、あまり私に笑顔を見せることはありませんでした。思い出されるのは、笑顔よりも心配顔。祖父は当時、ミュージシャンを目指す私を常に心配していました。
沖縄へ帰る度に
「頑張ってるか?」
「飯はちゃんと食べれてるか?」
「バイトの給料はどうだ?」
「人には優しくしなさい」
他の人がいる所では無口な人だけど、私と2人きりになる時間が少しでもあると、いつもそんなことを言ってきました。私の目指すものに反対は一切せず、心配ばかりしてくれる人でした。


そんな祖父が末期癌だと知ったのは、私が沖縄のインディーズレーベルからデビューする為に、東京から沖縄へ戻り、数ヶ月経ってのことです。

ある日、母から
祖父があんたを呼んでいるから病室へ来なさい
と、連絡が入りました。
何事かと思い足を運ぶと、祖父が大きな黒い箱を手渡してきました。今見るとそうでもない箱ですが、あっという間に小さくなってしまっていた祖父が持っていたので、とても大きな箱に見えたのを覚えています。
話を聞くと

その中に祖父が何年も趣味で集めてきたいろんな日本の珍しい硬貨や紙幣が入っている。新宿にそれらを買い取ってくれる店があるので、そこへこの箱を持って行き、現金に変え、困った時に使いなさい。

とのこと。しばらく、嬉しいような、申し訳ないような、気まずさに似た静寂な時間が過ぎました。どう答えたらいいのか正直、正解が見つかりませんでしたが、意を決して私は祖父に
「ありがとうございます。けどこれは売らずに自分が大事に持っておくよ。いい?」
と告げると、祖父は驚いたような、目を潤ませ、悲しげな顔をしていました。

それが私と祖父との最後の会話だったと思います。


北谷町美浜にあるアメリカンヴィレッジの広場でのライブ当日。朝から病室に呼ばれました。
祖父は家族に看取られ天国へ旅立ちました。最後は深呼吸するように。

夕方からのライブは決行するか中止にするか、事務所とメンバーはその決断を私に託してくれました。どうしようか悩み迷っていましたが、朝、看取った後、病室から出る時に叔母が私に話してくれたことを思い出したんです。

「最後、おじいちゃん意識がなくなってもね、あんたたちのCDを流したら心拍数が動き出すし、指がピクピク動いてたさ。本当に応援してたんだね。」

その日は祖父が安心してくれるよう、声が届くように目一杯ライブ全曲歌いきりました。不思議と涙なんて流れないものです。


それから数年経ち、沖縄の事務所から東京の事務所へ移籍が決まり、再度東京での生活が始まりました。
荷物整理をしてる最中にふと、祖父の黒い箱が目に止まり、まだ一度も中身をちゃんと見ていなかったことに気付きました。
いったいどんなものが入っているんだろう…
興味本位で開けてみると、百円札の束、穴の空いてない5円玉、天皇陛下の記念硬貨等。なるほど、こんな趣味を持っていたんだ。にしてもよくこれだけ集められたな…
と感心していたら一緒に封筒が出てきました。中には2枚の紙切れ。
1枚は沖縄の新聞から切り取った、新宿でこれらを買い取ってくれる店の地図付きの広告。もう1枚はというと、祖父の直筆の手紙でした。
きっと末期癌でペンを持つのもしんどかったのでしょう。とても震えた字でこう書いてありました。

「これを持ってきた若者は怪しい者ではありません。
私の孫です。彼は音楽を目指しており、彼の今後のために些細ではありますが、私のコレクションを彼に託した次第でございます。どうぞよろしくお願い致します。  住所 祖父の名前」

6歳の頃、私に祖父が意地悪で入れ歯を外すところを見せてきたのを思い出しました。

手紙を読み終えたいい大人の私は、その時と同じくらい声をあげて泣いたんです。
誰かにこんなに大切に、大事に心配されることがこんなにありがたいことだと思い知らされ、わんわん泣きました。


祖父の最後の、目を潤ませた悲しげな顔を思い出したので、祖父のコレクションは売って貯金しました。それが祖父の望みだったからです。

困った時は本当に使わせてもらうね 笑
また、たまに夢に出てきて叱ってください。
あなたのような人になれるようにしっかり生きるので、次出てきてくれる時は笑顔で会いましょう。

コレクションの1枚はお守りでいただきました🙂