建設工事業は2つの一式工事業と27の専門工事業に分かれます。
この27の専門工事業には様々な業種がありますが、その内の1つが造園工事業となります。
植栽工事や園路工事等が、この造園工事業にあたり、多くの造園工事業者がこの建設業許可を取得しています。
本記事では、この造園工事業について解説していきます。
目次
造園工事とは
造園工事業の例示としては、下記の工事が挙げられます。
- 植栽工事
- 地被工事
- 景石工事
- 地ごしらえ工事
- 公園設備工事
- 広場工事
- 園路工事
- 水景工事
- 屋上等緑化工事
- 緑地育成工事
造園工事業の例示
植栽工事
植栽工事とは、敷地内の外構スペースに草木を植える工事のことをいいます。植栽工事の代表的な例としては庭に樹木を植えたり、生け垣を作る、屋上緑化等があります。
地被工事
地被工事とは、カバープラントなどで地表を覆う工事のことをいいます。
景石工事
景石工事とは、日本庭園で風致を添えるために石を設置する工事のことをいいます。
地ごしらえ工事
地ごしらえ工事とは、伐採作業を終えた場所に残されている幹の先端部や枝、刈り払われた低木や雑草などを集めて、片付けたり、整理、配列したりする工事のことをいいます。
公園設備工事
公園設備工事とは、公園内の整地、樹木の植栽、花壇、噴水その他の修景施設、休憩所その他の休養施設、遊戯施設、便益施設等の設置などする工事のことをいいます。
広場工事
広場工事とは、修景広場や芝生広場、運動広場などの整地などする工事の事をいいます。
園路工事
園路工事とは、公園や庭園の中の道の整地などする工事をいいます。
水景工事
水景工事とは、噴水、ミスト、人工滝・流れ、自然池・河川噴水、モニュメント噴水、ビオトープ等、水景施設の設置などする工事のことをいいます。
屋上等緑化工事
屋上等緑化工事とは、屋上等に植栽地をつくる工事のことをいいます。
緑地育成工事
緑地育成工事とは、街路樹、構内樹林帯、花壇等の緑地育成・管理などする工事のことをいいます。
造園工事業の建設業許可の取得要件
- 経営業務管理責任者
- 専任技術者
- 財産的基礎要件
- 欠格要件と誠実性
- 営業所の要件
1.経営業務管理責任者がいること
許可申請者が法人の場合は常勤の役員の中に、個人の場合は事業主本人が、経営業務管理責任者であることが要件です。(⇒経営業務管理責任者の詳細)
下記のうち、(イ)(ロ)の、いずれかの要件を満たしており、適切な社会保険に加入している人が造園工事業の経営業務管理責任者になれます。
(イ)次のいずれかに該当する者であること。
- 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
(ロ)次のいずれかに該当する者であって、かつ、当該常勤役員等を直接に補佐する者として、①~③に該当する者をそれぞれ置くものであること。
- 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の建設業の役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位における 経験を有する者
- 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の役員等の経験を有する者
+
②許可申請等を行う建設業者等において5年以上の労務管理の経験を有する者
③許可申請等を行う建設業者等において5年以上の運営業務の経験を有する者
2.専任技術者がいること
許可申請者の役員や従業員の中に、専任技術者がいることが要件です。(⇒専任技術者の詳細)
以下の1.2.3.4.のどれかに該当すれば専任技術者になれます。
1.以下のどれかしらの資格を持つ方
・1級造園施工管理技士
・2級造園施工管理技士
・技術士法「技術士試験」 建設・総合技術監理(建設)
・技術士法「技術士試験」 建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法「技術士試験」 森林「林業」・総合技術監理(森林「林業」)
・技術士法「技術士試験」 森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
・職業能力開発促進法「技能検定」 造園
2.大学にて指定の学科(土木工学、建築学、都市工学、林学)を卒業し、3年以上の実務経験がある方
3.高校にて指定の学科(土木工学、建築学、都市工学、林学)を卒業し、5年以上の実務経験がある方
4.造園工事業に関する10年以上の実務経験がある方
3.財産的基礎要件
許可をとるには財産的基礎要件が必要になります。(⇒財産的基礎要件の詳細)
以下のうちどちらかを満たせば財産要件はクリアできます。
- 直前の決算書において自己資本(純資産)の額が500万円以上である
- 500万円以上の預金残高がある
4.欠格要件と誠実性
許可をとるには欠格要件に該当していないこと、誠実であることが求められます。(⇒欠格要件と誠実性の詳細)
建設業許可の欠格要件
法人の役員や事業主本人、支店長等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。
- 成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者
- 不正が原因で建設業許可を取り消され、その後5年が経過してない者
- 法律に違反して刑を受け、その刑の執行が終わり、もしくはその刑の執行を受けなくなってから5年が経過してない者
建設業許可の誠実性
法人の役員や事業主本人、支店長、顧問、株主等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。
- 建築士法・宅地建物取引業法等で「不正な行為」または「不誠実な行為」を行ったことにより、免許等の取消処分を受け、その処分の日から5年を経過していない場合
- 暴力団の構成員であること
- 暴力団により実質的な経営上の支配が行われていること
5.営業所の要件
建設業の営業を行う事務所を有する必要があります。営業所とは常時建設工事に係る請負契約等を締結する事務所となりますので、単なる連絡事務所には該当しません。
したがって登記上の住所にある営業所がこういった事務所でない場合は、請負契約の見積り、入札、契約締結等に係る実体的な事実上の住所が必要にあります。(⇒営業所の要件とは)
<大阪府に提出する書類>
事務所の使用権限が確認できる書類の提出を求められる場合があります。
自己所有の場合
・建物の登記簿謄本
・固定資産評価証明書
・固定資産税・都市計画税の納税通知書
・登記済証(権利書)
・登記識別情報通知
・建物の売買契約書(登記が確認できない場合)
賃貸等の場合
・賃貸借契約書
・使用貸借契約書
造園工事業の建設業許可でよくある質問
答えとして、「剪定工事」は造園工事業の実績とは認められません。
植栽などは穴を掘って、そこに大きな木を植える工程をふむので工事と認められます。
しかし、剪定はあくまでも枝を切ったりするだけなので工事ではないということ見解に至るのでしょう。
その他に、建設工事に該当しない例として、
- 剪定、除草、草刈り、伐採
- 道路・緑地・公園・ビル等の清掃や管理、建築物・工作物の養生や洗浄
- 施設・設備・機器等の保守点検、(電球等の)消耗部品の交換
- 調査、測量、設計
- 運搬・残土搬出、地質調査・埋蔵文化財発掘・観測・測定を目的とした掘削
- 船舶や航空機など土地に定着しない動産の築造・設備機器取付
- 自家用工作物に関する工事
などがあります。
これらは全て実務経験としてカウントされませんので、ご注意ください。
建設業許可取得を依頼する
いかがだったでしょうか?造園工事業の建設業許可取得方法についての解説でした。
この記事で解説してきたように、建設業許可を取得するためには、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。
しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。
そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。
当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。
当事務所は、建設業許可の許可取得は数多くの実績があり、最も得意としているところです。
また、建設業許可の取得代行はもちろん、決算変更届や変更届などの各種手続きをフルサポートさせていただいております。
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