「どうかしましたか?ヒョン?」



...別に...大丈夫」



「大丈夫じゃないでしょ、そんなムスッとした顔して。一緒にいる僕の身にもなってくださいよ」



ここ23日のユノヒョンの様子がおかしい


真っ暗な携帯の画面をボーッと眺めたり、何となくイライラした雰囲気を出したり


話しかけても聞こえてないのか

上の空だったり



...ごめん」



「誰も謝ってくれとは言ってません。何か...あったんです?」



大好きな人に、何か悩みがあるなら寄り添ってあげたい



「ヒョン?」



さあ、シムになんでも打ち明けてください



...彼女がさ...



前言撤回

まったく寄り添えない



「おん?何ですか...会いたい..とか?」



最近の過密スケジュールでは全然会えてない筈だ


でも毎晩、電話してるのを僕は知ってる



『あはーはーはーっ』


ユノヒョンの独特の笑い声が隣の部屋から響いてきて何回寝惚けたフリしてヒョンの部屋側の壁を叩いたかわからない


毎日毎晩、何をそんなに話すことがあるのか



明日も早いんだから早く寝ろよって嫌味を言えば


『チャンミンだって昨日朝までゲームしてたじゃーん!』


口を尖らせて反論されて、ヒョンのクセに

その妙に可愛い仕草に白目ノックアウト


ヤバって自室に引っ込んで、特に信仰心なんてないけど一刻も早くユノヒョンが彼女と別れますようにと祈る事が、それから僕の毎夜の日課になった


...これじゃ完全に危ない男だ




「おいっ、チャンミン!聞いてる?」



「え、あっ..すいません、ちょっと回想の世界へ」



「かいそう...?」



「や、気にしないで下さい。ちょっと僕のブラックな部分が顔を覗かせただけですから」



「ブラック...?」



「それはいいから!なに?彼女と喧嘩でもしたんすか?お?」



いちいち首を傾げるとかマジでやめて欲しい


ペンは僕のことを可愛いとか何とか騒ぐけど

僕から言わせればユノヒョンの方が何百万倍可愛い



カッコよくて可愛いとか

...最強かよ



「お前聞く気ないだろ。もういいよ」



「いやいや、聞きますって!なに?」



彼女と不協和音なら

そのまま別れさせてやる...なーんて



「別れた!」


別れさせてやりますよ..このシム...が...ええ?!別れた?は?誰が??え?!」



毎晩の欠かさぬ祈りが神に届いたのか、頭の中の願望が聞かせた幻聴なのか



「は?お?誰が別れたって?!」



「むーーー...だからっ、俺が彼女と別れたの!」



「...」



い...イエス!神様!

ありがとうございます!


ヤバっ顔がニヤける...

ダメだ、ここは笑ってはいけない



「なんで別れたんですか?ヒョンが振ったの?」



彼女からはあるはず無いし



「...彼女が別れようって」



「..ハア?!誰が誰に?」


ちょっと待て

僕の幻聴か?



「だからっ、俺が彼女にフラれたの!」



「...バッカじゃねえんですか...」



「お前な...慰めるだろ、普通!バカってなんだよ」



「なんでヒョンがフラれんだよ!おっ?その女バカじゃないんです?!」



イライラする

何様だよ

どこの誰だよ



「チャンミン!その女とか言うな。俺の彼女なんだから」



「は?あんたフラれたんでしょ?なら彼女じゃねえでしょーが!」



フラれたくせに、そんな女庇うんじゃねえですよ



「あっ...そっかー。あははっ」



両手で顔を覆って笑うユノヒョン



彼女と別れて清々する

踊り出したくらい嬉しいのに



何時もは大きなユノヒョンが

なんだかすごく小さく見えて



胸がチクンって痛むんだ




ユノヒョンはこんなカッコよくて可愛いんでっすよぉ。無理です、好きです。でも...シム以外は別にわからなくていいです。や、見るな、寄るな、触るな💢
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