逃げ込んだビルの屋上
自身が吐く、荒れた呼吸が
更に自身を追い詰めていく
左右に素早く目をやって
身を隠せそうな場所を探すが
生憎、そんな都合のいい場所はない
「チッ」
直ぐ側まで迫る
男たちの怒号と足音
逃げ場のない状況への焦燥
ここまでかという諦め
そして...
眼下に広がる
宝石を散りばめた様な摩天楼
まるで、あの男の瞳のようで
こんな時なのに口元に微笑が浮かぶ
ガチャっ！！
「いたぞ！捕まえろ！」
風と自分が吐く息の音しかなかった空間が
あっという間に喧騒に包まれる
「止まれ！」
闇を切り裂くように響いた声に
男たちの足がピタリと止まるが
一瞬のこと
「近づいたら、ここから飛び降りる。
俺が死んだら、お前ら全員殺されるよ？」
冷静に、尚且つ冷淡に。
笑みを浮かべたまま
わざと残酷な言葉を並べる
戸惑いを見せる男たち
俺は後のない屋上の縁に
更に一歩、足を進める
吹き上げるビル風に目を細めて
追うように視線をあげる
細い三日月
そっくりに笑う男を知ってる
「落ち着け...。今、戻るなら今回のことは不問にするとボスは言っている。」
「フッ...今さら」
何も知らなかった頃には
戻れないし
戻る気もない
「今の地位を捨てるのか？
何不自由ない暮らしを？
よく考えてみろ、チャンミン」
「....苦い水は、もう飲めない」
意味がわからないと眉を寄せる男たちは
可哀想な人たちなのかもしれない
生きるために『苦い水』を飲み込んだ
いや、それが苦いとも気づかなかった
俺の世界には、それだけが存在してた
苦い水しかない世界では
それが苦いと知る事さえできない
『チャンミン』
世界には色んな『水』があると
俺に教えた男
「とにかく、こっちに来い。
どっちにしたって、ボスからは逃げられない」
確かに、この世界では無理だろう
でも
目の前に広がる闇の中に浮かぶ無数の輝き
『チャンミン、おいで』
無限に広がる空間が
手を広げて甘く誘う
それは俺に『甘い水』を教えた男
恐怖は１ミリもない
ゆっくりと目を閉じて
身体を委ねる
ユノ...僕を抱いていて
終
明日は４６の日。ドキドキ、ワクワク。
意味深なMVに妄想が止まらない。退廃的なイメージは私の大好物です←聞いてない。笑
ちなみにchocolateの語源は、chocolatreショコラトール...メキシコインディオで『苦い水』と言う意味らしいですよ。←はい、Googleさん知識です
ユノさんとは恋人同士なのか？チャンミンは死んだのか？もしくはユノさんが間一髪助けたのか？笑
妄想を掻き立てるMVに乾杯←イミフ
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