産後のガラ公演
産後1年、アルレキナーダのパドドゥを踊った。
産後にフェッテ付のパドドゥを踊ったという事実が、重要なのだ。
これからも女として生きていくための自信になったし、バレリーナは産まない、果てには結婚もしない、ゲイジュツに生きるヒトは努力家で、己を犠牲にしてゲイジュツのため全身全霊身を捧ぐ。
という日本のとち狂った美学を覆した。
しかし、バレエのために産まないって、サムライか、社畜と言うべきか。
バレエの調子がいいほど、妊娠、出産、育児は遠くなるのはよくわかる。他の人に役渡したくない気持ちも分かる。
私は子作りタイミングに悩んだ。せむしの仔馬を私のために振付てもらって、劇場と文化省はそのために金を使い。バレエが絶好調のときに、妊娠することを決めた。バレエが良いときこそ、今後のために、まだ若いうちに子供を作るべきだと考えた。そしてそれは間違いではなかった。身体は戻せた。視力以外ね。
繰り返すが、私はママリーナではない!子供を産んで、踊ることに、ロシアでは特別なことは何も無い!
これで、昔から憧れていた子供連れでバレエ団に来て踊ってるロシア人バレエダンサーの仲間入りができた。
バレエは私にとって、育児の息抜き。この息抜きがあるから、育児を苦と思わず出来ている。
このブログを書いてる今日もこれから、ミュージカルのリハーサルに、娘を連れて行く。オペラやバレエのおばちゃんおじちゃんの腕から腕へ抱っこしてもらえるから、娘はかなりご機嫌だし、オーケストラの音は教育に良いだろうし。
しかし、産後にパドドゥという目標を果たしたら、二人目欲しさが増した。
金が無くても子育てがどうにかなるロシアでも、さすがに金が無さすぎるので、夫の仕事が安定するまで二人目はもう少し待つことにします。酒も飲みたいし。
ロシア13年目、キルギス人でもウクライナ人でもない、金髪青い目のロシア人と踊らせてもらえたことは、ただ快挙〜。
ここの劇場にいる限り、私はこれからもブロンドの彼と踊ることになりそうだ。
マリインスキーのソリストも来て、うちのプリマたちが舞うガラ公演にちんちくりん日本人の私が出してもらえたことは、ただただ幸運であった。
ガラ公演についての評論家たちの記事を読むと、「愛らしく小さなかわいい日本人ちゃん」 と書かれていて、27歳、人妻子持ちは舞台では可愛くいられることを知った。
なぜって、
ガラ公演で美しく舞ったプリマたちはみんな、子持ちのママたちであるから。その中で私は新米ママで、バレエ団に行けば先輩ママらから子育てアドバイスがもらえる。
トルコ人の観光客、すごい親日家で、お口が止まらない愉快な人々。
ロシアに遊びに来て、バレエ見に来たら日本人がいた!と大喜び。自分たちは幸せだと感じていることが十分に伝わってきて、嬉しかった。お互い拙い英語で会話が成り立つ。こういう瞬間、語学脳がフル活動するときこそ、生きていると感じる。
うちのプリマ。本当に美しい。五歳の息子のママ。35歳になるまでにあと1人産むと宣言している。
男も、マリインスキーのソリストより美しいうまいし、私は勝手に鼻高かった。
彼女と同じガラに出られた、、すごい!
私は彼女を有名人にしたい。本当に、こんやきれいなバレリーナ初めて見たし、毎日見ている。
記者のみなさま、彼女について日本語でインタビューなど書きませんか?待っています、連絡ください。