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【ラップタイム対決!】 インディカー vs. FIA-F2 vs. スーパーフォーミュラ

モータースポーツ中毒者のぴぴと申します。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
wikipediaより

毎年F1アメリカグランプリが開催されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、2019年3月にインディカーシリーズ第2戦が行われました。

そうインディカーが、F1と同じサーキットを走ったのです。

最新のF1と最新のインディカーのラップタイムの差は・・・。

2018年F1アメリカグランプリで、ポールポジションを獲得したルイス・ハミルトンのラップタイムは1分32秒237、対するインディカーはポールポジションのウィル・パワーが1分46秒012、その差13秒以上でした。

もちろんインディカーはオーバルが主戦場のマシン、単純に比較するものではありませんが、13秒以上のラップタイム差とは正直驚きました。

では、アメリカを代表するフォーミュラカーインディカーと、ヨーロッパを代表するフォーミュラカーFIA-F2(ヨーロッパ代表はF1じゃない?というツッコミはあえて受け付けません)、日本を代表するフォーミュラカースーパーフォーミュラのラップタイム差は?

そこで今回は、インディカーvs.FIA-F2vs.スーパーフォーミュラと題し、直接対決することのない3カテゴリーのラップタイム差を、F1とのラップタイム差を用いて比べてみたいと思います。

果たしてどれが、F1に次ぐカテゴリーなのでしょうか!

スーパーライセンスポイントトップはFIA-F2

https://twitter.com/FIA_F2/status/1111567427006013440
FIA-F2マシン

スーパーライセンスポイントとは、世界各国で行われるモータースポーツのシリーズランキングによりポイントを付与し、過去3年間の合計ポイントで40ポイント以上獲得するとF1に乗ることのできるスーパーライセンスを取得できる権利を獲得できるポイントのことです。

このスーパーライセンスポイントを最も多く獲得できるシリーズは、インディカー・FIA-F2・スーパーフォーミュラのうちどれでしょう。

順位カテゴリー1位2位3位
1FIA-F240P40P40P
2インディカー40P30P20P
3スーパーフォーミュラ25P20P15P

順位は上記の通りFIA-F2が1位、以下インディカー・スーパーフォーミュラと続きます。

ただこの順位、FIAが主催するF1に良いドライバーを集めるため、FIA-F4→FIA-F3→FIA-F2→F1とスーパーライセンスポイントを多く付与し、ドライバーを集めている感が否めません。

実際インディカーもスーパーフォーミュラもFIA主催ではなく、スーパーライセンスポイントから実際のマシンレベルが推測できるとは言えません。

インディカー・FIA-F2・スーパーフォーミュラのマシン比較

2017年インディ500で優勝した佐藤琢磨選手のマシン

ラップタイムに影響するマシン・エンジン・タイヤのデータを、インディカー・FIA-F2・スーパーフォーミュラの3カテゴリーごとに調べてみたのが以下の表です。

カテゴリーインディカーFIA-F2スーパーフォーミュラ
マシンダラーラ製
DW12
(2012年-)
ダラーラ製
F2 2018
(2018年-)
ダラーラ製
SF19
(2019年-)
今回の比較は
SF14
(2014年-)
エンジンホンダ製or
シボレー製
2.2Lツインターボ
メカクローム製
3.4Lシングルターボ
トヨタ製or
ホンダ製
2.0L直噴ターボ
タイヤファイアストンピレリヨコハマ

今回取り上げる世界の上位カテゴリーのマシンは全てイタリアのダラーラ製と、あらためてワンメイクシリーズでのダラーラ社の占拠率の高さに驚きます。

エンジンは排気量が全て違いますが、全てのカテゴリーで過給機付きとなっており、タイヤに関しては、3カテゴリーとも供給するタイヤメーカーが違います。

F1とインディカー・FIA-F2・スーパーフォーミュラのラップタイム差は?

では実際のマシンの実力差は?

そこで、F1と各カテゴリーと同時開催のサーキットからラップタイム差を確認してみましょう。

F1vs.インディカー

冒頭でも書いた通り、2019年インディカーは初めてサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されました。

このサーキットは近年、F1アメリカグランプリで使用されており、F1vs.インディカーのラップタイムを比べることができます。

予選でのポールポジションタイムの比較がこちらです。

カテゴリーF1インディカー
P.Pタイム1分32秒2371分46秒012
ドライバールイス・ハミルトンウィル・パワー
チームメルセデスペンスキー
開催日2018年10月2019年3月
路面ドライドライ

F1とアメリカフォーミュラカー最高峰のインディカーとのラップタイム差が13秒775・・・。

まあインディカーの主戦場はオーバルコースなので、13秒が純粋な実力差ではないことはわかります。

でも正直驚きのラップタイム差でした。

F1vs.FIA-F2

続いては、F1ヨーロッパ開催のサポートレースとして行われるFIA-F2はどうでしょう。

2018年シルバーストンサーキットで行われたF1vs.FIA-F2のポールポジションラップの差は以下のとおりです。

カテゴリーF1FIA-F2
P.Pタイム1分25秒8921分39秒989
ドライバールイス・ハミルトンジョージ・ラッセル
チームメルセデスARTグランプリ
開催日2018年7月2018年7月
路面ドライドライ

シルバーストンサーキットでのF1とFIA-F2のポールポジションラップの差は、14秒097です。

同日ほぼ同じコンディションの中行われましたが、こちらも相当なラップタイム差で、あらためてF1の凄さがわかる結果となりました。

F1vs.スーパーフォーミュラ

最後に我が国が誇るトップフォーミュラ、スーパーフォーミュラとのラップタイム差はどうでしょう。

比べるのはF1日本グランプリが開催される鈴鹿サーキットで、同じ10月に開催されたスーパーフォーミュラとのラップタイム差がこちらです。

カテゴリーF1スーパーフォーミュラ
P.Pタイム1分27秒760
(完全ドライ路面ならば1分26秒319が予想される)
1分37秒909
ドライバールイス・ハミルトン山本 尚貴
チームメルセデスチーム無限
開催日2018年10月2018年10月
路面ドライ→ウェットドライ

鈴鹿サーキットでのF1とスーパーフォーミュラとのポールポジションラップの差が10秒149です。

ただし2018年のF1日本グランプリのQ3はドライからウェット路面に変わる中で行われ、前年2017年の日本グランプリの予選タイムに比べ0.441秒のタイムダウンでした。

他のF1グランプリでは、2017年→2018年で前年比99.1%前後のラップタイムを記録していることから、2018年の日本グランプリ予選Q3が完全なドライ路面ならば、2017年の予選Q3の記録1分27秒319から99.1%のラップタイムである1分26秒533が想定されます。

2019年から投入されるスーパーフォーミュラマシンSF19

ちなみにスーパーフォーミュラのマシンは、昨年まで使われたSF14で出したラップタイムで、今年から使われるSF19ではさらなるタイム更新が期待されます。

インディカーvs.FIA-F2vs.スーパーフォーミュラ果たして一番速いのは?

2018年まで使われたスーパーフォーミュラマシンSF14

F1とのラップタイム差から導き出された、F1に次ぐ速さを持つカテゴリーは果たしてどれでしょう。

順位カテゴリーF1との差
1スーパーフォーミュラ113.1%
2インディカー114.9%
3FIA-F2116.4%

なんとスーパーフォーミュラが3カテゴリー中の最速でした。

ちなみに2018年スーパーフォーミュラ第7戦の予選グリットに、インディカーのウィル・パワーとFIA-F2のジョージ・ラッセルが入ると、両カテゴリーともにQ1敗退※という結果になります。

※ インディカーはスーパーフォーミュラP.Pラップの101.79%、FIA-F2はスーパーフォーミュラP.Pラップの103.27%として算出

まとめ

結果はスーパーライセンスポイントとは真逆で、スーパーフォーミュラがF1に次ぐ速さを持っていることがわかりました。

無論、スーパーライセンスポイントはドライバーのレベルに応じてポイントを振り分けており、今回は純粋にマシンの速さのみの結果ですが、我が国が誇るスーパーフォーミュラがインディカーやFIA-F2に勝る速さを持つマシンだということは嬉しい限りですね。

ただし、FIA-F2で履くピレリタイヤは、グリップレベルを追求したものではなくコントロールタイヤと呼ばれるタイヤで、スーパーフォーミュラのヨコハマ製タイヤとは異なる性質のものです。

そしてインディカーは、先にも書いたとおりオーバルトラックを主戦場にしたカテゴリーのため、今回の比較であるサーキットでのラップタイムという観点から言えば相当に善戦しているとみて良いと思います。

しかし結論は・・・

サーキットでF1に次ぐ速さを持つフォーミュラカーは、スーパーフォーミュラに決定しました!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。