ウルトラヴォックスとの出会いはサントリー・ウィスキーのCMだった Ultravox / New Europeans

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1980年代、サントリーウィスキーのCMはとても先鋭的だった

最近我が家の上空でドクターヘリを見る事が多くなった。ちょうどオレの家はそういうヘリコプターの飛行経路下にあるようで、ここのところ毎月ドクターヘリの離着陸場面を見ている。直ぐ頭上でヘリコプターが飛んでいるなぁ? と思って外を見ると、ヘリコプターが着陸態勢に入っているではないか。徐々に着陸点に降りて行くヘリコプター。そんな姿を見ていると、いつも頭の中では深いリバーブとディストーションがかかったギターのイントロが流れてくる。降りてくるのは救急隊員か、三宅一生か?

1980年代のサントリー角瓶のCMはとてもかっこよかった。特に良かったのは1982年のものだ。耳から血が出るんじゃないかと思わせるような、エッジの効いた硬質のギターが響くと、黄色いヘリコプターが静かにすーっと降りて来る。感電しそうな鋭いギターに反して、曲のベースラインはシンセベースと云う斬新な組み合わせ。映像はヘリがアップになり、三宅一生が機体から体を乗り出し、彼は正面を見据えたと思うと、ヘリは飛びすさってゆく。映像も音もシビレル、カッコの良いCMだった。その映像に使われていたBGMが、UltravoxのNew Europeansだった。

今じゃサントリーの角瓶なんて、安物ウィスキーの代表になってしまった。が、この当時は2400円と、そこそこの値段のウィスキーだった。

角瓶がまだまだ高価だった時代。田舎の中学生の間ではテクノポップが物凄く流行っていていた。クラスメートのアイツもコイツもYMOに夢中だった。ところがヒレくれもののオレは、流行りものには背を背けるという悪い癖がある。みんながYMOに夢中になっていた時にオレが夢中になっていたのは、OMID(Orchestral Manoeuvres In The Dark)だった。更にもっと刺激のある音を探し求めていた頃に、TVのCMから、それまで聞いた事の無いカッコいい音が響いてきた訳だよ。それがこのNew Europeansだった。

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ロックとテクノポップの融合した先鋭的な音

パンクロックのようにエッジの効いたギター・ロックでありながら、冷たいシンセサイザーの響きとシンセベースが響く。それはこれまでに聞いた事の無い音だった。しかもなんともヨーロッパチックなその楽曲の響き、メロディー。当時、テクノはテクノ、ロックはロックと思っていただけに、このロックとテクノポップの融合した音は、オレの耳にはとんでもなく画期的な音楽に聞こえたのだ。

YMOに夢中になっている同級生を尻目に、オレは独りUltravoxの刺激に痺れていた。

ところが本物のUltravoxはこんな程度のものじゃなかった。本当に素晴らしかった楽曲、革新的な音楽は、この時のUltravox(Midge Ureがフロントマンの第2期)では無く、第1期の作品群だったのだ。New Europeansのヒットのお陰で、初期のUltravox!のアルバムが限定盤として発売された。フロントマンは、Midige Ureと大違いの、冷たく、そして狂気と知性を合わせ持った顔をした男、John Foxx。

このJohn Foxx在籍時のUltravoxに、オレは心底打ちのめされた。修学旅行先の札幌で、たまたま見かけてしまった彼らの1stアルバムをなんとなく買ってしまう。そのアルバムから聞こえた音は、正にアート・ロック。ロックンロールでもない、粗野なパンクでもない。後に知るDavid Bowieに繋がる、ロックとアートを融合させた音世界だった。

そして飛んでもない孤高のアルバムSystems of Romanceで彼らは、1970年代後半に、既にエレクトリックとロックを融合させた音を作り上げていたのだ。YMOなんか、Ultravoxの物まねでしかなかったとは! その話しはまた別の機会に。

1980年代のUltravoxの映像に違う意味で驚く

Youtubeはありとあらゆる映像の宝庫で、ほじくればいくらでもお宝映像が出てくる。子供の時に見たくても見られないミュージシャンの演奏シーンを発見しては独り喜ぶのだ。

Midge UreのUltravoxはどんなライブをしていたのだろう? ある日ふと思いついて、Youtubeを検索すると、当時のライブ映像が出てきた。何故か日本ではミスター・ダンディーと変なあだ名が付けられていたMidge ureだが、それはきどったあのヒゲのせいなんだろう。始めて見る動くMidge Ureは、いかにも田舎から出てきたばかりの兄ちゃん風なのに驚いた。John Foxxの様なエレガンスさや、アートっぽさが無い。そういや彼はスコットランド人だった。

でも一番の驚きは、ギターの弾き方だった。当時のNew Europeansのライブ演奏が直ぐに見つかる。さぞや、かっこよく弾いていると思いきや、、、、、ライブビデオを見てオレは噴き出してしまった。ダブルストロークで、まるで、かまやつひろしが「我が良き友よ」でも歌うかのごとく、緩く弾いているのだ。これには興ざめだったね。Midge Ureが下駄を鳴らして歩いている姿が瞼に浮かんだよ。

ちなみに、Midge Ureが加入してからのバンドはUltravoxと名乗るべきじゃなかったと今でも思っている。John Foxxも何かのインタビューで同じ事を言っていた。あれはUltravox!と同名の、全く別物のバンド。噛みたおしたガムに砂糖をまぶしてまた噛んでいるようなバンドが第2期のUltravoxだからだ。残念ながら第2期のUltravoxは最期まで全く進化する事なく終った。John達が作った音の再生産。残念だ。

とは言え、あの時サントリーのCMでNew Europeansを聞いていなければ、John Foxx時代を知る事が無かった訳だ。そう言った訳で、この2期のUltravoxがもし存在していなければ、オレはJohn Foxxに出会う事は無かったのだろう。Midge Ureに感謝だ。こうして聞くべき音は、向こうの方からやって来るのだ。

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