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広告稼業の棚卸 その8「マーケティングツール」

2018-12-10 12:00:00 | 18期生のブログリレー

稼プロの関係者の皆様。18期の市原です。

今回は、「マーケティングツールの活用」を考えたいと思います。

  マーケティングツールには様々なものがあります。

 コミュニケーションツールとして、HP(ホームページ)、Blog(ブログ)、SNS(ソーシャルネットワークサービス)などが生まれ、都度関係作りの重要性が叫ばれました。一方、顧客の管理ツールとして、CRM(カスタマーリレーションシップマーケティング)があり、これは継続利用の獲得を目指しています。また、営業の管理ツールとして、SFA(セールスフォースオートメーション)があり、これは営業活動進捗の共有を目指しています。当初、これらは別々に利用されていました。

 現在は、これら他の統合が進んでいます。広告で接点を持った生活者をHPに誘導し、キャンペーン等への登録を勧めます。そこからデジタル上での営業活動としてサービスを紹介し、契約の獲得を目指します。もちろん、契約後は利用の継続です。このHP等から契約までをつなぐツールとして、MA(マーケティングオートメーション)などがあります。続々と新たなツールが、マーケティング文脈で生まれ、それらが統合されています。

 この統合は、非常によく出来たストーリーとともに語られますが、どこまでいってもベンダーの提案ストーリーです。これらが自社に必要なのか、使いこなせるのか、この検証が欠かせません。例えば、MAなどは、顧客に繰り返しアプローチするため、当然にコストが必要です。そのため、導入するなら比較的高額な商品・サービスなどを扱う企業で検討が望まれます。しかし、低価格の嗜好品を扱う企業での導入もあります。CRM、顧客の維持活動にもコストが必要です。やはり、こちらも比較的高額なものが望ましいものの、そうでない例が多くみられます。このように、自社に本当に必要なのか、その検証があるべきです。

 次に、ツール導入は、導入自体が目的化されやすく、また導入後すぐ成果が出ると考える企業も少なくありません。例えば、BlogやSNSは、それを取り入れても、すぐに顧客と密な関係は生まれません。稼プロのように、日々更新などで多大なコストがかかります。これを想定せず安易に導入し、結果的に顧客の期待を裏切り、信頼を失うこともあります。運用は、時に導入以上のコストがかかること、これを意識すべきです。

 最後に、ツールは適切に利用しなければ宝の持ち腐れです。例えばSFA。これは、報告された様々な日報から、契約に至るプロセスを分析し、それに基づく適切な営業アドバイスを行うことで、契約を勝ち取るものです。しかし、アドバイスはもちろん、プロセス分析も行わず、高額な日報の報告ツールに留まる事例を良くみます。導入する場合、運用プランを検討すべきなのです。この想定を疎かにしても、やはり笑えない話になります。

マーケティングは、デジタル活用によって高度化も可能です。ただ、ツール導入それ自体が、何か特別な成果を生むかのような幻想は捨てて下さい。まだまだ、ターゲット分析に始まり、SWOTからの施策開発、実行、効果検証です。このアナログな部分が、重要です。もちろん、未来のAIが変えてくれる世界は、否定しませんが…。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (渡邉大輔)
2018-12-10 20:50:13
うちの会社にも何でこのツール導入したんだろう、って思うものあります。ツールありきではなく、まずは自社にとって必要なものや出来ることを精査しなさいということですね。
Unknown (木村祐介)
2018-12-10 21:06:12
導入時に十分に検討しないといけないですね。
使う側の姿勢 (大石泰弘(16期生)です。)
2018-12-11 09:29:56
ツールの導入が目的になってしまっている企業は多いと思います。そうならないためには使う側がどう使ってどういう成果を出すのかを、自分で考える姿勢が肝ではないでしょうか。
Unknown (市原敬哲)
2018-12-11 10:41:30
コメントありがとうございます。
いつか書いた話ですが、目的と手段で、稼プロでも皆さんが繰り返す、準備が大事、です。
多くの企業のチャレンジとは、個人での試行錯誤から組織に展開です。ツールは、組織に展開フェーズに有効です。いきなりツールから入る企業は、想定が甘く、多くは撃沈です。よく言うスモールスタートとは、今できることをやってみよう!です。
結局、現場に答えがあり、それを伸ばす組織的支援を考えるのが、順目なんだと。

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