前回(盲点の英単語 その55)は look, see, watch の違いについてお話ししました。

盲点の英単語(その55) look, see, watch の違いについて

今回は listen, hear についてです。おそらく感覚的には分かっていると思います。ここでは、具体的なイメージと明確な区別の仕方を意識してみます。

まず listen ですが、これは「耳を傾けて聴く」というイメージです。look の「目を向けて見る」というイメージとちょうど対になる感じですね。漢字で書くと「聴く」ですから、文字としてもニュアンスが感じ取れます。

listen は自動詞としてしか使いません。I listen to the music.  He listens to his parents. という具合です。これは「注意して耳を傾ける」という行為が自己完結しているからです。逆に言えば他に動作を仕掛けていないとも言えます。その自己完結の行為は to という前置詞を伴い、その後に「耳を傾ける対象」を導きます。

次に hear ですが、これは「聞こえる」ということで、イメージとしては音が耳に入ってきて自然と鼓膜を揺らしていると捉えれば良いでしょう。ちょうど see が「網膜に映っている」というイメージと言いましたが、これと対になっています。

hear は他動詞としても自動詞としても使います。他動詞であっても「音が耳に勝手に入ってくる」というイメージであり、他に対して動作を仕掛けているわけではありません。hear の代表的な用例を3つ挙げておきます。

1.hear + 代名詞

I can’t hear you. I can’t hear anything on the phone because of the bad noise.
(電話で)聞こえないよ。雑音が邪魔して全く聞こえない。

2.hear + that 節

I hear that she is going to get married with John.
彼女がジョンと結婚するってさ。(耳に入ってくるイメージの延長と理解できます。)

3.hear from 代名詞

I haven’t heard from him for a long time.
彼から音信が長く途絶えている。(これも耳に入ってこない=音信がないというイメージです。)

2+