本編は前回(Topic 125)の続編とも言うべき位置にあります。
前回は、「~しなければならない」の表現として、need to do, have to do, must do について考えました。
今回は、次の日本文を英語にしてみます。
◎君たちは、そのコンピューターの電源を切ってはいけない。
それでは、回答例を挙げます。
◎You mustn’t (must not) turn off the computer.
ちなみに mustn’t は [mˈʌsnt] と発音します。
前回、肯定文での have to do と must do にはほとんど差異がないと書きました。
それでは、上記の文を次のように言い換えることができるでしょうか。
You don’t have to turn off the computer.
実は、don’t have to を使うと意味が全くと言って良いほど変わってしまうのです。この文の意味は「そのコンピューターの電源を切らなくとも良い」となります。つまり、「電源を切らなくても良いが、切ってもよい」と選択の幅が広がってしまいます。
一方、mustn’t を使った場合は「電源を切ったらダメ!」という強い禁止の意味合いになります。
must は、「しなければならない」という命令や強制を含んだ、非常に強い圧力を持った言葉です。従って mustn’t と否定形になっても強い圧力で「してはダメ!」という圧力をかけてくるのです。
そのように圧力の強い言葉である must には過去形がありません。なぜならば圧力というのは「いまここにある」という存在感を持った言葉だからです。
それでは、「しなければならなかった」という過去の事実を表すにはなんと言ったら良いでしょうか。
そうです。had to do を使います。過去の出来事は、今の時点から振り返って眺める気持ちの言葉ですから、「~せざるをえなかった」と、やや客観的に言うしかないのです。だから had to do で表すことが出来ると考えれば納得がいきます。
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