結婚希望者を騙した「デート商法」の罪

　どこにでもある「婚活サイト」で知り合ったカップル。

　話はトントン拍子に進み、結婚の約束を交わす仲に。そこで、一般的には女の方が、「二人の将来のために、マンションに投資して」と持ちかける。

　結婚を誓い合ったのだからと、男は信用して、投資用マンションを購入してしまう。

　しかし、女は「勧誘会社」のメンバーで、騙し役。そして、投資用マンションを買わせる「販売会社」もグルなのだ。

　男にマンションを買わせると、一件あたり数百万円が「勧誘会社」にバックされるのである。

　そのため、マンションの価格は相場よりもかなりの割高。男は、騙されたと気づいて売却しようとしても、当然、購入価格をだいぶ下回った値段でしか売れず、ローンだけを抱えていくことになる。

　なかには、女が何人もの婚活相手の男を騙したケースもある。しかも、結婚していながら嘘をついて、ローンの組めるエリートサラリーマンなどを騙していたのだ。

　そして、騙された結婚希望者に融資をしていたのは、「スルガ銀行」が多かったのである。

「かぼちゃの馬車」事件で問題になった銀行であるのはご存じの通りだ。

「スマートデイズ」という会社が「かぼちゃの馬車」と名付けたアパートの経営を持ちかけ、「スルガ銀行」が融資するという仕組みだった。

　挙げ句、「スマートデイズ」が家賃保証するはずが入居者が集まらず、そのうえ、「スルガ銀行」が与信審査を誤魔化していたこともあり、自己破産する人たちが続出した。

　その「スルガ銀行」が「デート商法」にまで融資していたのだ。

「デート商法」は、結婚をしたい女心、あるいは男心弄ぶ悪質極まりないものだ。

　現在、民事で争われているが、いずれ、「詐欺」事件に発展するに違いない。

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