どうやって完璧主義を辞めるか
考えすぎる人の多くは完璧主義であるだろうことが容易に想像できます。なぜなら、考えすぎるからこそ、細部に目が行くからです。細部まで目が届くのは、ある意味ではいいことですが、度が過ぎてしまうと疲れてしまいます。
私は仕事でもそうですが、メールを打っては何度も確認し、ヨシと思ってから送信していました。他にも、他人が掲示物を貼るとき、斜めにズレているのが気になったり、整然とされていない資料にひどくヤキモキしていました。
時になぜこんなに細かいことにこだわっているんだろうと思いながらも、手を抜けない自分に自己嫌悪したりもしました。そんな完璧主義な方々は、どうやって完璧主義を辞めるのが良いのでしょうか。
完璧主義とは
Wikipediaから引用させていただきます。
完璧主義(かんぺきしゅぎ、英: Perfectionism)とは心理学においては、万全を期すために努力し、過度に高い目標基準を設定し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価を気にする性格を特徴とする人のこと 。定められた時間、限られた時間の内にて完璧な状態を目指す考え方や、精神状態のことである。
出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8C%E7%92%A7%E4%B8%BB%E7%BE%A9
上記から完璧主義の特徴として、①過度に高い目標基準を設定する、②自己に厳しい自己評価を課す、③他人からの評価を気にする、の3つが挙げられます。
つまり、失敗を許さず、プライドが高いため、人の手も借りず、承認欲求に敏感な人のことです。理想が高いのに極度に失敗を恐れているため、そのギャップに苦しんでいる人も多いはずです。そして、失敗を恐れている理由は、他人からの評価が悪くなるため、とも言えます。
完璧主義は本当に完璧なのか
では、完璧主義な人は本当に完璧なのでしょうか。完璧とは何をもって完璧なのでしょうか。
私は子供のころ、同級生から「完璧主義だよね」と言われたことがありました。しかし、部屋は昔から掃除ができず、内気で友達も少ない、人前では極度に緊張してしゃべれないのにどこが完璧主義なんだと思ったものです。
このように考えると、私が完璧かどうかはその人に見せている部分だけでしか判断できないということです。では、なぜ私は完璧主義だと思われたのでしょうか。それは、私が他者に見せる部分においては、手を抜かない性格だったからです。
すなわち、人から良く思われたいがために勉強し、細かく完璧なまでに発表し、人知れず努力するのです。そして、人に見せる部分については、こうあらねばならない、という理想像が私の中に出来上がっていきました。
おそらくですが、これを読んでいる完璧主義の方も、自分がすべて完璧でないことには気づいていることでしょう。そして、完璧なある一部分は、他人に見られる部分が主ではないでしょうか。
完璧主義の原因は何か
では、どうしたら完璧主義を辞めることができるのでしょうか。まず第一歩として、あなたがなぜ完璧主義なのかを自問自答する必要があります。あなたのその○○しなければならない、という思考は、誰のためのものでしょうか。自分のためでしょうか。それとも他人のためでしょうか。
完璧主義の原因の一つとして、幼少期に条件付きの愛でしか愛されなかったことが挙げられます。これは、例えばテストの点が良かった時だけ愛し、テストの点が悪いと愛さない、といったことです。このような環境下では、人から認められるような成果を出さない限り、自分の存在意義を確認できず、自己肯定感を持てないようになります。そうなれば、高い目標を掲げ、それを達成することで承認されることを目的とした完璧主義志向になることは必然のように思います。
つまるところ、完璧主義とは、承認欲求が極度に強いため、その欲求を満たすべく行ってきた行動の積み重ねで成り立つイムズといえます。
完璧なものはこの世にあるのか
そもそも、完璧なものはこの世に存在するのでしょうか。私が思うに、完璧なものは存在しません。なぜなら、完璧かどうかは人によって、時代によって、国によって異なるからです。例えば、スラっとしたモデルであっても、女性の肥満は美しさと富の象徴であると考えるモーリタニアでは完璧ではありません。完璧に書いたと思える文章であっても、1年後に見返せば恥ずかしい思いをするわけです。すなわち、完璧と思える人も、完璧と思えるモノも、完璧と思えるコトも、人によっては0点にも、50点にも、120点にもなりえるのです。
どうやって完璧主義を辞めるか
上記から、どうやって完璧主義を辞めるかをまとめてみます。
①完璧主義は自分のためにやっているのか、それとも他人に認められたいからやっているのかを自問自答します。なお、完全に自分のためにやっている場合は、こだわりでしかないので特に辞める必要もないのではないかと思います。
②この世の完璧なものを探してみます。
③この世に完璧なものなどなく、自分の思う完璧も、他人からすれば完璧じゃないかもしれないことに気付きます。
④完璧でない自分を受け入れます。
結論
人は完璧になれません。自分も他者も完璧ではないことを受け入れると心が穏やかになれます。
以上