多種類のカエルを環境とともに展示・体感型カエル館Kawazoo

カエルは、「環境を飼う」生き物であると言われます。

Kawazooのモウドクフキヤガエル

・樹上性、半水棲、完全水中棲、地表性、地中性・・・のようにさまざまな環境に生息していること

・みずから体温を保つことができる恒温動物でない上、水分不足に対する守りを持たない両生類であること

などの理由により、飼育者側がきちっと環境を整えてやる必要があるからでしょう。

この言葉を踏まえると、カエルの展示をみるということは、飼育環境をみるということになります。

飼育環境が整ったカエル専門の展示施設があるといいな、と思っていたところ(あわしまマリンパークカエル館はすでにご紹介しました)・・・

さまざまなカエルが様々な環境のなかに展示されている施設・Kawazooが、山の中の温泉街にありましたのでご紹介します。

Kawazooへのアクセス、行き方

Kawazooがある河津七滝の温泉街は、伊豆半島の中心部の山の中にあります。公共交通機関はバスのみで、温泉街までのアクセスは少し大変。

新幹線だと、熱海駅から伊豆急行にのって、河津駅まで約1時間20分。東京圏からなら、新幹線に乗らずに特急踊り子で行くこともできます。

河津駅からは、東海バスの修善寺行に乗車。河津七滝バス停でおります。Kawazooはバス停からすぐの場所にあります。

Kawazooの入り口

車で行く場合でも、温泉街自体はこじんまりとしていますので、河津七滝温泉一帯にたどり着きさえすればKawazooの場所はすぐわかります。

敷地内に入ると、駐車場の奥にコンクリート平屋造りの建物が見えてきました。

Kawazooのメイン展示スペース

建物入ってすぐが、入場料の支払窓口。同系列のiZooとの共通入場券が売られています。両施設とも好きな人にはかなり見応えのある内容で、ちゃんと見ると時間がかかること、両施設間の移動にはそれなりに時間がかかることを考え、有効期限に注意して購入するようにして下さい。

Kawazooのメイン展示スペースは、大きく分けて

・個水槽が並ぶ展示3列(3面)

・ガラス張りの大水槽3つ

からなります。

展示スペースにはいって順路通り左側へすすむと、縦長のケージが並ぶ列に出ます。

入って左側は、樹上性カエルが暮らす縦長のケージ

ここで飼育されていたのは、樹上性のカエル・ツリーフロッグ。

樹上棲カエルは、上下に動くカエルです。彼らのケージは、底面積より高さが必要。また、床材より、上下の動線を確保する構造物がレイアウトの決め手となります。

といっても、縦長のケージレイアウトをどうやって組むか、リアルな見本はそうそう見ることができません。

ここKawazooでは、ひとつの列の展示をすべて本格的な縦長レイアウトケージとしています。上下の動線となる構造物のつくりも、ケージごとに多種多様。どんな植物を使うか、枝組みはどうするか、カエルはどんな風にそれを利用しているかなど、情報が一杯です。

縦長のケージレイアウトの一例

この列には、

アマガエルモドキ
グラニュローサアマガエルモドキ
パルヴェラータアマガエルモドキ
イエアメガエル
アイフィンガーガエル
ヤエヤマハラブチガエル
ヒメアマガエル
オキナワアオガエル
ガラガラアマガエル
ブチアマガエル
オオトガリハナアマガエル
コモリガエル
ハイイロモリガエル
コンゴツメガエル(ヒメツメガエル)
フチドリバナナガエル
カメルーンツメガエル
アメリカアマガエル
リスアマガエル

が展示されていました。樹上生でなく水中性のカエルが含まれているのは、ケージのほとんどが床面を水場としており、そこで水中棲のカエルを飼育していたからです。

Kawazooの左側の展示列は、縦長のケージレイアウトとはなんたるかを見せてくれる、非常に参考になるコーナーでした。

向かいは多種多様なカエルを展示する列

縦長のケージの向かいは、上下にひとつずつの水槽が並ぶ列。上には縦長の水槽が、下には正方形に近い水槽が設置されています。

下の正方形に近い水槽には、地表性のカエルが多くいました。たとえば、アメフクラガエル。キャプションには、

地中深くに潜り、夜になると地表に出て、シロアリや小さな虫などを捕食しています。地中にもぐっている時間が長く、姿をあまり見る事ができません。

とありました。そのアメフクラガエルが、運よく地表に出てきた姿がこちら。

Kawazooのアメフクラガエル

このほか、この列では以下の種類のカエルを見ることができました。

メキシコフトアマガエル
ヨーロッパミドリヒキガエル
トラアシネコメアマガエル
テヅカミネコメアマガエル
モザンビークフクラガエル
アメフクラガエル
ナミシンジュメキガエル
スベツブハダキガエル
サビトマトガエル
チョウセンスズガエル
リオバンバフクロアマガエル
アカトマトガエル
ジュウジメドクアマガエル(ミルクガエル)
テキサスミドリヒキガエル
ナンブヒキガエル
カンムリアマガエル
アミメスキアシヒメガエル
キバラスズガエル
ヨーロッパスズガエル
アジアウキガエル
マダラアマガエル
パラグアイオオヒキガエル(ロココヒキガエル)
ミツヅノコノハガエル
アフリカウシガエル
ソバージュネコメガエル

なお、なかでも異色のレイアウトで展示されていたのは、アジアウキガエル。

Kawazooのアジアウキガエル水槽

アジアウキガエルは、アロワナなどの餌カエルとして販売されることの多いカエルです。ゴミが捨てられた水辺の様子を再現して、サンダルやペットボトルが入れられたレイアウトとなっていました。

種類の多さと造りこまれたレイアウトが見事なヤドクガエルの列

3列の水槽展示のうち最後にご紹介する1列は、ヤドクガエル・フキヤガエルの展示。「環境を飼う」カエルの中でも、特に環境のつくりこみを意識しなければならないカエルたちです。

植物密生系から空間を広くとったものまで、様々なレイアウトが並ぶ姿は圧巻でしたが、ここでは訪問時に展示されていた種類名と若干の写真をご紹介します。好きな人は何時間でもいられる展示内容だと思います。

イチゴヤドクガエル
ラマシーヤドクガエル
マネシヤドクガエル
ズアカヤドクガエル
セマダラヤドクガエル

Kawazooのセマダラヤドクガエル

リンカクヤドクガエル
セアカヤドクガエル
ミスジヤドクガエル
ココエフキヤガエル
ブラウンマンテラ
バロンアデガエル
ベネディクトヤドクガエル

ベネディクトヤドクガエル

ミイロヤドクガエル
ハネリーヤドクガエル
アイゾメヤドクガエル
モウドクフキヤガエル
コバルトヤドクガエル
マダラヤドクガエル
キオビヤドクガエル
ウアカリヤドクガエル

3つの大水槽のうち一つには、世界最大のゴライアスガエル

Kawazooのメイン展示スペースには、個水槽が並ぶ列とは別に、人が中に入れるような大きなガラス張りの水槽が3つあります。

3つのうちひとつは、ここの目玉でもある世界最大のカエル、ゴライアスガエルの水槽。

「ゴライアスガエルは神経質なカエルのため、物陰に潜んでまったく出てこないこともあります。悪しからずご了承ください」と説明文があり、水槽を見ると・・・

ゴライアスガエルの水槽

カエルはいません。しかし、横からレイアウトの構造物の裏を覗き込むと・・・

Kawazooのゴライアスガエル
ゴライアスガエルも大きかったが、別に展示されていたアフリカウシガエルも迫力があった。

奥にゴライアスガエルが見えました。

ゴライアスガエルがいるコーナーには他にも大きな水槽が2つあり、

クツワアメガエル
パルヴェラータアマガエルモドキ
アカメアマガエル
カルカラータアマガエル
アマガエルモドキ

が飼育されています。中に川面が再現されている一番大きな水槽では、水面を漂うオタマジャクシの様子も見ることができました。

屋外には、日本産カエルの展示エリア

メインの展示スペースを出ると、中庭にでます。

ここでは、無加温で飼育できる日本産のカエルたちを放し飼いにしているほか、ガラス張りの展示スペースを設けて日本産カエルを展示していました。

中庭は日本産カエルの放し飼い&展示

日本産カエルで印象に残ったのは、一般的なニホンアマガエルより大型になるという対馬のニホンアマガエル。今後の研究がまたれる、とありました。普通のアマガエルより、明らかに大きなアマガエルでした。

ガラス張りの飼育スペースには

ミヤコヒキガエル
アマミアオガエル
オオハナサキガエル
ハナサキガエル
ナガレヒキガエル
ツシマアカガエル
ニホンアマガエル(対馬)

Kawazooの対馬のアマガエル

ニホンカジカガエル
モリアオガエル
ニホンアマガエル
ヤマアカガエル
サドガエル
キタアオガエル(モリアオガエルの亜種)

がいました。放し飼いされていたのは、見つけられたのはわずかですが、

トノサマガエル
トウキョウダルマガエル
ナゴヤダルマガエル
ツチガエル
ヌマガエル
タゴガエル
ニホンアカガエル
ヤマアカガエル
アズマヒキガエル
ニホンヒキガエル
シュレーゲルアオガエル
ニホンアマガエル

でした。

部屋全体がケージ、放し飼いエリアに入れる滝の部屋

Kawazooには、中庭の日本産カエルの放し飼いスペース以外にも、屋内にアフリカ産のカエルなどを放し飼いしているスペースがあります。

その名は、「滝の部屋」。ここ河津七滝温泉には7つの滝がありますが、8つ目の滝を部屋の中につくってしまうという企画です。実際、部屋の中には滝とせせらぎがつくられています。

Kawazooの滝の部屋
写真には映っていないが、滝は背後の右奥側にある。

床面は木の簀子になっていて、下は水場。滝とせせらぎの周辺には植物が植えこまれていて、ここにカエルがいます。

Kawazooの滝の部屋のカエル

部屋が結構広いので、小さいカエルはそうそう見つからないだろう、と思いきや、丹念に見ていくと結構見つかります。ここには、なんとゴライアスガエルも放されているとか。なんとも贅沢なレイアウト空間です。

ラボ(研究室)スペース

滝の部屋のつぎ、最後のラボスペースは、ツノガエルなどCB化が進んだ種類を中心に生体が並んでいました。

最後には、ラボ(研究室)スペースも

ここにいたのは、

アンダーソニーサラマンダー
メキシコサラマンダー
カンムリアマガエル
アカメアマガエル
エゾアカガエル
ニホンカジカガエル
マルメタピオカガエル
アフリカウシガエル
チャコガエル
アカハライモリ
キオビヤドクガエル
ブチハラヤドクガエル
アマゾンツノガエル
ベルツノガエル
クランウェルツノガエル
ファンタジーツノガエル
アフリカツメガエル

などです。

近隣施設とあわせて、泊まりでの訪問がおすすめ

Kawazooは、環境を飼うといわれるカエル飼育にあって多くの種類のカエルたちをつくりこんだ環境とともに展示している施設。記載した生体名の多さから、内容の濃さはわかると思います。

山の中の温泉街にあること、内容が濃いためじっくり見ると時間がかかることから、河津七滝温泉に泊まっての訪問がおすすめです。爬虫類好きなら同じ系列のiZooと、カエル好きなら少し離れたあわしまマリンパークカエル館とあわせて、じっくり見てきてはいかがでしょうか。