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病院でリハビリとして働いています。日常のことから趣味、医療や健康のことについて語っていきます

歩行②股関節屈筋群

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歩行における股関節屈筋群の役割は?

歩行時に働く股関節屈筋群は主に腸腰筋と大腿直筋の2つです。

腸腰筋の活動は、立脚終期と遊脚初期の2つの活動ピークがあり、それぞれの役割は異なります。

立脚終期に遠心性の活動を行うことで、股関節の伸展を減速させます。その後、遊脚期初期にて、求心性の活動へと切り替わることで、下肢を振り出す力源として股関節屈曲を加速させています。この活動は、遊脚中期まで継続します。

大腿直筋は、遊脚初期時に活動し、下肢の振り出しの補助を行います。

脳血管の下肢の振り出しについて

脳血管障害の歩行におけて度々苦渋するのは、歩行における下肢の振り出しです足関節の制御が困難である場合が多いため、短下肢装具などを使用し訓練しているかと思われます。立脚相における装具は大きな役割を果たしており、足関節の安定性を補うことによりしっかりとした立脚を促すことが可能です。しかし、振り出しは腸腰筋の活動が乏しく、縫工筋や大腿直筋優位に活動した努力的となりやすいです。

下肢の振り出しは腸腰筋および大腿直筋の活動が主となりますが、強い活動ではありません。立脚終期に生じる股関節伸展により筋が伸張され、元に戻ろうとする筋の伸張反射を利用しています。そのため、重たい下肢を効率よく振り出すことができ、長距離の歩行が可能となっているのです。

訓練としては、下肢の振り出しは徒手にて補助することをお勧めします。まずは、立脚相での荷重感覚から入力し、下肢筋の活動を賦活させることに焦点を当てていきましょう。

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