祈りは誰のため | 潰瘍性大腸炎 & クローン病&過敏性腸症候群の改善・完治・根治

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職場の同僚の女性の片方の目がまったく見えなくなってしまいました。原因は、聞いていません。

母である彼女は、5年ほど前の母の日、車を運転中、交差点で青信号を待っていた時、後ろから時速40キロで走ってきた車に衝突されています。
首と背中を打撲。3か月の間、首を動かすことができず、家では、テレビを見ることしかできませんでした。
1年後、彼女は、職場復帰します。背中に痛みがあるのを強い鎮痛剤で抑えて、花屋部門のマネージャーをするために。
彼女は、裕福な両親の財産を受け継ぎ、ご主人と共に、ダブルインカムです。ご主人としては、彼女には仕事を引退してほしい。なんで、そこまでして働くのか?
1年後、彼女が、
「ほら、見て。痛みがぜんぜんなくなったの」
そう言いながら、以前は痛くて上がらなかった両手を高く掲げたり、腰を曲げて、痛みが全然ないことを笑顔で見せてくれました。
「治ったの?!」
「マリファナを痛み止めに使っているの」

カナダでは、マリファナが合法化され、酒屋で成人なら誰でも買えるようになりました。カナダは、麻薬によるマフィアの活動が盛んで、若者を中心に非合法で麻薬が売買されてきたという経緯があります。どんなに取り締まっても、地下組織で麻薬が売買される。それなら合法化して、正当な価格を設定すれば、麻薬売買関連の犯罪が減る。はず。
それを受け、マリファナが痛み止めのための薬として公に販売されるようになったのです。
『そこまでして、働きたい理由は何なのか?』


1年後、彼女は、悪徳店長からひどい扱いを受け、他の店へ移動します。

1年後、悪徳店長がやっと首になり、以前、店長だった人が戻ってきました。彼と仲が良かった彼女も、他の店から条件付きで戻ってきました。痛みがまだ残っているため、重労働の花部門より少し楽なパン部門で働くことが条件でした。
が、今度は、働き始めたパン部門の同僚たちからひどいいじめにあいます。理由は、彼女が戻ってきたことで、別の同僚がスケジュールを取られ、アパート代が払えなくなってしまったため。(年功序列で、30年近く働いていた彼女は、最も有利なスケジュールをもらえる)

目に涙を浮かべ、彼女は、パン部門の大の仲良しだったマネージャーからも、激しいいじめを受けているとわたしに話してくれました。戻ってきた理由は、あと1年働けば、早期退職を迎えられるから。
え? 去年、退職していれば、特別特大ボーナスをもらえたチャンスがあったのに。なんであのとき退職しなかったのか? 勤続30年という数字にこだわったのか? でも、もしかすると家族のためだったのかもしれない。夫と娘ががん治療を経験していたから。

その数日後です。朝、起きた彼女は、片目がまったく見えなくなっていたことを知ります。

交通事故の後遺症か? マリファナのせいか? ストレス? 全部?

こうして彼女は、長期の病欠に入ります。手術を4回したけれど、それでも、見えない。

当時、情報はあいまいで、同僚みんなが、彼女は、両目が見えないと思っていました。
彼女には、とっても可愛い赤ちゃんの孫の顔がいます。その笑顔が見えない・・・。
なんと恐ろしいことになってしまったんだろう。わたしにできることは、なんだろう? とっさに思いついたのは、彼女の目が見えるようになるように祈ることでした。

毎晩、寝る前に、彼女のこと、家族のこと、友達のことを思いながら、祈るという習慣が始まりました。自己満足もあるかなとは、思いましたが、これ以外にどうしていいのかわからない。

そして、半年。ある日、彼女が職場復帰すると聞きました。見えるようになったから。最初に思ったのは、
「なんで?? 1か月前は、ぜんぜん見えなかったって聞いたよ! 無理をしたから、目が見えなくなってしまったんじゃないの?! どうして戻ってくるの? 戻ってきたらまたいじめられるのに! また見えなくなったら、今度は、本当に見えなくなってしまうかもしれないのに!」

わたしが祈ったから、見えるようになった。そんなことはありません。彼女は、イタリア人。カソリック教徒です。家族も親戚も、友達も、きっとほとんどがクリスチャンで、みんなが彼女のために、私の比ではないほど懸命に祈っていた。

そんな祈りのパワーが総結集して治った。と仮に考えてみます。祈りは、実現し、彼女の目が見えるようになった。が、それで彼女は、職場に戻ると決めた。

もしも、また見えなくなってしまったら、それも、本当に失明してしまったら、祈りは、なんのためだったのか? 祈りは、さらに良くない方向へ彼女を進ませてしまったのではないか?

彼女が、職場復帰したことで、今度は、わたしのスケジュールが滅茶苦茶になってしまいました。
気がつきました。わたしは、彼女は、目が見えるようになっても、職場復帰しない。だから、わたしのスケジュールは安泰。という条件付きで、祈っていた。

祈りに条件があるだなんて、聞いたことがありません。ということは、わたしの祈りは、偽物だったということです。

ああ!! わたしの何か月もにも渡った敬虔なはずだった祈りは、なんだったんだ!

彼女と再び会ったとき、いったいどんな顔をしたらよいのか・・・。すごく不安で、彼女に会いたくなかった。

でも、彼女が復帰し、会ったとたん、素敵な笑顔に丸ごと飲み込まれました。わたし、大好きなんだ、彼女のこと!

1週間働いた彼女は、疲れたのもあり、有給休暇を消化するため、今、いつ終わるのかわからない長期休暇に入っています。だったら、戻ってこなければよかったのに・・・。

混乱中ですが、少なくとも、彼女のことが好きでいられる自分に満足しています。でも、もう祈らないぞ!

自動画

Double meaning 意図はふたつ