ここ数日のテレビを見ていると、なんだか目いっぱいラグビーをあおってるな~と感じる。来年で活動休止予定の嵐は、去年は高校野球で、今年はラグビー(そして来年は東京五輪)。ほんの一年前には、第100回記念大会だからといって高校野球の特集番組ばかり放送していたのに(笑)。某国営放送は地上波でもBSでもラグビーの特集番組ばかりやってるし、スカパーのJスポーツでは過去のラグビーW杯の試合を放送している。1987年や1991年の決勝戦はテレビで見ていたし、今でもしっかり記憶に残っている。

遠い外国を憧憬の念を抱きながらテレビを見ていたあの頃には、まさかその後の人生で、ホームネイションのイングランドやウェールズ、ニュージーランドやオーストラリアを訪れることができるとは思っていなかった。きっと、行ってみたいという願望にも似た意思があったからこそ、未知の国にも通じる道が開けたのだと思うね。まぁそんなラグビーというスポーツは、我が家ではプレーがごちゃごちゃしていてルールが難しいという理由ですこぶる不人気なんだけど、息子が理解を示してくれているのが救いだね。その彼のお気に入りは、セクストンとファレルだそうで。スタンドオフ(フライハーフ)がテレビに映る回数が多いことだけは、しっかり分かっているみたいだね。

それはさておき、前にも書いたけど、今年の大会で一番印象に残った試合は習志野v沖縄尚学で間違いない。久しぶりにコピーロボットが必要だと思ったし、これだけの試合を球場で見て、すべてを理解できる人などいないだろうとも思う。両チームともに当たり前のように継投して相手の攻撃を抑えて反撃につなげていたし、それぞれの状況における個々の選手の戦術理解が際立っていた。特に沖縄尚学が6回裏の攻撃で勝ち越すランニングスクイズは、三人の走者のスタートが全員同時ではないことが驚きで、今でも言葉が出ない。試合が終わって両チームの選手があいさつをするときに、思わず私もサンバイザーを取って一礼してしまったが、私にそこまでさせた試合は過去にはなかった。自分の野球観を超える試合というものが、まだ世の中には存在しているのだね。

もうひとつ驚きだったのが鶴岡東。関東一との試合の6回表の攻撃で、6点目となる生還を狙う盗塁(重盗→記録上は送球間の生還)は、驚き以外の何物でもなかった。9番打者だった投手が振り逃げ(三振暴投)で出塁し、二死一三塁となった直後の投球での出来事だ。ふつう二死一三塁になると、投球後の守備に関して捕手から合図が出るので、捕手の所作を注視することにしている。しかし、一塁走者が投手だから、そんなこと(一塁走者がスタートする)は考えなくてもいいか・・・と思い直した次の瞬間、その一塁走者が転倒していた。関東一の捕手が一塁に送球し、さらにその送球を受けた一塁手が走者を追いかけたときには、三塁走者がゆうゆうと本塁を陥れていた。三塁走者としては捕手が一塁に送球するという確信があったようで、送球の動作に入った瞬間にスタートを切っていたはずだ。そして投手にも走塁の練習をさせていて、なおかつ塁間で意図的に転倒する稽古までさせていた鶴岡東には、完全に脱帽である(月並みなことを言うと東北地方に住んでいた者として鶴岡東が好きになりました)。

すげぇなーと思ったのが、作新学院の応援。とにかく曲数が多く、1イニングで5曲演奏したとして、9イニングで45曲。洋楽やらTスクエアーやら、様々なジャンルの曲を毎イニング演奏して、よく持ち歌が尽きないな~などと思ったりして。でも作新の応援の本当のすごさは曲数が多いことではなく、10点リードした8回表の攻撃でも湘南乃風のshow time(戦闘開始)を演奏して、チームを鼓舞することができること。この応援にはさすがにえげつないなーと思わされたけど、その回の攻撃でさらに8点を追加するのだから、もう本当に本気で勝ちに来ているのだと認めざるを得なかった。こんな本気のチームが対戦相手では、不毛地域・岡山県の代表などに勝ち目はないのだと。しかもこの試合で作新#1は、8回裏一死まで無安打に抑え込んでいたが、初安打が出た途端に投手交代。いつぞや、メジャーに移籍した後のダルビッシュが9回の投球で初安打を許したとき、無安打無得点を逃した心境を聞かれて“あ~交代やなぁ~と思いました”と語っていたことを思い出す。ちなみに21世紀になって以降、甲子園の高校野球で無安打無得点を達成したのは彼だけのはず。

まぁこんなところで、今回は更新しておきます。NZv南アの試合当日の横浜が、雨になりそうなので残念ですね。