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ライフサイエンス

スパコンとライフサイエンス

ライフサイエンスは複雑系なので、なかなか、コンピュータでシュミレーションするのが難しい分野だと思います。

しかし、最近は、スパコン(スーパーコンピュータ)などに代表されるコンピュータの進歩で、研究分野での利用が進んでいます。シュミレーションに加え、ビッグデータのAI(人工頭脳)を使った活用なども、どんどん進んでいます。

スパコンといえば、理化学研究所の「京」が有名ですが、部品に市販商品を使った東京工業大学の「TSUBAME」は省エネ性能に優れており、「TSUBAME3.0」は平成29年の省エネ性能スパコンランキングで世界1位を獲得しています。つい先日、「TSUBAME」を見学する機会があったのですが、省スペースで騒音も少なく、確かに省エネできていることが実感できました。

そもそも、生物も含めあらゆる物質のふるまいは、原理的には、量子力学、量子化学等の計算科学で予測できます。ここでは、計算科学の詳細には踏みこみませんが、数学が得意でない研究者は、学生時代に、シュレーディンガー方程式という難解な式に悩まされた方も多いのではないかと思います。
しかし、現実には、厳密な計算(ex. Ab initio 計算)には莫大な計算時間が必要なため、複雑な物質のふるまいをそのまま予測するのは難しく、多くの近似手法が開発され利用されてきました。ノーベル化学賞を受賞した福井謙一氏のフロンティア軌道理論は近似手法といえますが、分子に広がる多くの電子の雲のうち、特定の雲が分子の反応を支配することを示したものであり、紙と鉛筆で反応が予測できます。しかし、これは単純な分子の場合に限られます。

スパコンを使っても、複雑な物質やタンパク質などのふるまいについて厳密に計算するのは簡単ではありませんが、計算により予測できる範囲は広がってきており、創薬などのライフサイエンス研究に有効な武器となってきています。今後、シュミレーションやAIの活用によって、ライフサイエンス研究がますます発展することが期待されます。

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