離婚や死別などの理由から、女手一つで子どもを育て養うシングルマザーは、現在日本に120万人以上いると言われています。

家事と子育てに追われ、しかも頭の中では仕事のことがぐるぐる回りいっぱいいっぱい・・・。

シングルマザーの多くが、毎日肉体的にも精神的にもヘトヘトになっていることでしょう。

それに子どもの進学や老後のことを考えると、経済的にも不安な思いは尽きません。

ただ、「母親」として生きる自分の中にも存在している「女性」の自分をふと思い出し、「再婚」の2文字が頭をよぎることも。

実際にシングルマザーの再婚はとても増えています。

今の時代、相手が魅力的であれば例え子持ちであっても、そのことが恋愛の妨げにはならないと考える男性が多くいるのです。

しかし、見事そのような人に巡り合うことができ、お互いの将来を考えたとしても、シングルマザーの再婚はそう簡単なものではありません。

シングルマザーの再婚には、タイミングと何より大切で愛しい我が子からの理解がとても重要なのです。

そこで今回はシングルマザーから再婚を果たした方達の体験談等を元に、シングルマザーが失敗しない再婚のタイミングと秘訣についてお伝えしていきます。

それではまず、再婚に至ったきっかけについて見ていきましょう。

再婚したきっかけと理由 ~再婚した元シングルマザーの体験談~

【ケース1.友人の再婚がきっかけで自身も婚活を開始】

「元夫の不倫が発覚し、息子1歳、私が26歳の時に離婚しました。

実家には頼れず、離婚後は小さなアパートで息子と2人だけの生活をスタート。

朝9時~21時まで息子を託児所に預け、身を粉にして働いても、時給800円のパートでは毎月の手取りは16万円程度。

寂しい思いをさせている息子と、もっとコミュニケーションを取りたいと思う反面、もっと稼がなければ・・・というプレッシャーとの板挟みに毎日押し潰されそうでした。

そんな時、同じくシングルマザーだった友人から再婚の知らせが舞い込みました。

どうやら連れ子との将来を考え、婚活をしていたとのこと。

この時、初めて自分も再婚への希望が持てたのを覚えています。

その頃、当時3歳だった息子もパパのいない自分に疑問を持ち始めたので、これらの要因もあって婚活を始めるきっかけになりました。

そしてすぐにバツイチ専門の婚活サイトに登録し、仕事・家事・育児の合間を縫って婚活をしていると、心から信頼できる男性に巡り合うことができ、無事に再婚することが決まりました。

今後は共働きになってパートの時間が減らせるので、息子と過ごす時間が増えます。

新しい夫と息子との関係もとても良好ですし、今は心から幸せです。」

離婚後、資格や経験がないことや子どもが小さいことを理由に、正社員として働けるシングルマザーは少なく、その貧困率は80%を超えています。

再婚をすることで、経済的負担が減って家族の時間が増えることは、とても大きな再婚のメリットですね。

【ケース2.息子が父親を欲しがったことが私の婚活の理由】

「元夫の浮気による離婚から5年。

実家で暮らしながら時給750円のパートで生活費を稼ぐ日々。

私は母親であると同時に父親の役目も果たさなければ・・・と、息子へは2人分の愛情を注いできたつもりです。

離婚当時3歳だった息子は小学生になり、いろいろなことを理解し考えられるようになりました。

そんな矢先、息子からとても心の痛い一言を呟かれたのです。

それは小学校の運動会の親子競技が終わった直後でした。

他の子どもたちのほとんどが親子競技に父親と参加する中、我が家はシングルマザーである私が参加するしかありません。

本気を出して走ったものの、結果はビリ。

すると息子は寂しそうに、

「僕にもお父さんがいたらな・・・」

と、一言。

これまで父親の話を一切したことのなかった息子が、本当はずっと心に我慢を抱えていたことが分かりました。

このことがきっかけとなり、息子の新しい父親を探そうと婚活を開始。

友人から教えてもらった婚活サイトはバツイチ子持ちの男女が多く集まっていて、そこで幼稚園児の女の子を持つシングルファザーと出会いました。

お互いの生活の苦労や今後の不安も分かり合えるので、すぐに打ち解けることができ、間もなく結婚する予定です。

これからの生活に不安がないわけではありませんが、息子に父親ができることをとても嬉しく感じます。」

子どもの心と体の成長が進むにつれて、男の子には男性しか、またその逆に女の子には女性しか分からないことがあります。

このように、異性の子どもを持つシングル家庭では、子供と同性の親を求めて婚活を始める人も多いようです。

【ケース3.これまで考えられなかった再婚のきっかけは、同級生との再会】

「私は元夫からのDVにより離婚しました。

当時娘はまだ4歳。パパのことが大好きだったのでずっと耐えてきましたが、ついにその暴力が娘にも向けられるようになったからです。

夫が探しにくることを恐れ実家には住めず、実家から2駅先の場所にアパートを借りました。

私の中に男性に対しての恐怖感も残ってしまったためか、当時は再婚を考えることはできず、娘を保育園に預けながらフルタイムのパートでなんとかギリギリの生活をしていました。

そんなある日、小学校の同窓会があり元クラスメートと再会。

当時仲の良かった1人の男子とは15年ぶりとは言え、全く警戒心なく喋ることができ、私がDVが原因のバツイチであること、幼い娘がいることなど何でも話すことができました。

相手はそれを聞いても全く引いたりせず、逆にそれから何度か私と娘を遊園地や動物園などに連れ出してくれ、精神的に癒されていたし、娘も優しいお兄さんだととても懐いていました。

それから1年が経過し、みんなで一緒にいる時に結婚前提での交際を申し込まれ、当時8歳になった娘も私も快諾。

今思えば、全く0からの状態で新しく出会った異性だと、「元夫のように豹変するのではないか?」と怖れてしまい、再婚を考えられなかったと思います。

昔を知っている元同級生だからこそ、心から信頼できたのでしょう。」

離婚原因によってはそのことがトラウマとなり、なかなか再婚を考えられないシングルマザーも沢山います。

ですが、結婚前の自分を知る古くからの友人だと、心を許して喋れる異性として恋愛対象になる場合があるため、シングルマザーの再婚相手としては決して珍しいケースではありません。

再婚するためには子供の意見を最重要視


以上のようにシングルマザーのみなさんは、様々なきっかけや理由から再婚を意識していることが分かりました。

ですが、シングルマザーの再婚は新しい夫ができるだけではありません。

親の都合で辛い時期を一緒に過ごさせてしまった、愛する我が子にとって「新しい父親」ができることでもあるのです。

再婚時の子どもの年齢にもよりますが【ケース2.】の息子さんのように、小学生くらいになると子どもは大人が思っている以上に色々なことを理解しています。

お父さんという存在が欲しくても、それが本当のお父さんではないことも分かっているのです。

ですから再婚には自分と相手との相性以上に、連れ子と相手との相性が重要になっていきます。

そして何より子どもの意見を最重要視し、もしも母親の再婚に反対したなら、子どもの理解と納得が得られるまで、決して再婚をしてはいけないのです。

万が一、子どもの意見を無視して再婚するようなことがあった場合、以下のような最悪の事態となってしまうことも・・・。

・子育てに関して夫婦の意見が合わず、再び離婚してしまう

・子どもから母親への信用・信頼がなくなり、精神バランスが乱れる。場合によっては非行に走ったり家庭内暴力が起きてしまう

・子どもと再婚相手との関係が上手くいかず、ネグレクト(無視)や身体的虐待が起きてしまう

・・・ただえさえ離婚によって傷付けてしまった可愛い子どもですから、その幸せを守るためにも絶対に子どもの意見は最重要視しましょう。

失敗しないタイミングと秘訣


では、シングルマザーが再婚をするのに良いタイミングや秘訣はあるのでしょうか?

子どもが小学校高学年~中学生の多感な時期はなるべく再婚を避ける

再婚話をスムーズに進めたければ、まず子どもの年齢を考慮しましょう。

例えば3歳くらいの幼児期の場合は、理解力もまだそこまでありません。

ですので、実の父親への記憶や未練は薄く、新しい父親にも比較的懐きやすいと言えます。

反対に子どもが高校生を過ぎた頃であれば、状況の把握力と正直な思いを言葉で上手く伝えられる力は十分にあるため、母親の幸せを願ってくれる心の余裕があるかもしれません。

母親と再婚相手の真剣な思いを子どもが感じることができれば、再婚への理解も得られるでしょう。

気を付けなくてはならないのが、子どもが小学生高学年~中学生くらいの場合

この頃は身体的・精神的にも大きく成長する時期であり、非常に心が不安定になっています。

実の父親がいない自分を不幸のように感じることもありますし、何か上手くいかなかった時に、その全てを離婚した母親のせいにすることも十分に考えられます。

そんな時期に再婚してしまうと、

「自分よりも再婚相手の方が大切なんだ・・・」

と、裏切られた思いに駆られたり、母親が見知らぬ男性に奪われてしまうといった不安を強く感じてしまいます。

つまり、心から再婚を受け入れてくれる可能性がどうしても低い時期になってしまうため、このタイミングでの再婚はできる限り避けた方が良いかもしれません。

先ほどご紹介した3人の再婚経験者も、小学生高学年前までに再婚していますね。

再婚話は子供も交えて全員で相談

シングルマザーの再婚は夫婦になる2人だけのものではなく、子どもも含めた結婚と考えましょう。

したがって、再婚に関する話は積極的に同席させてみんなで相談し合うのがベストです。

【ケース3.】の方のように、子どものいる前で交際申し込みやプロポーズをするのは、子どもの気持ちをないがしろにせず、子ども自身も疎外感を感じることが少なくてとても良いと思います。

新しい家族の第1歩を、みんなで踏み出したように感じられますしね。

相談後、良い雰囲気ならあとは勢い

みんなで再婚に向けての話し合いをし、もしも良い流れの雰囲気になったら、その後はある程度の勢いも大切です。

再婚後の生活は始めてみなければ分からない部分も沢山あり、【ケース2.】の方のように再婚を嬉しく思いながらも、今後の生活に不安がある人はほとんどだと思います。

例え実の家族だからといっても、何のトラブルや困難もない生活が送れるわけではありませんよね?

そのため、不安をずるずる抱えて再婚時期を延ばしているうちに、子どもが思春期に突入してしまって再婚のタイミングを逃してしまう場合だってあります。

自分と子ども、そして再婚相手がみんな同じ方向を向いていれば困難もきっと乗り越えられますから、再婚を決めたのなら希望を持ってまっすぐ突き進みましょう。

子供にはあまり女の顔を見せない

そしてシングルマザーの再婚にあたり、最も気を付けなくてはならないのが、「子どもの前では女性の自分は見せない」ということ。

なぜなら、自分が思っている以上に母親の変化や反応をとても注意深く観察し、敏感に察知しているからです。

そして母親が再婚しても、「愛情が一番注がれているのは自分なんだ」と信じたい気持ちを思っています。

そのため、少しでも母親ではない「1人の女性としての顔」で再婚相手に接しているのを見てしまった場合、とてつもない嫌悪感を抱いてしまうわけです。

それは、「愛情の矛先が再婚相手に向いてしまったのかもしれない・・・」という思いが出てしまうから。

家族みんなで過ごしている時は、母親モードの自分でいるように心掛けましょう。

それに、再婚相手の前でも自然と母親の自分を見せることで、父親である自覚を芽生えさせることができます。

まとめ

シングルマザーが再婚することは、現代社会においては決して珍しいことではなくなりました。

そしてこのご時世、シングルの人達が多く集まるマッチングサイトやアプリも増えたため、再婚への理解やハードルがとても低くなったように思います。

例えばマッチングアプリの「マリッシュ」は、シングル家庭やバツアリの離婚経験者が多く集まり、他のマッチングアプリよりも再婚を考えたお付き合いができる男性が沢山います。

しかし、再婚率の上昇に比例するように、子どもの心までが再婚に対して寛容になっているわけでは決してありません。

ですから常に子供の気持ちには真摯に母親が寄り添い、その時その時の意見を優先・尊重し、最善の選択をする必要があることは決して忘れないでください。

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