現役時代に名センターバックとして名を馳せたイタリア人指揮官の対策を打ち破った。浦和レッズのDF橋岡大樹は、2日に埼玉スタジアムで行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦、広州恒大(中国)戦にフル出場すると、攻守に躍動して2-0の勝利に大きく貢献した。
 この日、広州を率いるファビオ・カンナバーロ監督は3バックを採用して、浦和の布陣とのマッチアップを選択した。そのなかで、最も意外だった起用は中国代表DFチャン・リンペンを左ウイングバックに起用したことだった。試合後の記者会見で中国人記者から「なぜ5番(チャン)を左サイドで起用したのか」という質問を受けたカンナバーロ監督は、通訳のイタリア語に対して“食い気味”にこう被せた。
「27番(橋岡)が非常にフィジカル的な強さを持っていたからだ。それがこの起用の理由だ」
 全身に入れたタトゥーとハードマークが身上のチャンは、“中国のセルヒオ・ラモス”という異名を持つという。しかし、その普段のポジションは右サイドバックとセンターバックを兼任するような形で、左サイドで起用されるタイプではない。それだけ、GK西川周作のフィードを橋岡が中央に頭で落とす浦和の攻撃パターンを警戒したのだと言える。
 しかし、橋岡はカンナバーロ監督による対策を打ち破ったと言える。チャンに対して互角以上に競り勝っただけでなく、中央へ進出してロングボールを前線へつなぐ場面もあった。自身も相手の対策について「5番はセンターバックもやるような選手だと知っていて、強さはあったけど触らせなければ勝ちだと思ってやれていた」と、意識しつつも打ち勝つだけのものを見せた。
 そのうえ前半26分にはMF長澤和輝のスルーパスに抜け出し、相手GKと1対1に。ファーストタッチが足下に入ってしまい、なんとか相手GKをかわしたが、その後のシュートは相手DFにクリアされた。橋岡は「欲を言えば、GKを抜いたところではもっと強いシュートを打ってしっかり決めたかった」と苦笑いしたが、「攻撃は以前には少しミスを怖がっていたけど、思い切ってやることができた」と、積極的な姿勢を失わなかったことを象徴するシーンだったとも言える。


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