こんにちは、絶學無憂です。

 

今日は、一度感じたワクワクは、時空を超えて働く、というお話です。

 

高校生の頃、地理の授業があまりに退屈だったので、親友と二人で授業をサボって、教室から見えないところにあるクレーコートでテニスをしてました。たぶんバドミントン部の友人がテニスラケットを持っていてそれを借りていたのかな。

 

授業中にテニスをしているという背徳の喜びが、ボールを追いかける楽しみを増幅させたのでしょうけど、これがめちゃくちゃ楽しかった。なかでも鮮烈な記憶として残っているのは、走り込んでのショットだったと思うのですが、両手打ちのバックハンドが自分でも信じられないような球速で相手のコートの深いところへ突き刺さる、相手も呆然、ということが数回ありまして、自分には才能があるんじゃないかと勘違いしたものです。

 

グランドスラムのテレビ中継なんかもビデオ録画して見始めました。当時はサンプラス全盛期で、彼の試合は全然面白くないので嫌いでしたが、アンドレ・アガシとマイケル・チャンの試合は見ていて面白いので彼らのファンになりました。

 

大学へ入った時、よしあの喜びをもう一度、と思ってテニスサークルに入ってみたのですが、これがもうクソみたいにしょうもなくて(要はテニスを口実にそれほど可愛いとも言えない女の子たちのご機嫌をとるサークルでした)、夏休みに入る前には辞めてしまいました。高価なラケットも手放して、テニスはそれっきりになりました。

 

ところが、それから実に20年の歳月を経た昨年の夏、友人にイギリス名物の芝のコートでのテニスに誘われて「うぉおおお、なんじゃこりゃ、気持ちええ!!!」と衝撃を受けました。もともとほとんど経験がない上に20年のブランクなので、超初心者の下手くそでしたが、もうそんなことは関係ないのじゃ、と速攻でラケットを買いに行きました。広大な芝生の公園の真ん中にある、テニスコートは、そこにただ立つだけで言葉にできない幸福感がありました。

 

それからもう半年になりますが、テニスコートや近所の公園で一人で「朝練」をしたり(多い時は週4くらい)、YouTubeの解説ビデオを見まくったり、オンラインのテニスコースを受講してみたり、グランドスラムの試合をPCで観戦したりと、全くテニスへの情熱が冷えることがありません。

 

フォアハンドのグランドストロークは、なぜかテニス再開後、数回目に突如開眼した日がありまして、思いっきりフルスイングしてもトップスピンがかかっていて、コートの一番深いところへ突き刺さるようなショットが飛び出すことがあり、友人たちも「おおー」と私を見る目がちょっと変わりました。

 

サーブが致命的に下手くそだったんですが、11月頃からサーブの練習を始めて、4月になってダブルスのパートナーから、サーブがすごく改善したな、と褒められるようにまでなりました。

 

高校3年生の地理の時間の背徳のテニスに感じていた得体の知れないワクワクが、予想もしないところから「その続きはこちらで」という活躍の道を開いてくれたように感じています。

 

 

もうひとつエピソードを。

 

チェロを高校生の頃に始めて、大学のオーケストラでも弾いていましたが、なかなかうまくならず、技術的な壁が超えられなくて、オーケストラやアンサンブルで弾くことに負担を感じて、コンサートからは遠ざかり一人でポツポツ練習するのみになって10年が経過しました。

 

昨年の春に、たまたま読んでみた魂合氣(たまあいき)という変わった合気道の本に出ていた、「マノスベの姿勢」というのを実践して、劇的に姿勢が改善されるのを体験し、もしかしてこれをチェロに応用できるのでは、と思って練習を始めたところ、数ヶ月を要しましたが、夏頃にちょっとしたブレークスルーが訪れて、これまでマグレでしか超えられなかった技術的な壁を超えている自分を発見しました。

 

そうなってくると、これまでずっと技術がないからというので諦めていたチェロのレパートリーを片っ端から試したくなり、その都度、「おおお、結構できたぞ」というのがあって、無我夢中で2ヶ月くらいチェロを弾いてました。二ヶ月経って、さすがに調子が下降を始めたところでテニスを始めたので、すっぱりとチェロはやめてしまいました。

 

でもその間もずっと、夏の間感じていたあの無我夢中の感覚は、どこへ繋がるんだろう、あれっきりでお仕舞いなのだろうか?という思いがありました。

 

二週間前に突然、ピアノをやっていることすら、そういえばそんなこと言ってたかなと言う程度の友人から、自分のピアノと合わせて発表会でチェロかバイオリンを弾いてくれるような人を知らないか、と問い合わせが来ました。その曲目というのが、たまたま、昨年の夏に夢中でさらっていた曲の一つだったんですね。半年間楽器に触っていないし、そもそも去年の夏の全盛期ですら、まともに通して弾けたことが一度もない曲だけど、本当に好きな曲でもあるし、「やるか」と思い、自分ができるかもしれない、と返事しました。

 

発表会までたった10日ほどしか準備期間がなかったんですが、練習を再開して(といっても高々一日0分から30分程度でした)、10年ぶりに人の前でチェロを弾きました。そしたら今度は、その発表会を主催したピアノの先生からぜひぜひ一緒に弾きましょうとお誘いを受けてしまいました。ついに音楽引きこもり生活が終わってしまったのかもしれません。

 

実際に練習で弾いているところを撮影してみたのですが、外から見てもチェロの演奏のフォームとしてはかなり洗練されているようで、音色や表現力も思ったより豊かだなと思いました。なので、技術的な面でも、魂合氣(たまあいき)の「マノスベの姿勢」を使ってのチェロ奏法はますます本物と感じており、再び大いなる可能性を感じているところです。

 

昨年の夏に感じていた得体の知れないワクワクが、予想もしないところから「その続きはこちらで」という活躍の道を開いてくれたように感じています。

 

 

なにか、得体の知れないようなワクワクや情熱を感じたとき、そのワクワクは時空を超えて働き、その続きを運んできてくれる!引き寄せの法則からすれば、ワクワクや情熱が強ければそうなるはずですよね。ほんとに、そういう風になっているんですよ。