こんにちは、絶學無憂です。

 

リブログ元ですが、本田晃一さんはコロナウイルス後の世界では「ベーシックインカム」という制度へ移行するのではと考えておられるようです。

 

 

ベーシックインカムというのは、生きていくために最低限のお金が政府から定額支給されるという制度のことです。

 

ここではあまり詳しくお話されてませんけど、竹田和平さん(故人)やその他色んな方々と交流があるので、彼個人の考えというよりも、ベーシックインカム来るぞ、という会話がそういう方々の間でなされているんじゃないかと想像します。

 

生きていくためにお金を稼ぐ、というマインドセットの方が大多数を占めるのが現在の世の中ですが、この設定で仕事をすると、仕事=我慢という位置づけになってしまいます。

 

「やれやれ、やっと金曜日だ  Finally, it's Friday.

「なにはともあれ金曜日だ  At least, it's Friday.

 

みたいな言葉がイギリスでも私の周囲で当たり前のように飛び交うのですが、私はこの言葉を聞く度にかなり強い違和感を覚えます。

 

というのは、こういう何気ない言葉の前提は、平日=仕事=我慢、週末=遊び=本当の人生、みたいな世界観だからです。

 

ご存知のように、ヨーロッパのでは日本よりも休日を積極的に楽しむ!という風潮が強く、特に若い人は毎週毎週予定を詰め込んで楽しみにしている人が多いのです。

 

それは別によいのですが、もし週末が本当の人生と言うならば、じゃあ、平日働いている間はウソの人生、ということになってしまいます。そして、当たり前ですが週末よりも平日のほうが日数が多いのです。

 

私は、近年、加速度的にぐうたらになっておりまして、労働時間がどんどん短くなっていますが(歳のせいですぐ疲れるからと言うのを言い訳にしていますが)、金曜日に「やっと金曜日だ」ということは決してないですし、そう思ったこともないです。

 

「げ、もう金曜日なの〜 ? Really? It's already Friday?チュー

 

といつも思っています。ぐうたらでバリバリ働いているとは言えないけども、仕事自体は楽しんでいるので、できたらずっと平日でもいいなドキドキと思っているのですが、すぐ週末が来てしまう、ま、しょうがないか、という感じです。もっと遊びたいけどもう暗くなったからお家帰ってまた明日遊ぼうか、っていうのと同じです。

 

週末が良くて、平日が悪い、という設定になっちゃうと、そこに二元性の極性ができてしまいます。平日と週末を行ったり来たりする度に、げんなり、ばんざい、というサイクルのを繰り返して揺れている、そういう在り方を反映しているのが「やっと金曜日」発言ではないかと、思ってしまうのです。
 
 
週末はやりたいことをやってゴロゴロしたりテニスしたりしてますし、平日はやりたいことをやって、プログラム書いたり、論文書いたり、実験に参加したりする、という感じだと、行動の中身は入れ替わってますけど、どっちにしろやりたいことをやっているだけなので、どっちもどっち、みたいな感覚でおります。仕事と遊びの区別がなくてダラダラするので、仕事が遅いのだ、と言われたらそうかもしれませんがガーン
 
 
もし、ベーシックインカム制に移行して、生きるために稼ぐ、というサバイバルの設定が無意味になったならば、「やっと金曜日だ」という人は減るんじゃないかな、と予測します。
 
でもその一方で、働かなくても食べていけるってなると、働かないようになる、という問題もあります。他ならぬ、竹田和平さん(本田晃一さんのメンター)がそうおっしゃっています。
 

 

サバイバルのためには働く必要ないよ、と言われた時に、じゃあ働かんとこ、ってなるのは、働く=辛い、我慢、きつい、っていう設定があるからですよね。

 

その状況でやりたいことやって働こう、って思える人は、働く=ワクワク、という設定になっているのだと思います。

 

つまり、働くという概念の中身次第で、反応が大きく変わってきてしまうんじゃないかということです。

 

 

イギリスは戦後労働党政権の時代に、「ゆりかごから墓場まで from the cradle to the grave」をスローガンに社会福祉を厚くしていった結果、第二次大戦で疲弊した経済社会にさらに財政難を招き、『英国病 The British Disease』と呼ばれるに至りました。英国病「症状」のひとつは「国民の勤労意欲低下」です。60年代から70年代には「ヨーロッパの病人」とまで言われ、国際社会における地位が大きく後退しました。

 

その後、鉄の女サッチャー首相が保守党から出て、高い福祉を維持しつつ、「民営化と規制緩和を進めて、政府の機能を削減し」この流れを変えたと言われています。

 

現在のボリス・ジョンソン首相は保守党ですが、その政府から、コロナの影響を受けた雇用者に対し、賃金の80%、最高額毎月£2,500(約34万円相当、賃金の中央値(メディアン)に相当する)までを政府が支払うので、解雇しないように、という仰天の救済プランが20日に発表されました。

 

この場合定額ではないので、厳密にはベーシックインカムとは異なりますけれども、かなり「ベーシックインカム的」な状況が出現したと言えます。お店や工場が閉鎖して、働けないけれども、80%あるいは人並みの収入は維持される、というのですから。

 

これが労働党ではなく保守党政権から発表されたというのも少なくとも私には意外でした。

 

これから一週間後〜二週間後に目前に迫ったコロナウイルスの爆発的感染の前に、多くの人は、少なくとも借金を背負うなどの不安から解放された、という安堵が広がったと思います。

 

しかし、この都市機能が半ば麻痺した状態が何ヶ月も続く場合(少なくとも2, 3ヶ月くらい、長ければ2年続くという予想もあるくらいです)、「生活のために働かなくても良い」という状態に人々が慣れてきた時に、再び「国民の勤労意欲低下」に悩まされることになるのか、それとも本田こーちゃんの描くような、ワクワクに基づいた仕事観で働く人が増えてくるのか、どうなるのでしょう。

 

少なくとも私は在宅勤務になってから、勤労意欲ド激減中です。家には誘惑が多すぎる!そのうち飽きて働きたくなると賭けているのですが....私が本当に研究の仕事が好きなのかどうか試されてるな。