こんにちは、絶學無憂(ぜつがく・むゆう)です。

 

「私達が常識的に現実と呼んでいるこの世は、実は幻だ」という立場は昔から哲学では観念論 idealism と呼ばれており、現代ではそれがシミュレーション仮説、つまり我々はコンピューターシミュレーションを体験しているだけではないか、という形に発展してきています。

 

イーロン・マスク氏がシミュレーション仮説を信奉しているというのは話題になったので多くの人が知っているようです。2016年にこの話題について質問されたときに、「私達が現実の中に生きている可能性は数十億分の1だ」と答えています。


 

オックスフォード大学のニック・ボストロム教授がシミュレーション仮説を唱えた(2002年)こともよく知られています。
 
英語が堪能な人は、2016年のアイザック・アシモフ記念討論会をご覧になると、本物の物理学者や哲学者がこの話題をどう捉えているのか分かって非常に興味をそそられるでしょう。機械翻訳による日本語字幕も出るようです。
 

 
終わりの方で、司会のニール・ドグラース・タイソンが、パネリストたちに「我々がシミュレーションの中にいる可能性は何パーセントだと思うか数字で答えて」と(冗談めかして)尋ねます。
 
名前 Name 所属 我々がシミュレーションの中にいる確率
ゾーリー・ダヴァウディ Zohreh Davoudi MITの理論物理学 「答えられないわ」
マックス・テグマーク Max Tegmark MITの宇宙科学者 14%
ジェームズ・ゲイツ James Gates メリーランド大学の理論物理学者 1%
リサ・ランドール Lisa Randall ハーバード大学の理論物理学者 実質的に0%
デイヴィッド・チャーマーズ David Chalmers ニューヨーク大学の哲学者 42%
額面通りに取るならば、この中では、リサ・ランドールは全面的に否定的ですが、他の出演者は程度の差こそあれ、この可能性を考えている、と言えそうです。
 
リアリティはリアリティだろう、おしまい、っていう風に単純に捉えている人からすれば、これだけでもちょっと驚きなのではないでしょうか。「ええっ、いまだにリアリティがリアルであるっていう話に決着がついてないの?」と。
 
 
今回記事を書こうと思ったのは、この話題に関するバシャールの動画を見つけたからです。
 

 
物質的現実というものは存在しません。
そう「思い込んでいる」だけです。
バシャール
 

 
これまで何度もお伝えしたように
現実世界は「鏡」のようなものです。
要するに「反映」なのです。
そういう意味ではあなたの「外側」には何もないのです。
いわゆる現実世界はあなたの「外側」にはないのです。
そう見えるという「幻覚」です。
バシャール
 
いつもながら、バシャール、さすがのものすごい言語能力ですね。
 
 
般若心経で言っている「照見五蘊皆空」「色即是空空即是色」の「(くう)」というのは、文字通りの意味は「空っぽ」ではありますが、ほんとうの意味、現代的な意味は「シミュレーション」ではないか、というのが私の個人的解釈です。
 
そうすると、「我々がリアルだと思っている5つの側面(五蘊・ごうん=色受想行識、物質的なものと精神的なものをすべて含む)はすべてシミュレーションの幻であると見抜いた(照見五蘊皆空)」「形あるもの(色・しき)はすべてシミュレーションの幻であり、シミュレーションの幻が形あるものの正体なのである(色即是空空即是色)。その他の四蘊、受想行識という心の働きにしても同様である。(受想行識亦復如是)」と意味が通ります。
 
「不生不滅不垢不浄不増不減」生まれたり滅びたりということもなく、汚れたり清められたりということもなく、増えたり減ったりということもない、というこの箇所も、一体何を言っているのかと普通は混乱します。「空」というのは実体がないということ、因果関係が繋がっているだけだということ、と一般的なやりかたで説明されても、だからって「不生不滅」???っていうのは全然分かりません。
 
しかし、これはシミュレーション=空の中でのことを喋っているのだなと思えば、意味が通ります。生まれたり滅びたり、汚れたり清められたり、増えたり減ったり、ということも全部シミュレーションの中で起こっていることだから、いずれもリアルではないんですよ、本当に起こっているわけではないんですよ、っていうことですね。
 
瞑想するときに、最後に出てくる真言(マントラ)「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶(ぎゃーてーぎゃーてーはらぎゃーてーはらそうぎゃーてーぼじそわか)」を唱えることで、観自在菩薩(観音菩薩)はこれらを全て見抜いた(照見五蘊皆空)っていうのが、お経の中身です。だから皆さんもこの修行法を使いなさいと。見抜いた、という状態が、いわゆる悟りのことですね。
 
 
なぜ、私がこの話題にずっと注目しているかと言うと、そもそも我々は何者なのかという根源的な哲学の問題に直結しているということがひとつと、もうひとつは、般若心経も言っているようにこの世界観を得ることが「度一切苦厄(どいっさいくやく)」、あらゆる苦厄を乗り越える鍵だと思っているからです。
 
 
またこのバシャールの動画では、ハイヤーマインド(ハイヤーセルフ)が、我々の「現実体験」において重要な役割を担っているということも言われていますね。
 
現実は「鏡」のように我々の信念、感情、思考、行動を「反映」しているのだが、この「鏡面」に当たる部分、内側にあるものを映しているのは何か、というと、実はそれがハイヤーマインドであると。
 
「ハイヤーセルフの鏡」が肉体意識の周波数を反射させている正体なのです
バシャール
 
鏡のメタファーの代わりにVRのメタファーを使うならば、この写真の口を開けている男性が我々の肉体意識だとして、没入型VR装置の部分がハイヤーセルフ。
 
 
でも、我々の肉体意識にしたって、ハイヤーセルフの一部でもあるわけですから、写真の男性とVR装置が両方繋がって一つの意識を持った生き物みたいになっているのがハイヤーセルフ。その中で、没入型VRを観ながら「うわーすげー、このAV女優超リアル」とか言って興奮しているのが我々の肉体意識、というわけですな。
 
滑稽と言いますか、すごくないですかこの世界観。
 
 

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