こんにちわー。
 
MDの「18の論文」の5~7までを訳しました。
まだまだ先は長いわ(笑)
かの有名な英国のヒムスワース先生の論文が
登場します。(グラフが手書きだよ!)
 
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インスリン感受性と耐糖能を最大
まで上げるために高炭水化物食が
最も効果的であることを証明する
18の研究論文
 

5)高炭水化物低カロリー食が糖尿病
患者の炭水化物耐性に及ぼす影響
(Rabinowitch カナダ医学会ジャーナル
1935年)
 
1935年、Rabinowitch医師は、別の論文
を発表しました。
100人の患者を対象にし、50人には従来の
低炭水化物食(カロリー比60%が脂質)を
食べさせ、50人には新しい食事、すなわち
カロリー比24%が脂質という食事を食べさせ
両方のグループの患者たちを5年間経過観察
しました。(訳注:どちらもカロリー制限されて
いると思われます。)
 
脂質60%の食事を食べていた患者たちの
インスリン使用量は一日あたり32.2単位
だったのが31.8単位に減りました。
5年間で1%の減少でした。
 
脂質制限した食事を食べていた患者達の
インスリン使用量は一日当たり24.6単位
だったのが10.6単位になり、57%の減少
でした。
 
高炭水化物食を食べていた患者達の
うち20人がインスリン注射を完全に
やめることができました。
 
一方で高脂肪食のグループでは4人が
インスリン注射をやめることができました。
 
Rabinowitch医師は、脂質制限食を食べて
いた患者たちに以下のようなことが
観察されたと報告しています。
 
・患者達のエネルギーレベルが向上。
・食事の遵守率が対照食より高かった。
・この食事はすべての型の糖尿病に適している。
・糖尿病性昏睡の頻度が有意に減少
・動脈へのカルシウム沈着の減少。
(5年後のX線検査に基づく)
・糖尿病管理が簡素化した。
・患者の結核発症率が非常に低くなった。
 
Rabinowitch医師と共同研究者達は
このように結論付けています。
 
「炭水化物は耐糖能を上げ、脂質は
下げる。また、動物においても人
においても、炭水化物はインスリン感受性
を上げ、脂質は下げる、ということが十分に
明らかになった、と言って差し支えない。」
 
6)高炭水化物食とインスリン効果性
(英国医学ジャーナル Himsworth氏
1934年)
 
Rabinowitch医師と同時期に、ロンドン
医科大学病院の部長であるHimsworth医師
がインスリン感受性についての興味深い
実験を行いました。それによってHimswoth
医師は糖尿病研究の分野でのパイオニア
と呼ばれるようになりました。
 
この実験の対象者は18才から22才までの
健康な男性でした。
 
Himsworth医師が健康な人(糖尿病ではない)
を選んだのは、インスリン存在下で体が炭水化物を
利用できるメカニズムを調べたかったからです。
それで彼はインスリンを正常に産生し分泌している
膵臓を持つ人を選びました。
 
対象者たちに、高炭水化物低脂質食か
低炭水化物高脂質食かどちらかを食べ
させました。
一週間その食事を食べたあとインスリン
感受性が調べられ、次の一週間は食事
を入れ替え、その後またインスリン感受性
が調べられました。
 
この実験は病院内で行われましたので
対象者たちは、指定された食事を100%
遵守していました。
どんなことが生じたでしょう?
 
このように結論しています。
 
「高脂肪食を食べると、高炭水化物食
を食べた時よりも、インスリンはより長く、
よりゆっくり血糖値に作用することが判明した。」
 
高脂肪な食事を食べる環境にあると
耐糖能は悪くなります。
経口ブドウ糖負荷試験を行うと、高脂肪食
を食べている人は、血糖値が200mg/dlぐらい
まで上がります。
しかし高炭水化物食を食べている人は
120mg/dlを超えることがありません。
 
この実験で、彼は食事中の炭水化物の
割合が高くなるほど、インスリンの効きが
良くなるという理論を確立しました。
 
下の図は、高脂肪食と高炭水化物食
(カロリーは同じ)摂取後の同一人物
の50gブドウ糖負荷試験の結果を比較
したものです。
 
(黒が高脂肪食、白が高炭水化物食)

7)健康男性における、耐糖能とインスリン
感受性に及ぼす食事因子
(Himsworth氏 クリニカルサイエンス誌
1935年)
 
1935年、Himsworth医師は健康な若い男性の
小さなグループを用いた別の実験の論文
を発表しました。
5人の対象者はそれぞれ違う7種類の食事を
与えられました。
(1つの食事を7日間以上の期間)
 
下の図は、カロリー比で脂肪13%から80%までの
7種類の食事が与えられた時の、ある一人の人の
インスリン感受性試験の結果です。
 
グラフの右上の影の部分の面積が鍵です。
この部分の面積が大きいほどインスリン感受性が
高いことになります。
 
対象者にインスリン3単位を注射し、インスリンが
血糖値を下げはじめるのにかかった時間と
その下げ幅を計測したグラフです。
 
 

・脂肪80%の食事を食べた場合は、インスリン
の効果が現れるまでに7分かかり、血糖値
を85mg/dlまで下げた。
 
・脂肪13%の低脂質食を食べた場合は
インスリンの効果が現れるまでに2分かかり、
血糖値を70mg/dlまで下げた。
 
結論として、Himsworth医師はこのように
書いています。
 
「標準的なインスリン結晶製剤が血糖値に
及ぼす効果性は食事中の炭水化物の
割合によって決まる、すなわち食事中の
炭水化物が多いほど、体の組織のインスリン
感受性は上がる、ということが示された。」
 
つづく
 


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