【ゴホン!御本】休みの日の家でゴロゴロ男子には耳が痛い本
「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす (光文社新書)[本/雑誌] / 佐光紀子/著
家事に関する書籍を読んでみました。
「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす
著者紹介
1961年生まれの著者は国際基督教大学を経て繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に従事。フリーの翻訳者になり、著作活動も開始。
本著の概要
著者が本作に込めたメッセージはあとがきに書かれている通りであろう。
そんなに真剣に家事をしなくてもいいかと思う人が増えるといいな
メッセージに説得力をもたせるために、政府や民間シンクタンク等の社会データを紹介した上で、海外との比較、日本の慣習や考え方、最近の断捨離など幅広い事例を紹介している。
本著の大目次
第一部 完璧家事亡国論
第二部 「片付けすぎ」が家族を壊す
本著より
上記の図は本著をもとに「家事見習い男子」が作成したものですが、本著で紹介されている2013年に厚生労働省が発表した調査結果です。
未婚女性に結婚後に働きたいと思うか?それとも働きたくないと思うか?という調査のようです。
さて、この調査結果を見て、直感的にあなたは下記のどちらに感じたでしょうか?
A)「働きたくない」が3割強もいる
B)「働きたい」が7割弱もいる
両方とももちろん間違っていません。
本著では、厚生労働省はこの調査結果を「未婚女性で結婚後働きたくない人が3分の1だった」と発表したと記事が「Japan Today」に掲載され数多い反応が寄せられたことに触れています。
つまり、働きたいが多い(B)と捉えず「働きたくないが一定数ある(A)」という厚生労働省の見解が日本の歴史的背景を含めた慣例的な考え方が潜んでいるのではないか?と問いかけています。
こうした社会データを照らし合わせながら、アメリカやトルコなど日本以外の国々の専業主婦の事例を紹介しています。
家事見習い男子の感想
確かに頑張りすぎているのかも
本著でも書かれている通り、確かに日本人は「家事を頑張りすぎる」ところがあるのかもしれません。
私も家事見習いとして 1年間続けたわずかな経験でも、家事の大変さをつくづく感じています。
<参考>1年やって感じた!家事が大変な理由ランキング! - 『家事見習い男子』
とくに料理に関しては、朝、昼、晩と毎日欠かさず3回必要で、お腹が空くという生命的なアラームが発動されます。個人的には先延ばしにすることができないため料理が一番大変な家事ではないかと思っています。
本著によると海外では、温かい食事、品数の多さ、栄養のバランスにここまで完璧を求めていないと書かれています。
確かに私のような家事見習いでさえ頑張ろうとしすぎるところがあるのかもしれません。
なぜこんなに頑張ろうとするのか
日本人は困難なことを乗り越えるということに、あまりに偏った美意識のようなものにあまりにも囚われ過ぎているのかもしれません。
困難であれば困難なほど、逃げることなく絶対に乗り越えなければならないと思ってしまうのでしょうか。確かに素晴らしいことではありますが、そのことであまりに苦しい思いをして健康を害するようでは、確かに本末転倒のような気もします。
価値感は多様化している
本著でも、男性の家事への取り組みが消極的であることに触れています。男子としてはなんとも耳が痛いことです。女性のためにも、男子である自戒も含めて、もう一度書いておきましょうか。
「男性の家事への取り組みが消極的である」
私自身も1年前までまったくキッチンに入ったこともなく、家事は妻に任せきりでした。しかし、それではいけないと一念発起し、遅ればせながら1年前から家事に取り組み始めた身なので、決してエラそうなことは言えませんが、少なくとも男子が家事をやるということについては少しずつでも意識は変わってきているように感じています。
もう少し言うと、家事だけでなく、働き方、生き方という点で、様々に変化する価値観にともなって実行へと移されている流れのようなものを感じます。
そして何より大切なのは、決して専業主婦というのが良い悪いといった偏った考え方ではなく、夫婦または家庭によって、どちらが良いのか、どういう風にすれば良いのかを各自でしっかりと考えて行うことが大切なのではないかと思います。
自分または自分たちの頭で「良いのはどういうことだろう」ということを考えて実行することが、どんどん広がれば、やがては男だから、女だからということを超えた状態になっていくことのではないかと思います。
さいごに
さて、さいごにもう一度。
この下記の調査結果を見て、直感的にあなたはどちらに感じたでしょうか?
A)「働きたくない」が3割強もいる
B)「働きたい」が7割弱もいる
同じ調査結果を示していますが、図が異なります。
もしかしたら、はじめの図では直感的にA)と答えた人が、次の図では直感的にB)と答えたのなら要注意かもしれません。
同じ調査結果でも表現の仕方が異なるだけで、直感的に感じる印象は変わってしまうときがあります。
改めて色々なニュースや記事に触れるときには意識をして、客観的に観察する習慣とそれらをふまえて自分がどう考えるのか?ということが大切なのかもしれません。
そんなことを本を読みながら感じた「家事見習い男子」でした。
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