お誘い
ユリさんへの気持ちを確信したところで、私の行動は今までと何も変わらない。
想いを伝えたい、ユリさんの気持ちが知りたい。
そう思うことはあっても、
もし拒絶されたら・・・
嫌われたら・・・
そう考えると、今のままの状態でいる方が何倍もマシだと思うから。
だから会社でユリさんと顔を合わせても、今まで通りの “普通” を装った。
もっと一緒にいたい、もっと話を聞きたい。
そう思うけど、そんな感情は一切表には出さない。
ユリさんの姿に気付いても気づかないふりをしたり、とにかく自分の気持ちを抑えるのに必死だった。
そんなある日、社内でデスクワークをしていると、ユリさんがやってきてこう言った。
「木下さん、今度の休み、どこか遊びに行きませんか?」
いきなりのお誘いに一気にテンションが上がる私。
しかもどうやら二人で遊びに行こうという話のよう。
(えーーー!! ユリさんとデートぉぉぉぉ!!)
と、心の中では絶叫しながらも、
『今度の休み? うん、大丈夫だよ(^^』
と、表向きは至って冷静に返事をした。
それから私たちは連絡先を交換した。
実は今までプライベートの連絡先を知らなかった私たち。
家に帰ってからもユリさんからメールが届くようになり、そのたびに私は舞い上がった。
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