2015年秋、虐待された猫が東京都内の公園に遺棄されるという事件があった。
事件で心身に傷を負った被害猫は、多くの人のやさしさに触れ、心を開くようになっていた。
陽のあたる部屋で
東京都西部の静かな住宅地に、保護猫の預かりボランティアをしている市來(いちき)みさとさんを訪ねたのは、北風が吹きすさぶ日だった。
日当たりのよい暖かな2階の部屋に、大きなケージハウスが4つ。見慣れぬ侵入者に、耳を反らせるサビ猫、座布団で頭を隠す黒猫、ケージの上でこわごわ見下ろす黒白猫。そして、ケージ内で様子をうかがうキジ白猫がいた。
「あれれ、さっきまでみんな、部屋の真ん中でくつろいでいたのに」と市來さんは笑う。
NPO法人「ねこけん」のシェルターから、とりわけ人馴れしていないワケアリ猫たちを預かって、この部屋でゆっくり心を開かせるのだという。預かりの上限は4匹と決めている。1匹送り出せば、また1匹迎える。そうして何匹も温かな家庭に送り出してきた。
「この子が、次郎です」と、市來さんが指さしたのは、ケージの中のキジ白だった。縁側の座布団がよく似合いそうな、のどかな風貌の猫である。だが、次郎は、壮絶な体験をし、シェルターを経て、ここにやってきたのだった。
虐待の恐怖
ノラ猫だったと推測される次郎は、ある日、突然、非道な虐待・遺棄事件の被害猫となった。
2015年10月、ニュースで流れた事件の概要はこうだ。
「東京都内の公園で、粘着テープで脚や胴を巻かれ、紙袋に入れられた猫が発見された。猫はあごの傷のほか、右耳の後ろに殴られたような痕があり、血を流していた」
その後、30代の男が動物愛護法違反の疑いで逮捕された。男は外で捕まえて連れ帰った猫が暴れたので、粘着テープで巻いて殴り、公園に捨てた、と供述したという。
猫の恐怖はいかばかりだったろう。地元の警察署に保護された猫は、そこで粘着テープを外してもらったが、恐怖で固まったままだったという。
警察のルールでは、猫は「遺失物」扱いである。飼い主が名乗り出ないときは、動物愛護センターに移される。この猫もセンターに送られるところだったが、「ねこけん」のメンバーである獣医師の黒澤理紗さんが、手当とその後の引き受けを申し出たため、黒澤さんに託された。
身体をこわばらせて威嚇
治療を終えた猫は「ねこけん」のシェルターに移り、「次郎」という名をもらった。首が傾き、あごが少しずれているために舌がのぞき、右目が小さくて視点が定まらないままなのは、殴られた後遺症と思われた。
次郎は人がそっと手を近づけるだけで、大きく目をむき、身体をこわばらせて威嚇した。人の気配がすると、ケージの奥に身を隠してしまう。心を閉ざし、人の手を怖がるのは、当然のことだった。
そんな次郎を刺激することなく、「ねこけん」のスタッフたちはやさしく名を呼びながら世話を続けた。「次郎、人間ってこわくないんだよ。やさしい手だってあるんだよ」と話しかけては、そっとお尻ツンツンを繰り返していた。
やがて次郎は威嚇をやめ、ケージの奥に隠れないようになったものの、人との距離はなかなか縮まらなかった。
そんなある日、あっと驚く光景がスタッフの目に飛び込んできた。「ねこけん」代表の溝上(みぞかみ)奈緒子さんの手が、次郎の背中を、頭を、あごを、優しくなでているではないか。次郎も、「よーしよしよし」とされながら、甘えを帯びた目で溝上さんを見つめている。
その目にはもう恐怖の色はなかった。次郎がやって来てかなりの月日が過ぎていた。
「次郎はもう大丈夫!」
このまま、次郎のペースに合わせて人との距離をさらに縮め、譲渡先を見つけたい。そう願って、市來さんが次郎を預かったのは、昨年10月。次郎は、他の預かり猫3匹からも慕われ、いい兄貴分として保護部屋で暮らし始めた。
「ゆっくりなら、もう次郎は手を怖がりません。どうぞなでてやってください」
そう言われ、ゆっくりと次郎をなでてみた。頭から、あごへ。次郎がおずおずと顔の重みをてのひらに預けてきた。いとしさがこみあげた。ああ、次郎、長い道のりだったね。
市來さんは微笑んで言う。
「私たちが次郎のためにできることは、ただ、「恐怖の手の記憶』の上に、『やさしい手の記憶』を、毎日毎日上書きすること。今の次郎には、あの事件の記憶はもうほとんどなくなっているのでは、と私には思えます」
「ねこけん」の溝上さんはこう語る。
「人の手で恐怖を味わった猫には、人の手で償いをしなければ。もう、次郎は大丈夫。次郎を迎えてくださる方は“かわいそうな猫”という先入観や偏見を持たずに、普通の猫として可愛がってやってほしい」
新しい家族を
現在は新潟市で「そとねこ病院」を開き、外猫たちの避妊去勢活動を続ける黒澤さんも「飼い猫として愛情を注がれ、ゆったりとした日々を過ごしてほしい」と、次郎に家族ができる日を心待ちにしている。
次郎の心の再生に関わった人たちの思いは同じだ。「次郎、人間をもう一度信頼してくれてありがとう! みんなで力を合わせて、絶対に虐待のない社会にしていくからね」
次郎。キジ白。黄緑のきれいな瞳。なかなかの男前。推定年齢8~9歳。いずれ甘えん坊に変身する可能性大の、ちょっとシャイで穏やかな普通の猫。終生の家族がみつかるのを待っている。
参照元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190222-00010000-sippo-life&p=1
虐待・遺棄されていた野良猫の次郎。優しい手に触れ心を取り戻す。ネットの声
もうだいぶ高齢の猫だから優しい飼い主さんに会えると良いですね
どうか次郎くんにたくさんの幸せがありますように。
これからは愛情まみれで過ごしてほしいな。
涙が出ます。幸せになって欲しい。
子供や動物を虐待する事件が後をたたないのは
やはり生きづらい世の中なんだろうと思うが、
弱いものへの暴力は本当に許せません。
どうしたら虐待が減少するか、救えるかを
社会全体で真剣に考えなくてはいけない。
ましてや弱い生きものに手を出すのは最低。
この子の心が穏やかになってくれて嬉しい。
以前ノラちゃんを静かに抱っこしてたらずっと甘えて抱っこさせてくれて、うちの子にしたかったけど先住猫との相性を考えやむなく断念した事を思い出すたび悔やんでいます。
本当は皆飼い猫で大事にされる事が理想だけど、ノラちゃん達が穏やかに暮らせる世の中は人間にとっても穏やかな良い環境なのだと猫が好きじゃない人にも気付いて欲しい。
これからも1匹でも多く救われる命がありますように。
それでも次郎が心やすく暮らせるようになって本当に良かった。
健康な子猫は貰われやすいでしょうし保護&譲渡の効率がいいです。
たくさんの個体に安住の家ができます。
それでも、こういう子にこそ幸せになって貰いたいと思ってしまいます。
記事を読んで目頭が熱くなったわ
これからの人生ゆっくり幸せになるように祈ってます。
頑張ったな次郎。
他にも助けてほしい猫はたくさんいると思うのですが、私にできる最大限、この1匹を最後まで大切にしたいです。
猫ちゃん達が心地よく穏やかな時間、わくわくする楽しい時間、美味しい時間、そんな幸せな瞬間を重ねていけますように
私達が少しずつ力を合わせれば、すべての猫ちゃんが幸せに暮らせるはず
そんな姿を見たら私達も幸せだし
行動することだよね
涙が出ました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
捕まらない事が本当に多いからな。
次郎に優しくしてくれたスタッフの方ありがとうございます。人間に生まれた、猫に生まれた、ただそれだけ。同じ生き物なのに立場が違うからと虐待するとか信じられない。来世で逆に生まれたら逮捕された人間はどう思うだろう。
猫に限らず、どんな生き物でも、そう。
何故、そんないたいけな存在の動物や子供を、虐待したいのか。
余程、満たされない心の持ち主なんだろうけど。
この猫に限らず、酷い目にあって救われた命。
今度は幸せに平穏に暮らしていって欲しいと切に願います。
やさしい記憶って良い表現。
躾とかなんとか言ってる人は本当に危ない。
動物飼えないのなら無理してかわなくていいし自分のことを優先してほしい。
家ごとに暮らしが全然違うのが動物側にとってはとても苦しいところ。
人間の欲でペットにしているということが大前提なのにね。
この種類のニュースは読んでいてとても疲れる。
綺麗事を言いにくるくらいならコメントしなくていいしかわいそうだけの理由で関わる上澄みだけ持っていく人が多いね。
次郎をゆっくり優しく撫でたい。
次郎にとって
撫でることが幸せの上書きになるのならば
何度でも。
しっかり捜査して、逮捕、有罪にするべきだと思う
法を改正して欲しい
実際はできないので、子なしの自分としては遺産と持家で犬(庭)猫(屋内)シェルターを作って、自分の事業利益から人件費出し恒久的な運営にしたいと思います。
ところが人対人、となると人の何割かは更にこんな風に
接する事が無くなる。
猫の世界ですら、虐待を受けた猫を実際飼うとなると
抵抗がある人がまだまだ多い状況、虐待を受けた人への
理解・対応はずっと先の未来の話になるだろう。
この子たちはわがまま言うわけじゃない。
ごはんと、安全が確保された場所で穏やかに暮らせればそれでいいだけ。
人の愛情が加わると今度は人に幸せをもたらしてくれる、人と共生できる子たちだから。
よい飼い主さんと穏やかに暮らせますように。
優しい人間も居るからね(;´д`)
きょうは、2月22日ニャンニャンニャン。
幸せに元気に暮らして欲しい。
それにしても、こんな酷いことをした奴はもっと刑罰を重くすべき!極刑でもいいぐらいだが、そこまで行かなくても、生涯に渡って罰金を払い続けさせて、そのお金を殺処分をなくすために使うなどにしたらいい。
法律で許されるのであれば。
恐ろしいかと思う反面、
この方のように愛情込めて
ケアされる方がいると思うと
安心する
早く法律を改正して厳罰化して欲しいです。
猫が幸せになりますように。
同じ人間が怖い事してごめんね。
犯人に重りを付けて東京湾に沈めてやりたいです。凄く頭にきます。
優しい飼い主さんと巡り会えるといいね。
だから動物を愛すると心が洗われる。
人間にとって猫はとても愛しい友達
こんな関係で在りたいと思います
猫の日に、こんな記事で辛い気持ちになりましたが、最後は涙ぐんじゃった。
動物に対し、悪意を持って接するやつ、優しくできないやつ、これは人間として最低です。
同じ人間とすら思いたくないです。
自分の経験上の勝手な決めつけですが、
動物を可愛がる気持ちない人は、信用できない。
殺されていてもおかしくない状況だったのに助けてもらえて良かったです。
次郎くん、早く優しい飼い主さんに巡り会えて愛情に満ちた幸福な日々を過ごせるよう願います。
残念ながら家では飼えないんだなぁ(;´Д⊂)
虐待された猫が少しでも幸せを感じてくれなら嬉しいです。
けど、同時に虐待した奴(ゴミ)を角材で殴り…したくなった。
次郎くんの幸せを願います
全ての猫たちに幸あれ。
どうか優しい飼い主さんにめぐり逢えます様に。
こんな小さな生き物どうやって殴るんだよ。
良い飼い主さんに貰われていくと良いね。
しかし、それが、本来の猫。
虐待したやつを同じ目に合わせてやりたい
また虐待してるかも!?
殴って捕まらないのであれば、男の顔が変形するよう同じ目に遭わせてやりたい気持ち。
泣いてないよ
どうしてそんな当たり前のこと
できない奴が多いんだろう
虐待など絶対に許せん
どうしてこんなに可愛らしい生き物を虐待するのかわからない。理解できない
虐待した人は、同じ目に合えばようやく
虐待された猫ちゃんの痛み苦しみ恐怖絶望感等々の気持ちが理解出来るのかしら?
どのようにしたら、こんなに残酷で無慈悲な鬼畜が育つのでしょうか?
それが知りたい。
神さまなんか、おらんよな。
1日でも長く生きてね。
殴られた後遺症…なんて酷い。
どうかこれからは幸せな毎日を送ってね。素敵な家族が見つかりますように。
幸せになってね。
ありがとう。
児童虐待 動物虐待は死刑で
どんなにこの子が殴られた時、テープを巻かれた時怖かったか計り知れません。
ゆっくり穏やかにすごしてね。
言葉を発せない物にしか強くない人は、最低です。そんな人こそ生きる資格ない!
死刑になればいいと思うくらい憎たらしい。
ろくな人生を送らない。
勉強になります!
「心を持たない人間」は何をするかわからないから。
虐待されたんじゃ無くて、幸せに暮らしてた猫も前の飼い主さん思って新しい飼い主に威嚇するもの。
大きい猫なら尚更。
ウチの老猫も威嚇せずに頭撫でさせてくれるまで一年半かかった。
今じゃ頭撫でれって手(前足)でコッチの手を引いて頭に乗っける甘えたになってくれたけど。
信頼して貰えるには何年も掛かる。
次郎も安心して甘えれる生活にして上げたい。
嫌ならば近寄らなければいいじゃんって
本当、自身含め猫を保護した事がある人間はみな、この思いだろう。猫に限った話ではない。
この男が何目的で家に連れ帰ろうと思ったかは定かではないが大凡2つの理由の内のどちらかだろうが、いずれにせよ反吐の出る物だ。程度の低さ、未熟さ、下劣さ、下衆さ。
人間が他の生き物より優れている物等何1つ無い。謙虚さとは、共存とは、尊厳とはそう言う思いから始まる。自覚、だ。
文明とは唯の優位性であって、本質的に優れているとはまるで別次元だ。
共存の中に人類の立場を自然と溶け込ませる努力、その実現こそ、人類が他の生き物と精神的に並べる為の種をかけた命題だと思う。
もし、自分が言葉もジェスチャーも通じない巨人に拐われたら、全力で逃げ出そうとしないだろうか?
次郎は、それこそ死ぬほど怖かったはずなのに、自分の思い通りにならないからと拘束して殴って放置するなんて…。
どうか、全ての猫達に、安全で快適で適切な『家』と『手』を。
安らぎと愛情を。
清潔な環境と、快適な寝床と、良質なごはんと水を。
憎い。
めをむけてほしい。罪のない命が、虐待等
残酷なめにあうことは許されない。
国で、世界で、もっと真剣に考え、残虐な
行いをする者の処分を重くして欲しい。
沢山の罪ない命を救う義務が、人間には
ある。
本当に胸糞悪い。次郎ちゃんしあわせになるんだよ。
管理人の率直な感想
優しい人に出会えて良かったね次郎。
余談ですが、僕の高祖父の名前も「次郎」なんです。(本当に余談)
次郎(猫の)が何をしたってんだ・・・。
猫に限らず動物って純粋じゃないですか。
そこにどんな理由があるにせよ、殴られたり蹴られたり暴力を受ける理由にはならない。
絶対になり得ないんです。
しかし虐待した男には、自身が虐待される立派な理由が出来てしまった。
というか自分で作ってしまった。
まあそれはコメントで代弁してくれてる方がいるので書くのは差し控えますが。
僕は無神論者ですが因果応報というのは確実に存在すると考えています。
だから、みなさんが虐待男にモヤモヤしなくても大丈夫。
みなさんは「ねこじゃすり」というものをご存知ですか?
猫を撫でるアイテムなんですが、ねこじゃずりで撫でるとたちまち猫がとろけてしまうという魔法のようなアイテムなんです。
究極の猫の癒しグッズですね。
僕はなかなかの猫好きですが、恥ずかしながら今日初めて知りました。
次郎に(猫の)ねこじゃすりしてあげたい!
すぐにこんな感じになります。
【犬・猫の総合情報サイト『PEPPY(ペピイ)』】でWEB限定で販売されています。
ノーマルもありますが、名前を入れることも出来ますので「欲しかったんだ!」という方は、じゃすってあげてください。
早く次郎に優しい家族が出来るといいですね。
コメント