京都 南禅寺 瓢亭 別館

京都の南禅寺にあり時代を支える文化人など多くの人々を魅了し続けてきた老舗料亭。朝粥で有名なお店「瓢亭 別館」さんに実際に行って実食したレビューを掲載しています。

Published on: 2019/06/24

外観

京都 南禅寺 瓢亭 別館|瓢亭別館

お店は京都市内の知恩院がある円山公園から北に向かい、閑静な住宅街の中にあります。

外観はひっそりとした佇まいに、どことなく凛とした静けさを感じさせてくれます。

最寄り駅は京都市営地下鉄の蹴上駅から徒歩5分ほどです。

瓢亭本館

京都 南禅寺 瓢亭 別館|瓢亭本店

別館から20〜30mのところに瓢亭本店があります。創業は1837年と歴史も古く400年以上の老舗中の老舗です。

「花洛名勝図会」(1864年発刊)では、すでに京の名勝の一つとして数えられていた瓢亭。

「くずや」と呼ばれる草葺の屋根を持つ茶室は築400年の建物なので、お店を見に来るだけでも観光になります。

それぞれの時代を支える文化人、茶人、経済人、京の旦那衆など多くの人々を魅了し続けてきた、南禅寺門前にある老舗料亭です。

駐車場

京都 南禅寺 瓢亭 別館|駐車場

本店から50mほど行ったところに5台ほど停められる駐車場があります。

車で来店されるお客様が少ないせいか、停めていいたのはワタシだけでした。

予約した時間の15分ほど前にお店にお邪魔したのですが、駐車場も入店も平気でした。

駐車場なら価格比較ができ、駐車場所があらかじめ分かる、タイムズパーキングの駐車場予約がオススメです。

予約必須

京都 南禅寺 瓢亭 別館|玄関

当然のことながら人気のお店なので予約は必須です。

ワタシは2ヶ月前ほどに電話にて予約を入れましたが、問題はありませんでした。

営業時間

京都 南禅寺 瓢亭 別館|朝粥

人気の朝粥は本館と別館で営業時間も時期も、価格も異なるので注意が必要です。

別館では朝粥(3月16日〜11月30日)、鶉粥(12月1日〜3月15日)迄です。

本館では朝粥(7月1日〜8月31日)、鶉粥(12月1日〜3月15日)迄となっています。

店内

京都 南禅寺 瓢亭 別館|店内

店内は外観の印象以上にカジュアルな作りですが雰囲気は抜群です。

どんなお店かと不安が多かったのですが、予想以上に居心地は快適そのものでした。

お客さんには外国人観光客がちらほらいますが、一人で食を楽しまれる方も見受けられました。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|店内

水が流れる立派な中庭を見ることができるので、飽きることなく時間が過ぎていきます。

梅湯

京都 南禅寺 瓢亭 別館|器

さすがに瓢亭の料理は器や盆もキレイで、見た目的にも十分に楽しめました。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|梅湯

席に着くと梅と昆布の梅湯が出てきました。

味は非常に素朴なのですが、シッカリと昆布と梅の風味を感じることができ、口から胃へするっと抜けるさまが分かるほどです。

朝粥

京都 南禅寺 瓢亭 別館|瓢箪型の三段の器と八寸

「朝粥 4500円」です。

瓢箪型の三段の器とお皿に八寸が出てきました。

朝粥はどんなものかと思いきや、しっかりとした京料理のコースになっています。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|おぼろ寿

盆には季節の料理が置かれております。

おぼろ昆布と山椒の葉がアクセントになっている鯛のおぼろ寿司は、ほのかな酢の酸味を感じつつ、絶妙なご飯の口溶け、もうこれだけでも十分美味しいです。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|瓢亭玉子

中でも有名なのが瓢亭玉子です。

一見すると普通のゆで卵なのですが、その茹で加減は絶妙そのもの!

黄身や白身が液体から個体に変化する本当に一歩手前で湯でられてプルプルの食感が非常に美味しいです!!

京都 南禅寺 瓢亭 別館|瓢箪型の器

瓢箪型の三段重です。瓢亭の料理や建物にはお店のシンボルである瓢箪が随所に散りばめられているので、それを探すのも楽しいです。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|煮物

湯葉、南瓜、里芋、さやえんどうなどの煮物です。

実にシンプルですが味は見事。これほど美味しい煮物に逢ったことがあるのだろうか。と思ってしまいます。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|鰆ともずくの酢の物

鰆ともずくの酢の物です。非常に食べやすく、口の中での相性は抜群です。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|梅甘煮

梅甘煮です。

梅が持つ甘さや香りを残しつつ、実に見事なデザートになっています。

原形を留めるのがやっとと言わんばかりの食感も実に見事です。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|お椀

箸休めのお吸い物です。

蓋を開いた途端に海苔の香りが辺りに広がります。

豆腐の甘さと大豆の風味を残して、すっと消えるようなお吸い物です。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|朝粥

いよいよメインの朝粥です。

食べ進める頃合いを見計らって炊き上げられる繊細さには敬服させられます。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|お新香

お椀を上げるとお新香がありました。胡瓜漬物、昆布甘露煮、鯛でんぶです。

胡瓜は初夏を感じさせてくれるような、若干の青臭さを少し残しながらも非常にさっぱりとした季節感をもたらしてくれます。

昆布は甘過ぎず辛すぎず、絶妙な味加減とホロリとした食感です。

京都 南禅寺 瓢亭 別館|朝粥

朝粥の蓋を開けると、それだけで絵になりそうな美しさがあります。

味は純粋かつ繊細で、米の甘みを感じさせてくれます。食感は米の粒を感じつつも、口の中で優しく溶けるようなふっくらさがあります。美味い。

朝粥には、出汁と醤油で仕上げた葛あんが付いてきます。絶妙のとろみで口にしたときは強めの醤油と出汁の印象が残りますが、喉元を過ぎる頃には消えてしまう。そんな不思議な味でした。

あとがき

京都・奈良観光で京都を訪れた際に、以前より是非一度は訪れたいと思っていたので、念願叶っての来店となりました。

瓢亭といえばグルメ漫画「美味しんぼ」で「日本一の朝食」と表現され、食に興味がある者ならその名を一度は耳にしたことがあるくらいの有名店です。

どの料理も絵になるほど美しく、味は非常にシンプルではあるものの、繊細さと素材、味の奥深さをまざまざと見せつけられた衝撃がありました。

食べ歩きを愛している「ワタシごとき」のレベルを遥かに凌駕している。そんな印象で圧倒されるばかりでした。

人生で一度は食べたいと思っていたお店にお伺いでき、自分の生活や食を見直すきっかけにもなった気がすると同時に京料理や日本料理への興味が湧いてきました。

「絶対!!!!また来ます!!!!」

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