光合成細菌培養完了。
先日来、進めてきた光合成細菌培養プロジェクト
が終了しました。
まったくゼロからのスタートで、
途中なんどもくじけかけましたが・・・。
ようやく、なんとかかんとか形になりました。
結果はこちら。
右が成功した光合成細菌(赤色)
左の方は、真っ黒になっています。
おそらく硫化細菌が優勢になって、しまった模様。
ちょっと見にくいですが、この黒色の正体は、
表面についた金属イオンが、硫化して皮膜を作って
いる色です。(おそらく)
水自体は、薄い黒ですが、
このように傾けると、容器表面は、完全に真っ黒。
仮説ですが、
これによって、光が遮られて、光合成細菌が繁殖
できない模様。
つまり、一回真っ黒になると、培養環境では
光合成細菌が優勢になることはないってことですね。
すでに2週間このままなので。
(つまり、捨てるしかない(笑))
今回の光合成細菌の培養プロジェクトは、
とても勉強になりました。
わかったことを書いていきます。
1、身の回りの様々な場所に光合成細菌がいる。
採取した殆どの場所で、水の色の変化を
確認することができました。(透明→赤)
このことから、水田やその他、結構あらゆる場所に
光合成細菌がいるようです。
(初夏においては)
2、PHによって繁殖する細菌が異なる。
同様の場所で採取した検体であっても、
培地のPHによって、硫化細菌が繁殖する場合がありました。
特に、PHが低い(酸性傾向)だと、
硫化細菌が優勢になる模様。
優劣関係としては、硫化細菌が繁殖してしまうような
PHだと、光合成細菌が繁殖する前に、硫化細菌が繁殖、
表面に、硫化物皮膜を形成することによって、
光を阻害し、結果、光合成細菌が繁殖しないということが
わかりました。
以上の二点から次のような結論を導きました。
光合成細菌を繁殖させるポイントは、
採取場所は適当で良いが、
培地のPH(アルカリOR中性)
と、光度を十分に確保することが大切である。
細菌の繁殖過程で、PHは低下する傾向があるので、
(光合成細菌以外の細菌が酸を出すから?)
あらかじめ、ある程度強めのアルカリにしておいたほうが
良い。
※不明点:PH変動の原因
今後の方針
今回作成した光合成細菌は、光合成細菌以外の細菌
細菌(放線菌とか、バチルスの類)も含まれていると
思われるので、
これを単離したい。
方法は、寒天培地による色選別方を予定。
(真っ赤なとこだけを採取して、培養する)
(どうでもいいが、寒天って意外とお高いね)
だけども。
なぜなら、水槽でのバクテリアの動作原理から
考えて、単離しても、純粋の光合成菌だけを使用する
ことはできないから。
(どうせ混ざる(笑))。
まあ、面白そうなのでやってみようと思います。
PS
今回、遅ればせながらテーマに水槽を追加しました。
過去記事は暇な時に整理します(笑)。
今後も細菌ネタが続くと思われますが、
暇だったらおつきあいください。
というか、細菌は本当に面白い。
一体、なぜ水がキレイになるのか?
あるいは、キレイな水とは何なのか?
が今回はじめて理解できた気がします。
地球環境を考えるとは、各人がこういうことに
気がつくことかもしれない。
(大げさ)