Webアナリストになるには?仕事内容と資格、年収、将来性について
アクセス解析やユーザー分析などのアナリティクスを専門に行う職業として「Webアナリスト」と呼ばれる仕事があります。
業務ではGoogle AnalyticsやAdobe Analyticsなどの解析ツールを使用してサイト改善の提案やレポーティングを行い、企業のデータドリブンな意思決定を支援します。
分析のプロフェッショナルといえるWebアナリストですが、専任の担当者はまだまだ少なく「どのような仕事なのか」「未経験から転職することは可能なのか」など気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、Webアナリストの仕事内容や資格、未経験から転職する方法、将来性について紹介します。
Webアナリストとは
データ分析や統計解析などアナリティクス業務の専門家のなかでも、特にウェブ解析やアクセス解析、ユーザー分析などWeb/デジタル領域の分析をメインに行う職種が「Webアナリスト」です。
Webアナリストの仕事内容
Webアナリストの役割は、さまざまなデータをもとにウェブサイトのUI改善や収益向上の示唆を導きだすような分析を行うことです。
アクセスログや購入履歴、会員情報といったデータから、コンバージョンを増やす、広告効果を効率化するといった目的に対してサイト上の改善点を発見したり、定性面から導き出した仮説をもとにビジネスサイドやクライアントへの施策提案を行います。
また、マーケティングやビジネスサイドが企画した施策やWebサービスでの機能追加などの実行結果についてKGI/KPIを設計し、集計したデータを読み取りやすいレポートにまとめ報告するといった業務もWebアナリストの仕事の一部です。
ABテストやLPO、EFOといった改善施策やグロースハックを実施する際に、Webアナリストはデザイナーやエンジニア、マーケターとも連携してチームで業務に取り組むこともあります。
Webアナリストの給与・年収
Webアナリストの年収相場は、中途採用の場合で400〜500万円とWeb系職種のなかでも高めの給与となっています。未経験や新卒入社の場合に、最初は年収が低めのケースもありますが分析スキルや実務経験を積み転職することで年収を増やしていける場合があります。
Google Analyticsなどでのアクセス解析業務が基本となりますが、Big QueryなどDWH、DMPなどのデータ基盤、TableauなどBIツールを使用したデータの可視化など、高度な業務内容に対応できるWebアナリストは企業側のニーズも高く、それらの職務経験がある場合はより高収入を得ることができるでしょう。
Webアナリストになるには
Webアナリストになるためには、未経験可の求人ポジションに応募して転職する方法があります。注意点として、事業会社の中途採用枠は、分析経験が必須である場合が多いです。そのため、未経験からの転職を目指す場合は広告代理店やコンサル企業、制作会社など支援企業側の求人に応募しましょう。
ただし、Webアナリストの求人は他の職種に比べ絶対数が少なく、応募しても書類が通らない、面接でNGだったということもあるでしょう。その場合は、一度「Webディレクター」、「Webマーケター」など他の職種で就職しアクセス解析業務を経験した後に、Webアナリストに転職するといった方法も視野にいれ転職活動を行うとよいでしょう。
Webアナリストの資格
未経験からWebアナリストを目指す方や、アクセス解析に携わる方が多く取得する資格が「ウェブ解析士」と「Webアナリスト検定」です。
ウェブ解析士認定講座
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が主催する実務面を重視したウェブ解析についての認定資格です。アクセス解析だけでなくWebマーケティングについても学ぶことができます。
ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、 解析士マスターの3つのレイヤーに分かれており、それぞれについて取得方法が異なります。
https://www.waca.associates/jp/
Webアナリスト検定
日本Web協会(JWA)が主催するGoogleアナリティクスの分析を中心とした検定です。
5時間の講義と試験で手軽に資格取得が可能となっています。
https://www.jwa-org.jp/webanalyst/
Webアナリストの将来性
インターネットやIoTなどテクノロジーの発展に伴いウェブ解析やアクセス解析の需要は今後もさらに高まっていくと予想されます。
一方で、それらの分析業務は、WebサービスやECサイトなどの運用に携わる職種に必要とされるスキルのため、分析の専任担当者であるWebアナリストには、他のWeb系職種よりもさらに高度な分析スキルや知見が求められる傾向にあります。
最近では、ユーザーの会員情報や購買情報などのCRMデータや営業管理ツールのSFA・MA、DMP・DWHといったオフラインも含めたデータ基盤から得られた情報を掛け合わせたデジタルマーケティングのニーズが高まっています。
まとめ
Webアナリストは、サイトの収益向上やユーザビリティにおいて非常に重要なポジションです。その業務内容は、分析に必要なデータ収集から、仮設設計、施策提案、実施、報告まで業務内容は多岐にわたります。
そのため、統計や解析ツールなどの技術面だけでなく、ビジネスやマーケティングに関する深い理解がもとめられるため分析の実務者でもありコンサルタント的な立ち位置ももとめられるポジションです。
また、アナリティクス領域にも今後はAIの利用が予想されるため、Webアナリストとして希少価値の高い人材になるためには、ビッグデータの分析やSQL、Pythonなどエンジニアリングも含めたより高度なスキル構築が必要となってくるでしょう。
とはいえ、アクセス解析の経験は他の業務でも利用する機会が多く、Webアナリストはデータ分析を仕事にしたいと考えた際に、未経験からでも目指せる職種として非常におすすめです。
転職や就職をおこなう際は、今後のキャリアも含め考えてみるとよいでしょう。