老いてきた時に役立つグッズ シリンジ

今回、取り上げたのはシリンジ。老犬期全体を通じて便利だったというよりも、本当に最後の数か月の辛い時期に便利だったものです。便利というよりも、これがなかったら、わが家ではにっちもさっちも行かなかったと思います。

ページ内インデックス
シリンジとは
何に使うのか
何処で購入できるか
代用品をいろいろ試す
シリンジは消耗品
介護用品店からシリンジ届くが・・・

辛い時期の記憶を探ったせいか、思いのほか、散漫に長々と書いてしまいました。ご容赦ください。


シリンジとは

シリンジとは、注射器の胴体部分のことです。ポンプで液を吸上げ、そして吐出するために使います。

何に使うのか

犬が寝たきり状態になると、困るのが摂水、摂食です。この水と食事を助けてくれるのがシリンジです。

病院の先生からもらったシリンジ。二日で鼓太郎に破壊されました・・・。

わが家の鼓太郎の場合、1月の半ばに前庭疾患の症状を発し自立が困難になり、その後、一時的な回復でどうにか歩行できていましたが、1月末に再度発作を起こして、そこからはほぼ自立困難で寝たきり状態になりました。

私が支えてあげるとどうにか立ち上がって歩きますが、目を離すとよろけて転んでしまいます。危ないので、ほとんどの時間は寝たまま、時折、運動のために介助しながら歩かせるという状態です。

とても自分だけで、水を飲みに行くことも、ご飯を食べに行くこともできません。

もともと水をよく飲む犬だった鼓太郎なので、一時間おきくらいに、片手で鼓太郎を抱え起こし、もう片方の手で水飲み皿を近づけます。顎の下を水でびちゃにちゃにしながら、辺りに水をまき散らかしながらも、それでも初めのうちは水をどうにか飲めました。ご飯も私が手に取って差し出すと、この頃はカリカリフードを食べれました。

2016年2月 床の上で寝ていても、水が欲しい時は、少し手足をばたつかせて合図してました。

しかし、症状の悪化とともに舌の力がどんどん弱ってしまい、姿勢の維持も難しく、水飲み皿をちかづけても自力で飲むのが困難になっていきます。加えて、食事の方も難しくなります。鼓太郎の場合、寝たきりになって症状悪化とともに歯周病がひどくなり、固形物をたべることが難しくなってしまいます。ドライからドライをふやかしたもの、ソフトタイプ、缶詰、そして3月を迎えるころには流動食になっていきます。

水も飲めない、食事もとれないでは身体が持つはずもありません。その時、他の方のブログでシリンジのことが書かれていたことを思い出します。シリンジで水や食べ物(流動食)を口から流し込むわけです。

何処で購入できるか

シリンジをいざ入手しようとした時、意外に困りました。売ってない・・・。

一番はじめは、動物病院の先生にお聞きしたら、奥から一本持ってきて「これ差し上げます。お代はいりません」とくださいました。でも、二日も使ったら、使用中に鼓太郎が抽出口に咬み付き、あっけなく壊してしまいました・・・。認知症になっていたせいもあるかもしれませんが、この頃、口に入ったものは絶対離さないぞとばかりに、思いっきり咬みついてました。加減ができなくなっていたのかもしれません。

困って近所のドラッグストアへ駆け込みます。
「すいませんー、注射器ほしいんですが」
「注射器は販売できないんですよ」
「え?なぜ?」
「覚せい剤とか薬物の問題があるので・・・」
「あ、なるほど。でも注射針はいらないんです。胴体部分だけでいいんですが」
「すみません、うちには置いてません」
「はぁ・・・、どこで近くで売ってそうな所はありませんか?」
「ないと思いますよ」
役に立たない店と店員だなと思いつつ、他の違うドラッグストアにもあたりましたが同じ結果。

これは、また動物病院の先生にお願いするしかないか?あの時、お金払っていればお願いしやすいのに、払ってなかったし、たった二日で駄目にしたのも何か言いずらい・・・。

ならばネット通販で売ってるかも、と検索をかけます。シリンジと言う言葉を知らなかったので、注射器で検索してもヒットしませんでした。やっぱり、簡単に販売できないのかな、困った。

その後、暫くの間は、いろいろな代用品でなんとか凌いでましたが、その代用品も尽きてしまいます。再度、探すことに。

その時、ふと、人間の介護でもシリンジを使わないのかな?と思いつきます。最近はあまり見かけませんが、病人に使う吸飲みなどがある。吸飲みとは、人間が病気になった時などに使う水飲み用の容器です。ノズルの長いヤカンのミニチュア版。シリンジがなければ、吸飲みでも代用できそうです。

そこで、介護用品で検索

人間用の介護用品がずらずらと出てきます。あまりにも多く出てくるので、専門店のサイトへ。カテゴリ別に探していくと、・・・、ある!シリンジが!助かりました。介護用品のお店にすぐに注文しました。そして届いたのが3月18日

なお、シリンジで昨日検索してみると、今は、ずらずらとヒットします。

代用品をいろいろ試す

シリンジを入手できなかった期間、どのようにしていたかと言いますと、いろいろな代用品を試していました。

百均を覗きます。百均の商品は、そのままの目的で使うのもOKですが、イマジネーション次第で色んな使い道があります。何か代用できそうなものが閃かないか?

あるようなないような。その中で目に付いたのが2つ。

一つがドレッシング入れ。お店などでよく見かける、先端が細くなっているやつです。もう一つが、園芸コーナーで発見した、植木鉢に水をやるじょうろの変形版。ドレッシング入れと似たようなものですが、先端のノズル部分が長く、カーブしている。

この二つを購入。実際に使ってみると、じょうろの方が、水の出加減の調整がしやすく、こちらを使用しました。ドレッシング入れは、水の出加減が難しく、どぼどぼ出てしまい、鼓太郎が飲むペースに合わせにくかったです。

2016年2月 変形じょうろのノズルの先を鼓太郎の口の中に押し込み、胴体を押すと水が出る。鼓太郎は寝たまま、ゆっくり水を飲めました。

しかし、じょうろの方も命は一週間も持たず。鼓太郎、先端部分をまたまた咬みつぶしてしまいます。つぶれてしまうと水がでないので、その部分をカットして水が出るように、そしてまた鼓太郎が咬みつぶす。そうこうして居る内に、じょうろのノズル部分が毎日短くなっていき、最後は使用不可能に。・・・はぁ、それでも二週間くらいは使った記憶があります。

また百均へ向かいます。新しいのを買わねば。予備も含めて何本か

しかし、・・・。ない・・・。売り切れ?店員さんに聞きます。在庫もないらしい。百均は、よほどのヒット商品、定番商品でない限り、同じものが再度入荷することは期待できません。

うーん、どうしようか。暫くドレッシング入れで、床に水をこぼしながら対応するしかないか。

そこで、急におもいだします。たしか、以前、プリンターのインキ補充用セットを買った時に、インキをカートリッジにいれるために、注射器の胴体部分(シリンジ)が付属していたはず。探します。買ったものの、一度も使わず本棚の肥やしになってましたが、とりあえずシリンジを5本ゲットできました。容量が少ない小型なのが気になりますが、何度か繰り返し使えばいいか。一安心です。

流動食もシリンジで吸い上げて、鼓太郎の口の中に。

じょうろもなかなか良かったのですが、注射器型の方が、水の量の加減がやりやすい。この、5本のシリンジが大いに助けになりました。

シリンジは消耗品

思わぬところでシリンジを入手でき、これで一件落着と思いましたが、また違う問題が出てきます。

シリンジはもともとが消耗品なので、液体を押し出すポンプのゴムパッキンが繰り返し使用していると、だんだん劣化していきます。注射器胴体内をスムーズにポンプが動かなくなります。力をいれてもなかなか動かない、力加減が上手くいかず、ビュッと飛び出してしまいます。毎回、使用後に洗って干していましたが、だんだんと使用不可能になっていきます。

2016年1月 自立できなくなり寝たきりになりつつあった頃。角が取れた優しい顔つきだけど、少しやせ始めていました。

5本が4本になり、4本が3本になるとまたまた不安に。全部なくなったら、今度はどうしようか。百均で何か代用できるものがないか、毎回行くたびにチェックしていましたが、使えそうなものは見当たりません。

介護用品店からシリンジ届くが・・・

そうこうしているうちに、前述のネットショップを介護用品で検索して、シリンジを発見。早速、10本セットを注文。

この頃、すでに水だけでなく、食事も流動食になっていたので、毎回、3本くらいは使ってました。洗って乾燥するまでの時間を考えても、10本あれば当面は大丈夫。鼓太郎も、だんだんかみ砕かなくなってきた。慣れたということもありますが、咬む力がだんだん弱くなったという悲しい現実です。

そして、3月18日にシリンジが届きます。テルモ製の一級品だ。早速使用、ポンプもスムーズに。流動食も詰まらずに上手く口の中に。呑み込める量がへってしまい、半分は口から流れ落ちますが、それでも半分は胃に届いてるはず。よかったと安心します。

・・・でも、こうやって購入できたシリンジも結局、一日しか使うことはありませんでした。10本パックのうち使ったのは1本だけです。

次の日、3月19日、鼓太郎は空に昇ってしまいました・・・。


鼓太郎がいなくなってシリンジも使わないので廃棄しようと思いましたが、「いつか小夏が使うかもしれないなぁ」と思いとどまり、その時のシリンジはわが家の押し入れに今も眠ってます。ゴムパッキング部分が駄目になってるかもしれませんが、今は必要ないので、そのままにしています。

シリンジは、老化時と言うよりも、最後の時や病気の時に便利なものです。早々と常備することはないかもしれませんが、立ち上がれなくなったり、食事を上手く取れなくなった時にはものすごく助かります。寝た切りになってしまったら、シリンジは是非用意しておくことをお勧めします。

 

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