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「時代に合わせて変わり続けて来たからこそ、お客様から変わらず愛されている」

先日とある老舗料亭の店主が「時代に合わせて変わり続けて来たからこそ、お客様から変わらず愛されている」と言う言葉を耳にしました。この言葉は老舗の料亭に限らず、あらゆるサービスや企業にとっても、とても大事な考え方です。

同じことを続けているだけでは業績は下がるだけ

私は仕事柄、いろいろなお客さんから、相談を受けることが多いのですが、その中でもよく聞く言葉があります。「今までと同じことをやってるのに業績が下がる一方なんだよ」と。高度成長期の頃やバブル期は一定のサービスを提供していれば業績が自然と延びる時代でした。しかし、スマホでいつでもどこでも情報が入手できる時代になった今では同じようにはいきません。お客さんは常に、より安い、より良い商品やサービスを比較し、常に探し求めるようになりました。そのため、同じような商品やサービスが、他社でもっと安く入手する事が分かれば、お客さんはすぐに他社へ流れる時代になったのです。

ニーズではなくウォンツ

そこでもう一度老舗料亭の店主の一言を思い出してみましょう。「時代に合わせて変わり続けて来たからこそ、お客様から変わらず愛されている」この言葉にはどのような背景があるのでしょうか?常にその時代のお客さんのウォンツに合わせたサービスを提供することで、「このお店に来ればその時代に合った満足のいくサービスを受けられる」という信頼を得ているのです。そのため、お客さんは敢えて他を試してみようと思わなくなります。同時に「このお店を知り合いに紹介したい」と評価をされ、新しいお客さんの来店に繋がります。

老舗料亭も企業も同じ

これは企業にも同じ事が言えます。同じサービスを提供し続けていると、同類のサービスをより安い価格で提供する競合が必ず出現します。するとお客さんはその競合へと流れるか、他社がこの金額だから安くしろと値引きを持ち掛けてくるでしょう。

時代は変わっても伝えたいことは変わらない

そこで企業の営業マンはどうあるべきなのか?その時代のウォンツに合わせたサービスとはどういう事か?例えば印刷会社を例にあげましよう。印刷会社はポスター、チラシ、カタログ、雑誌など紙媒体を介して情報を伝える事をビジネスとしてきました。いわゆる情報伝達産業と言えます。ところが、パソコンやスマホの普及とともに紙媒体を使った情報伝達が減ってきました。しかしここで良く考えて欲しいのが、実は媒体が変わっただけであって、伝えている事は何も変わっていないということです。

例えばポスターは不特定多数の人にサービスの内容を短い時間で知らせる必要があります。限られたスペースの中でどのようにすれば効果的に情報を伝えられるのか、考察しながらポスターを作ってきました。時代がかわって、ポスターに代わってデジタルサイネージが増えつつある中、印刷会社の営業マンは紙のポスターだけにこだわっていては「今までと同じことをやってるのに業績が下がる一方なんだよ」と言うセリフを吐く事になります。

ウォンツに応える方法を考える思考能力が大事

印刷会社は紙のポスターのように限られたスペースで、どうすれば最も効果的に情報を伝えられるのかを考える思考能力とノウハウを持っているはずです。その思考能力とノウハウを持ってすれば、デジタルサイネージのようなメディアをどのように活用すれば、最も効果的に情報を伝える事ができるのか考えられるはずではありませんか?メディアが変わっても、伝えたい情報は変わっていないはずです。そのため、「最も効果的に情報を伝える方法を考える思考能力」を持ってすれば、デジタルサイネージを活用した最も効果的に情報を伝える方法を印刷会社は考えられるはずなのです。

紙媒体で培ってきた思考能力やノウハウを時代の流れに合わせて効果的なメディアで応用すれば良いのです。そうすることで、今までのお客さんも他社と比較をして離れることもありませんし、さらには新しいお客さんを紹介してくれる事でしょう。