G・Wに知床と網走に行ってきました!
私は道央に住んでいますが、知床って軽い気持ちで行ける距離ではない上にヒグマの聖地というイメージが強すぎて、”三毛別ヒグマ事件”が頭にこびりついている夫がおじけづき、いつも知床は旅行先のリストから外されていました。
一方で、私は近年“知床に行きたい熱”が沸騰寸前まで来ており、そろそろ夫を置き去りにしても知床へ…と思い『留守番よろしく!』と夫に投げかけました。(夫の性格上同行することは100%織り込み済み)
そしてこの度半ば強引に知床旅行を実行したのであります。
結果、夫も知床に魅せられ、癒されて帰宅し、今は『ゆくゆくは知床で暮らしたい…』とまで言うように。…変わり身の早い男です(笑)
今回は知床に2泊、網走に1泊の3泊4日の旅行に行ってまいりましたので、私が見てきた場所を余すところなくご紹介していきたいと思います(^^)
知床半島とヒグマ
知床は2005年7月17日に世界遺産に登録されました。
知床はアイヌ語の“シリエトク”(または“シレトク”、“シリエトコ”)が語源で、『大地の果てるところ』という意味です。
住所には『知床』という市も町も村もなく、“知床半島”全域を知床と呼んでいます。
知床半島を山脈に添って縦長に分け、北側が斜里町、南側が羅臼町です。
北海道の山岳地帯や山林地帯は基本的にはヒグマの生息域ですが、特に知床半島にはたくさんのヒグマが生息しています。
わが家では、ただ闇雲にヒグマを怖がるのではなく、ヒグマと人間との関係や、ヒグマの性質、ヒグマの生息地においてのルールなどを子ども達に知ってもらうべく、事前に知床財団発行の『しれとこのきょうだいヒグマ ヌプとカナのおはなし』という絵本を買って読み聞かせました。
この本のお陰で子どもたちの熊に対する意識は間違いなく変わりました。
それから、知床のあちらこちらで目にする“ソーセージ”と名付けられたメスのヒグマの悲しい末路が書かれたカードをご紹介します。
知床から帰る日、参拝目的で遠音別神社を探している最中に、たまたまこの写真の学校を見かけました。
ここで“ソーセージが殺されたんだな”と思うといたたまれなくなりました。
子どもたちの安全を確保することは人間としてはもちろん最優先です。
ですが、このヒグマがこんなに人間の居住区に接近するようになったのは、ヒグマや自然に対する人間の対応のまずさが引き金になっているのです。
人間はヒグマの土地に勝手に侵入し、好き勝手に歩き回って荒らして、知らんぷりして帰っているのです。
そんなことをみんなで話しながら知床半島をまわっていました。
人間達が勝手に“世界遺産”と名付けたその土地は、当然のことながら人間だけのものではない。
観光に来た私たちの考え無しの行動が、自分達の気付かぬところでヒグマやヒグマと共存して行きたいと考えている地元の方達を危険にさらしているかもしれない。
それに気づくことがまず第一歩です。
ヒグマは確かに怖い生き物ですが、ヒグマだって人間が恐ろしい。
人間の数とヒグマの数が逆だと考えてみると想像しやすいでしょう。
こんなにも人が増え、人が足を踏み入れる場所も広がり、移動手段もこれだけ増えれば、どうしたって人間とヒグマの接触は防げません。
だからこそ、勝手に熊のテリトリーに踏み入っている人間側で熊との距離を保てるよう熟慮すべきと思います。
せっかく知床に行ったのだから野生のヒグマを一目見たいと思いましたが、そのことでヒグマが人間に少し慣れることになるのなら、会わずに済んで良かったのだと思い直すようになりました。
次回につづく▷