血液検査 PT、APTT、PT-INR

①PT プロトロンビン時間 
参考値:10~12秒 活性%:80〜130%
外因系凝固活性化機序(Ⅶ・Ⅹ・Ⅴ・Ⅱ・Ⅰ)
血液凝固作用のあるたんぱく質に関連した検査値。 血液凝固因子は、13種類見つかっており、そのほとんどは肝臓で作られる。 
PT延長原因:肝不全、DIC、ワーファリン内服

凝固因子消耗にてPT延長(正常10~12秒)、抗凝固因子欠乏にてPT短縮となる。


②APTT 活性化部分トロンボプラスチン時間 
参考値:25.2〜40秒
内因系凝固活性化機序(Ⅻ・Ⅸ・Ⅷ・Ⅹ・Ⅴ・Ⅱ・Ⅰ)
APTTは、内因系の血液凝固能力を測定する検査で、内因系に関わる血液凝固因子のいずれかが不足しているか、機能が低下していると、APTTが延長する。
APTT延長の原因:ヘパリンの使用


●PT・APTT延長の原因

  • ビタミンK欠乏:凝固第因子はビタミンK依存性凝固因子のためビタミンKが欠乏するとPT・APTTは延長する。またビタミンKは脂溶性で吸収するには胆汁が必要なため胆道疾患があればビタミンKが吸収されず延長する
  • 肝不全:凝固因子は肝臓で合成されるため肝機能悪化で延長する。
  • DIC:全身性かつ持続的には激しい凝固活性化が生じ微小血栓が多発される。血栓の材料とされた凝固因子は消費され、延長する。


PTのみが延長APTTが正常の場合はⅦ因子活性低下が考えれる。先天性第Ⅶ因子欠乏症の可能性がある。
APTTのみ延長する疾患としては血友病Aによる因子低下、血友病Bによる因子低下。
抗菌薬投与による腸内細菌減少に伴うビタミンK産生低下によって延長することもある。


③PT-INR 
正常値:1.0。2.0以上はパニック値。
ワーファリン内服中は2.0〜3.0でコントロール。wf内服時4.0がパニック値
Afに対するガイドラインではINR 2~3でコントロールする。
PTを国際基準に合わせた検査値。主にWf内服時に用いる。
延長の原因はPTに準ずる。