よく「脳出血が心配で病院に来ました」という患者さんがいらっしゃいます。どのような場合に脳出血を心配するべきでしょうか?
脳出血の症状
脳出血の症状にはどのような症状があるか考えてみましょう。
脳出血は脳みそのどこかに出血する病気ですが、どこに出血するかで症状が決まります。
有名な症状としては、手足の麻痺、ろれつが回らない、言葉がうまく話せない、といったものがあります。その他にも、頭が痛い、視野が欠ける、手足のしびれ、めまい、意識がない、などの症状が出ることもあります。
脳はそれぞれの場所によっていろんな機能が割り当てられています。
大脳
大脳には、運動(手足を動かす)、感覚(感じる)、言語(言葉を理解し話す)、視覚(ものを見る)の中枢やそれらの伝達経路(神経線維)があります。そのどこかが出血でやられると、それに対応した症状が出ます。
小脳
小脳には体のバランスを司る機能があり、そこがやられるとめまいの症状が出ます。
脳幹
また大脳の神経線維が集まって一本の幹となってる脳幹には様々な神経が集まっていて、脳幹が出血するといろんな症状が複合で出たり、意識がなくなったりします。さらに、出血の量が多量だと頭蓋骨の中の圧(脳圧)が上昇することによって、頭痛、吐き気が出ます。
血圧
脳出血の際は血圧が上がることが多いので、上記の症状に加え普段よりも血圧が著しく高い場合は脳出血を心配したほうがよいでしょう。
手足の麻痺、ろれつが回らないといった症状は脳出血だけでなく、脳梗塞でも出ますので、救急車で病院に行ったほうがよいでしょう。