ローズマリーの木質化対策と増やし方:挿し木、取り木、茎伏せ、種まきの方法

 

ローズマリーの増やし方を紹介します。

特に挿し木はローズマリーの木質化の対策にもなりますのでおすすめです。

ローズマリーは丈夫で育てやすいハーブで、料理やハーブティー、アロマセラピーなど幅広い用途で活躍する身近で重要なハーブです。

1鉢あれば重宝しますが、ローズマリーは常緑低木でもあり、セージと同じく長く育てていると木質化してしまい、柔らかい新芽が出にくくなります。

そうなると樹勢が弱まり、やがてそのローズマリーの木は枯れてしまいます。

株を更新するためにも、ローズマリーの増やし方を知っていると役に立ちます。

 

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目次

ローズマリーの木質化について

木質化という言葉は文字から想像しやすいと思いますが、最初は柔らかく緑色だったローズマリーの茎がだんだん木の枝のように茶色く硬くなることを言います。

常緑低木なので、木になって当然ではありますが、成長した2年目、3年目の枝は木質化してきて柔らかい新芽はその部分からは出にくくなってきます。

ローズマリーを剪定したり、挿し穂を取るために枝を切る時に気をつけなければならないのは、この木質化した部分までローズマリーを切り戻してはいけない、ということです。

よほど枝が混み合っていて少し風通しを良くするために間引きたい、ということでなければ木質化したところまで切り戻すのはやめておきましょう。

理由は二つあります。

一つはローズマリーは木質化したところからは新しいわき芽が育ちにくいこと。

もう一つは、木質化したところまで切り戻すと、ローズマリーの木自体が弱ってしまい枯れ込んでしまう場合があることです。

木質化が進んで柔らかい新芽が育ちにくくなってきた場合は、株を更新して勢いのある若い株を新たに育てる必要があります。

 

ローズマリーの増やし方、挿し木、取り木、茎伏せ、種まきの違いについて

ローズマリーの増やし方には挿し木、取り木、茎伏せ、種まきの4つの方法があります。

それぞれの方法、手順はこのあと紹介しますが、4つの方法にはそれぞれ違いがあります。

この違いを知った上で自分に合った的確な方法でローズマリーを増やしましょう。

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ローズマリーの増やし方①挿し木

ローズマリーの挿し木は挿し穂をとるために親木の枝を剪定しますので、親木のローズマリーは、切られた枝に新しい脇芽がよく育ちます。

柔らかいよい葉茎をハーブとして収穫できる枝を増やすことができるので、それもメリットになります。

ローズマリーの場合は今年伸びた枝の先の緑色の部分を15〜20cm切り取って挿し穂として使います。

ローズマリーは木質化したところまで切り戻してしまうと弱ることがあるので気をつけます。

切り取った挿し穂の下の部分、2〜3cmの葉は全部取り除いて茎だけにします。

ローズマリーの挿し穂を最低30分以上水挿した状態で水揚げします。

水揚げする水に発根促進のためにメネデールを加えると発根率が上がります。

ミントなどの草本性のハーブに比べると、ローズマリーの挿し木は発根まで少し時間がかかったり、枯れてしまう挿し穂も出ますので、メネデールを使ってローズマリーの挿し穂の水揚げをするのはおすすめです。

水揚げしたローズマリーの挿し穂を肥料分の含まれていない清潔な土に挿して、発根するまで半日陰で水を切らさないように管理します。

肥料分を含んでいると雑菌も繁殖しやすく、挿し穂が腐ってダメになってしまうことがあります。

挿し木用の専用土や赤玉土の小粒、バーミキュライトなどを挿し床に使います。

ローズマリーの挿し木は発根までに失敗して枯れることもありますが、一度にたくさんの挿し穂を挿して増やすことができること、親株と同じ性質のローズマリーを増やして育てられるメリットがあります。

挿し木の適期はローズマリーの成長期である春と秋です。

他の時期でもできなくはありませんが時間がかかったり成功率が低くなりますのでおすすめはしません。

うまくいくと1ヶ月ほどで発根しますので、挿し床でしっかり根が回ってきたらポットに植えてローズマリーの苗を育てていきます。

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ローズマリーの増やし方②取り木

ローズマリーの取り木(茎伏せ)の仕方は正確にいうと二つやり方があります。

まず、1つ目の取り木の仕方ですが、ローズマリーの前年までに伸びた枝を選びます。

選んだ枝を切り取ることはせずに、枝の途中の部分の茶色くなっている樹皮を2cmくらいの長さに渡ってぐるりと剥がします。

樹皮を剥がした部分を湿らせた水苔でくるみ、乾かさないようにビニールやラップなどで覆い、紐で両端を縛ります。

時々水苔が乾いていたら水を足して、樹皮を剥がした部分から発根させます。

ビニールの上からローズマリーの根がしっかり出ているのが見えるようになったら、発根した部分も下で枝を切り取り土に植えて育てます。

こちらも春と秋が適期で、発根までは同じく1ヶ月ほどが目安になります。

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ローズマリーの増やし方③茎伏せ

もう一つのローズマリーを増やすやり方は茎伏せと呼ばれる方法です。

茎伏せは取り木の1つでもあります。

茎伏せは地ぎわを横に伸びて、地面に接地している枝、あるいは接地させやすい枝をそのまま土に伏せて針金などで上から動かないようにローズマリーの枝を固定し、土の中で発根させる方法です。

この方法も発根してからそのすぐ下の部分で枝をカットして、別のポットに植え付けます。

ローズマリーの挿し木は、挿し穂を一度にたくさん挿して増やせますが、取木、茎伏せの場合、一度に増やせる数はあまり多くありません。

ただし枝を切らずに発根させるため失敗がないこと、また割と大きな個体を新しい株として切り取って移植することができるメリットがあります。

ローズマリーの茎伏せは、匍匐生や半匍匐生ローズマリーだとわざわざ茎伏せをしなくても、自然に土に接地した部分の茎が発根しますので、そういう部分を見つけて枝をカットして新たな株として植え付けることもできます。

挿し木と同様、親株と同じ性質のローズマリーを新たな株として育てることができます。

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ローズマリーの増やし方④種まきから育てる

 

ローズマリーはこぼれ種でもよく育ちます。

種を買って種まきすることもできますし、すでにローズマリーを育てている場合は、放っておいても日当たりが良ければたくさん花が咲いてタネができます。

その種を採取して種まきしてもいいですし、種が落ちて株元で自然に発芽するものもありますので、それがある程度しっかり根を張った苗になったところでポットに鉢上げしてもよいでしょう。

3つのローズマリーの増やし方の中で一番楽なのは、この放任でこぼれ種から発芽したローズマリーの苗を鉢上げする方法かもしれません。

ただし、種から発芽するローズマリーは親株と同じ性質ではありません。

よほど意図的に受粉の管理をしない限り品種の特定ができませんし、親株の香りがいいからといって、種から発芽した株が同じようないい香りにはならない可能性もある点に注意が必要です。

また種まきから始めると初期生育がゆっくりで、大きくなるまで時間がかかることも頭に入れておきましょう。

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ローズマリーの増やし方、一般的なのは挿し木

ハーブショップやホームセンターで売られているローズマリーの小さなポット苗はほとんどと言っていいほど挿し木されたローズマリーです。

営利栽培でたくさんの株を育てる場合にはやはり挿し木が一番数を増やせて効率がいいのでしょう。

挿し木をするとき、成功率を高めるためにメネデールなどの発根促進剤を使うと成功率が良くなります。

メネデールは薄めて使う透明の液体で、みずで薄め希釈液に挿し穂を浸して吸水させてから挿し床に挿します。

挿し木はバジルやトマトのように、植物によっては水差しで簡単に発根させて定植できるものもありますが、ローズマリーはあまり水差しには向かないように感じます。

水に挿しておくと割と早くに発根はするのですが、土に定植したとき、水中から土への環境の変化に根が対応できるほど強さがなくて枯れてしまうことが多いです。

ローズマリーの場合は多少時間がかかっても最初から土の挿し床に挿した方が環境が安定していて発根した後の成長もスムーズです。

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ローズマリーは3〜4年に1回は株の更新を

最初の方でも紹介しましたがローズマリーは常緑低木で、何年かすると木質化してきてよい新芽が育ちにくくなってきます。

徐々に樹勢も衰えてきますので、3〜4年に一度は挿し木などで子株を増やして株を若返らせる株の更新をしましょう。

春に育つ若くて柔らかい新芽は料理やお風呂、ハーブティーにと様々な用途で楽しむことができます。

特に肉料理は煮ても焼いてもローズマリーを使うととても香りがよくておすすめです。

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