リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

ま・・・いっか

2020-03-01 05:45:00 | オヤジの日記

先週お伝えした、友人の極道コピーライター・ススキダの得意先の創立40周年パーティーは、無期限延期になりました。

 

楽しみにしていた方は、残念でした。

私もとても残念ですが、世の中の風潮には勝てません。

何しろ、ウィルスとはまったく関係ないのに、トイレットペーパーとティッシュペーパーが世の中から消えるというスーパーマジックが起きているのですから(首都圏だけなのだろうか。それなら、少し恥ずかしい)。

 

人類史上最も馬に激似の「お馬さん」から悲痛なLINEが来た。

「Mさん、地獄です。マスクは手に入れましたが、消毒液とトイレットペーパー、ティッシュペーパーが底をつきそうです」

お馬さんは、馬史上最も潔癖な馬でもあった。

お馬さんとは、20年近い付き合いだが、知り合ったときから、絶えず除菌スプレーで身の回りをシュッシュしていた。

トイレは大も小も家でなければできない。電車のつり革に掴まれないから、お馬さんの移動はいつもボルボだ。

やむを得ず外食するときは、消毒済みのマイ箸、マイスプーン、マイフォーク、マイナイフ、マイマグカップを持参爺さん。

窮屈な生き方をしているとは思うが、それがお馬さんの個性なのだから、批判は野暮というものだ。

お馬さんは、それでいいのだ。

 

我が家には、奇跡的にも偶然にも空前絶後にもファインディングニモ、トイレットペーパーとティッシュペーパーの在庫が少々あった。

ティッシュペーパーは、重い花粉症のヨメと息子が、各自ストックしていた。

トイレットペーパーは、この集団ヒステリーが始まる大分まえに、杉並の建設会社社長が予言したのだ。

「最近の日本人はバカだろ。絶対にデマに踊らされるぜ。俺は、オイルショックのときと同じことが起きると思っているんだ。俺んところは、何かあったときのために、レトルトやら薬、飲料水、毛布、調理器具やらを備蓄してるんだよ。トイレットペーパーもティッシュペーパーもな。先生、なんか欲しいものがあるかい」

私は、お尻を拭く回数が人より多いので、トイレットペーパー24ロールと除菌ティッシュ二箱をもらうことにした。

そのうちの12ロールと息子が備蓄しておいたティッシュペーパー5箱、除菌ティッシュひと箱をお馬さんに差し上げると提案した。

 

ヒヒンヒヒン、とお馬さんは喜んだ。

だって、友だちだもの、馬だもの。

 

金曜日、ボルボで国立駅前までやってきたお馬さんに、トイレットペーパーとティッシュペーパー、除菌ティッシュを贈呈した。

そのとき、お馬さんが言った。

「Mさん、何かお礼を。何がいいですか?」

私は、格好をつけて、数百円程度のものに礼はいらないですよ、と答えた。

そうすると、お馬さんが突然ハグをしてきた。

潔癖症のお馬さんとしては、とても珍しいことだ。

おそらくお馬さんが馬以外とハグをするのは、奥さんと息子さん、お孫さんだけだろう。

 

このとき、私は不謹慎なブラックジョークを言った。

いいの? オレ、色々とバイキンだらけだけど。

我に帰ったお馬さんは、バッグから除菌スプレーを取り出して、自分の全身に振りまいた。

そして、最後に私の全身にも振りまいた。

 

オレ、完全にウィルス扱いじゃん。

ウィルスじゃないよ、バイバイキンだよ。

 

 

今の日本人は、考える能力が、著しく衰えている。

デマゴギーを自分の中で処理する能力がかなり劣っている。能力を養っていないから、SNSの根拠のない情報を簡単に信じる。

それは、SNSパンディミックと言っていい。

金曜日、お馬さんに会うまえに、自転車の荷台にトイレットペーパーとティッシュペーパーを積んで、無表情に自転車を漕いでいる人を何人も見た。オイルショックの教訓は何だったのか、とため息が出た。

それを「浅ましい」ということはできない。むしろ「たくましい」というべきか。

どんなときでも、「俺は」「私は」生き残るぞ、という覚悟さえ感じる。

それは、昔も今も変わらない。

そして、考えることを放棄していることも変わらない。

 

ただ、昔のデマは口コミで伝わった。時間差があった。

しかし今のSNSパンディミックは、1秒2秒ですぐに伝染する。

1秒2秒では、善悪を考えている余裕なんかない。

「よっしゃ、トイレットペーパー買い漁るぞー」とすっ飛んでいける。たとえば、夫や娘に「あんたらも頑張れー、負けるなぁ!」とSNSで命令できる。

その結果、あっと言う間に売り場は、スッカラカン。

 

その状態を見て、買い漁った集団ヒステリー人間は、多少反省はしたとしても、最後は「ま・・・いっか」で終わる。

とは言っても、国民の「ま・・・いっか」は、まだ害が限定的だ。

それに対して、政治家や役人の「ま・・・いっか」は、困る。国民の命や生活がかかっているからだ。

「ウィルスを水際で防げなかったけど、ま・・・いっか」「クルーズ船で、感染者が想定以上に増えたけど、ま・・・いっか」「陰性の乗船者を降ろして、あとで陽性になっても、ま・・・いっか」

 

「日本全国に感染者増えたけど・・・」

 

このあと続けて、「ま・・・いっか」は、やめてくれませんかね。

色々と対策は練ってくれているようですが、すべてが遅いですよね。

PCR検査、真面目にやる気あるんでしょうか。特に、東京都が北海道より感染者が少ないなんて、人口比率を考えたら不自然すぎます。

PCR検査を真面目にしたら首都圏の感染者の数が、爆発的に増えるのが厚生労働省は怖いのだろうか。

自分たちの責任になるから。

美味しいものはいくらでも背負うが、都合の悪いものは黒マーカーで隠す人たちですからね。

 

日本の政治家(野党も含めて)、役人は、有事のときに、悲しいくらい役に立たない。

このままでは、東京はウィルス感染街区になる可能性もある。

中国の対策の方がマシだったよね、と言われるのも時間の問題だ。

無能が有能になるには、相当な時間がかかる。

だから、これをきっかけに、有権者が保身しか頭にない政治家を見極めて見捨てて突き落とす非情さを覚えたらいいと思う。

 

今年は、桜を見る余裕はないだろうから、誰かさんは、その分ウィルス退治に力を入れてくださいな。

 

そして、うまくいかないからと言って、国民のせい、関係者のせい、官僚のせい、マスメディアのせい、Everybody Say ! にするのは、やめてね。

話をはぐらかしたり、感情的に野次るのも、やめてね。

 

 

でも、誰かさんが、この国の最高責任者を辞めるのは、私は「ま・・・いっか」です。

 

 


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