リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

国立の女闘士

2020-06-28 05:40:06 | オヤジの日記

土曜日、久しぶりにランニングをした。国立の大学通りだ。3ヶ月半ぶりくらいだろうか。

申し訳ないが、走っている間、マスクはしなかった。走る時間は、もっとも人通りが少ない早朝を選んだ。

200メートルに一人くらいしかすれ違わなかった。土曜日ということもあって、密密密は避けられたようだ。

 

走った距離は、約5キロ。

3ヶ月前だったら、余裕で20分前後で走れた。しかし、今回は24分かかか勝った、負けた。

キツかったぜよ。特に膝にきましたね。

家で腿上げやスクワット、腹筋、ストレッチを週に3から3回していたとはいえ、ランニング用の体はキープできなかったようだ。

所詮、家でやるトレーニングは現状を維持するだけで、スポーツをする体は維持してくれない、ということがわかった。

きっと、若い人なら違うんだろうな。

ルームランナー、買おうかな。

 

朝6時前に家に帰ったら、娘がトイレから出てきたところに出くわした。

「おお、ランニングという現実逃避から帰ってきたのか。今日の朝食はエッグベネディクトとタマネギ、マカロニのコンソメスープを希望するぞ」

まかせとけ。

ところで、6月24日は娘の誕生日だった。今年、ホニャララ歳になる。

24日の夜に誕生パーティーをしようと思った。しかし、娘から「24日は、まずいな。おまえの作るバースデーケーキもまずいが。25日の11時から、企画会議があるんだ。その企画の提案をまとめるために、夜は引きこもりだ。悪いが、25日の夜にしてくれないか」と言われた。

娘は、鉄道関係の会社の広報課に勤めていた。

月に2回、鉄道や沿線にまつわる小冊子を2冊発行している。その企画案を毎月25日前後に全員でまとめるのである。

 

娘の課には、11名の社員がいた。その全員が出勤するわけではない。5人が出勤したら、残りの6人はリモートで参加するという方式だ。今回は、娘が出勤する順番だった。

会議が終わって、5時過ぎに娘は、新宿から中央線に乗った。車内は空いてはいなかったが、娘は座れた。

その向かいに、20代と思われる女性が座っていた。その隣には、30代半ばのサラリーマンっぽい人が座っていた。そして、その男は居眠りをしていた。絶えず、女性の側にもたれるように寝ていたという。

女性は、それを嫌って左肘で、もたれかかる男を何度も押し返したが、男は酔っているのか、相当でかいイビキをかきながら気づかないままだ。

その状態がよほど鬱陶しかったらしく、女性はその状態を打破するため、いきなり立ち上がって、左手で思い切り男の頬を張った。吉祥寺駅をすぎたばかりだった。女性のまわりの乗客、全員が驚いた。男は、座席からずり落ちそうになりながら、目を覚ました。

目の前には、仁王立ちになった若い女性がいた。

そして、女性がドスのきいた声で言った。

「こんな時期に、あんた、人に寄りかかって寝るんじゃないよ。自覚がない男は電車に乗る資格はないよ」

我に帰った男は、女性につかみかかろうとしたが、隣に座った体格のいい30代前半の男に肩を思い切り抑えこまれて身動きができなくなった。男は、柔道の経験者だったのかもしれない。居眠り男は、完全に体を封じられた。

押さえつけた男が言った。「相手は、俺がしてやる。次の駅でホームに出ようぜ」。

男は大人しくなって、三鷹駅でひとりで降りたという。若干の大悟ノブ足千鳥足で。

 

この場合、何にでもクレームをつける人は、女性がいきなり男の頬を張ったことを非難するだろう。

「そこまでしなくてもいいだろう」「この場合、他の席に移るのが常識だ」「場合によっては、暴行罪で訴えられても文句は言えないぞ」

はいはい、お利口な人たちだね。ごもっとも、ごもっとも。これからもお利口でいてくださいね。

そのあと、車内は何ごともなく、穏やかな空気で駅にたどり着いては、動くことを繰り返したという。

娘が言う。「暴力はいけないけどな。酒飲んで居眠りして、当たり前のように寄りかかるって、どうなんだ。酒飲みは、なんでも許されるのか。全然微笑ましくなんかないよな」

「それくらい我慢してやれよ、っていうのは寄りかかっている側の意見だよな。寄りかかられている側の迷惑は想像できないのか。想像できない側の意見を押し付けられたら、ボクも天誅だな。とはいっても、現実問題として、ボクには、その場所を逃げることしかできないけどな」

そうだね。張り手は、思いつかないな。俺だったら、脇をくすぐるのが精一杯だな。

「でもな、見ていて妙にスッキリしたんだよね。まわりの乗客もスッキリした顔をしていたからな」

なんでも批判の目で見るお利口な人たちには、そのあたりの感情は理解できないだろうな。お利口さんお利口さん。

ちなみに、女性は娘と同じく国立駅で降りたという。

娘は、男前なその人の後ろ姿を見て、密かに「国立の女闘士」と名付けた。

 

帰ったら、誕生パーティー。

いつもはケーキは、私が作るのだが、どうやら秋田飽きたらしいので(確かにワンパターン)、今回はケーキ屋さんで買った。

20ホニャララの蝋燭を立て、「法被バスデイ、燈湯」でお祝いした。

食い物は、娘のリクエストで中華だ。餃子、パラパラチャーハン、油淋鶏、春巻き、春雨の中華サラダを作った。

「うまいな。特に油淋鶏が。おまえ腕を折ったな」

そうなんですよ。腕を折った結果、腕が上がりました。折ったのは26年前のことですけどね。関係ないか。

 

プレゼントは、娘のリクエストに従って、アイロンにした。立てかけた洋服にスチームを当ててシワを伸ばすというやつだ。「これは楽チンだ」と娘は喜ころんだ。

ヨメは、化粧品。息子はNintendo Switch用の持ち運びケースを笹下駄捧げた。

「誕生日は、儲かるな」と娘は喜んだ。

「毎日が誕生日でもいいぞ」

そうなると歳が2万歳を超えるぞ。

 

 

土曜日、我が愛猫セキトリの四十九日だった。

「あまり派手に飾らない方がいいよ。余計に悲しくなるから」と娘にいわれたので、地味に追悼した。

ミニひまわり2本とナンチャラいう花、チャオちゅーるをミニ祭壇に供えた。

 

セキトリ、もう生まれ変わってもいい頃だよな。

お父さんは、最近、いつも道を歩くときは、下を向いているんだ。段ボール箱を見ると、ふたが開いていないか、鳴き声が聞こえないか調べているぞ。

生まれ変わったキミを見逃さないように、双眼鏡まで持っているんだ。

今日も出かけるぞ。

 

 

馬鹿だと思うでしょ。もちろん、バカですよ。

 

 



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1 コメント

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おめでとう (鮎)
2020-06-28 06:24:15
お早う御座います。
日々、お立ち寄りありがとうございます。
この度は、お嬢様のお誕生日おめでとうございます。
誕生祝いのプレゼント手掛けアイロンとはいいですね。
お嬢さんだけに、おしゃれに気を使ったおられること
わが家の孫娘と同じで、ほほえましいことですね。
お誕生日お迎えになられるたびに成長なされるお嬢さんにはパパの心境も喜びと、ちょっぴり危機感を感じておられるのでは、子は宝大いに巣立っていく我が子を
見守っていきましょう。ありがとう

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