リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

カノウセイ

2020-06-21 05:39:00 | オヤジの日記

新型コロナのせいで、得意先の仕事が1つ止まっていた。

しかし最近、担当者から「7月になったら、動き出しそうです」というメールをいただいた。

ありがたや。

 

仕事が止まったことにより、週に半日間くらいの余裕ができた。

私は、その時間をウォーキングに使ったり、知人とのリモート会話に使ったり、料理の下準備に使ったり、風呂に浸かったりした。

そして、今まで週に1回だったブログの更新を2回に増やした。

だが、中止されていた仕事が復活すると、この半日間の余裕が消える。

週に2回など誰も期待していないから、いちいち告知する必要はないと思うが、またブログが週に1回の更新に変わる可能性がある。

 

カノウ姓、と言えば、知り合いにカノウという姓の人が2人いる。

ただ漢字が違う。一人は「叶」で、もう一人は「狩野」だ。

私が住むマンションのお隣りに住んでいるのが、「叶」さん。

頻繁に顔を会わせるわけではないが、廊下やエレベーターで出くわしたときは、1分18秒くらいは立ち話をする。

わざわざ「自分、42歳です」と名乗ったから、きっと41から43歳なのだろう。

個人情報は謹んだ方がいいことは承知だが、カノウさんは頭のてっぺんが薄かった。私より15センチくらい背が低いので、話をしていると、つい目がてっぺんにいってしまうのだ。

「昨日、仕事が忙しくて終電を逃してしまって、社用車で帰ってきました」ほうほう。「娘の行っている保育園が再開したんですが、いろいろと制約が多くて、娘が『つまんない』と駄々をこねるんですよ」ほうほう。「アベノマスクやっと届いたんですけど、僕、顔がでかいから、滑稽にしか見えないんですよね。女房は『ダサイ』と言って付けたがらないし、最終的にバラして子ども用マスクにしようかって」ほうほう。

カノウさんは、私がほとんど、ほうほう、としか答えていないから、私のことを「ほうほうオジサン」か「ほうほうオブジェ」と思っているかもしれない。

 

昨日の朝もカノウさんとエレベーターで出くわした。

カノウさんが言った。「最近マスクをずっとしているので、口まわりにでき物ができて、つらいんですよね。暑さは堪えますね」。

頼みもしないのに、マスクをとって見せてくれた。見たくはないブツブツが、たくさんあった。

痒そうだ。可哀そうだ。カワウソだ。

と思いながら、カノウさんの頭のてっぺんを見たら、おや、少し毛の量が豊かになっているぞ。

まだ地肌は少々見えるものの1ヶ月前よりは、密になっていた。この密は、許される密だろう。許密。

いいシャンプーを使い出したのだろうか。それともリアップであろうか。あるいは、子どもに頭を叩かせて毛根を刺激したのか。

ほうほう。そうかのう。

 

もう一人のカノウは、高校大学時代の同期「狩野」だ。

カノウは、大学を卒業して、気象庁に勤めた。しかし、30過ぎに、ご両親の具合が悪くなったこともあって、気象庁を辞め、一家を引き連れて故郷の富山県高岡市に戻った。

家業の理髪店を継いだ。しかし、彼は理髪師の免許を持っていなかったので、現場は他の人に任せ、彼は理髪店の隣りの自宅を一部改良して、昔からの念願だった模型店を開いた。

市販の模型も売ったが、手先の器用なカノウは、自分で設計して成型した模型を作って店先に展示した。

飛行機、帆船、スポーツカーなどが多かったという。

評判はかなりよかったらしい。本当かどうか知らないが、カノウは、狩野派の流れをくむ人が先祖だという。だからか絵もとてもうまかった。

その後、彼が富山に移って3年経ったころ、ご両親が相次いで亡くなった。

彼は迷うことなく、奥さんと女の子を連れて東京に戻った。

理髪店は人に譲り、模型店は畳んだ。

「俺が妻と子を無理やり連れてきたから、リセットしないと悪いと思ったんだ」

 

東京に戻ったカノウは、親の遺産の半分を妹に渡し、残った金でCDショップを開業した。山手線高田馬場だった。

当時レコードからCDに移行して5年くらい経っていた。

儲かっていたかは、興味がないから知らない。ただ、残った遺産をもとにローンを組んで、目白のマンションを買ったというから、ホニャララだったのだろう。

しかし、カノウは、いずれCDも下火になって、違う音楽媒体の波が来ることを見込んで、12年前に店を閉めた。

そして今、カノウは自宅で、手先の器用さを活かして、真鍮のアクセサリーやオブジェ、立体的なアート作品を作っていた。通販だけの販売らしい。

儲かっているかは、興味がないから知らない。きっと、ホニャララだと思う。

本物の才能があるっていいな。うらヤラシイな。

 

カノウとは、4年前まで、年に1回会うか会わないかだった。

しかし、最近は、パソコン内でよく会話をするようになった。

「マツ、おまえ、白髪が増えたな」

貯金は増えないけどな。チョキーン! 老後が心配ダンス。

「でも、髪があるだけいいさ。俺なんか、40前から頭皮がスカスカだぜ」

(俺だったら、金があれば、スカスカでもいいが)

確かに、カノウの頭皮はずっとスカスカだった。

だが、この2ヶ月のひそかな経過観察によると、カノウの頭皮が少し密になったような気がする。

いいシャンプーを使い出したのだろうか。それともリアップであろうか。あるいは、子どもに頭を叩かせて毛根を刺激したのか。

ワカメを主食にしたという可能性もある。

毎日、生卵で頭皮をマッサージしている可能性もある。

あるいは、頭皮がスカスカなのは、実は擬態で、その下には本物の毛が隠されていた可能性もある。

どのカノウが、本当なのだろうか。

 

ただ、「増毛」という最新技術を導入した可能性も否定できない。

 

 

はたして、2人のカノウは増毛をしたのか。

 

 

その可能性を探るのは、カノウだろうか。

 

 


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