夏野菜の代表選手のトマト。鮮やかな赤色が食欲をそそり、ほのかな甘みを味わえるこの野菜が私は大好きです。取れたてのトマトはとってもジューシーで美味しいですよね。また、ミニトマトは家庭菜園でも簡単に作ることができるため、プランターや庭で育てている人も多いですね。

ところが、作ってみたはいいもののたくさん取れすぎて余ってしまった、近くの人に配ってもまだ食べきれないほどある…といった経験はありませんか?少しだけのつもりが、思ったよりも生育が早くて食べても食べても追いつかない、毎日毎日トマトばかり…と私の親が嘆いていたことがあります。

実はこのトマト、冷凍保存できることをご存知でしたか?しかも面倒くさい下処理が不要で、冷凍庫に入れておくだけで美味しさをキープできるのです!もちろんミニトマトもOK。特売という誘惑にのって買いすぎたときや、実家からたくさん送られてきたときなど、手元にたくさんあるトマトを冷凍保存してしまいましょう。

そして、ここでは生のトマトと冷凍トマトの栄養素の比較や、栄養が逃げない解凍方法をご紹介しちゃいます!

冷凍トマトの栄養素は生のトマトと比べてどうなの?


トマトの栄養素といえば、赤色の元となるリコピンやβ-カロテンですが、その他にもビタミンCやビタミンE、カリウム、食物繊維等をバランスよく含んでいます。

野菜は新鮮なものが一番いいと言われていますが、これは本当に畑から収穫してすぐのお話です。この瞬間の味が最も良く、栄養素が豊富に含まれていることは言うまでもありません。しかし、スーパーなどの小売店では収穫してからお店に並ぶまでに2~3日経過してしまっています。その間にも野菜は成長し、葉や実に蓄えた栄養素をどんどん消費してしまうため、味や栄養が落ちていきます。野菜を購入した後もしばらく常温中や冷蔵庫で保管していると、さらに栄養素は減ってしまいますので、必然的に摂取できる栄養は少なくなってしまいます。

一方、収穫してから早い段階で冷凍保存した野菜は、その時点から栄養素を失うことなく保存されるので、生野菜よりもビタミンや抗酸化物質をたくさん摂ることができると言われています。トマトも同様で、冷凍保存したものはリコピンやビタミン類などの栄養素や、旨味成分が凝縮されたまま残っています。なので、生のまま冷蔵庫に入れておくよりかは、早いうちに冷凍保存した方が栄養素をキープできるということになりますね。
ちなみに、トマトは冷蔵保存すると10日程度しか持ちませんが、冷凍保存だと1~2ヶ月ほど保存が可能だそうです。栄養素を保ちながら日持ちさせることのできるトマトの冷凍保存は、とても有用であることがわかっていただけたと思います。

冷凍トマトの自然解凍はNG


トマトを冷凍することによって、栄養素を保ち続けることができ、さらに日持ちさせられることがわかりました。では、その栄養素を逃がさずに食べるにはどうしたらよいのでしょうか?

肉の場合、凍ったまま調理すると中身と外側の温度差により焼き方にムラができてしまいます。また、常温で解凍すると肉汁が外に出てしまうため、低温でじっくり解凍させてから調理した方が良いと言われています。

トマトを冷凍すると、旨味を多く含む真ん中のゼリー状の部分と身の部分が一体化し、一層旨味を感じやすくなるようです。これを利用して、カルパッチョや豚しゃぶなんかに凍ったままのトマトをくずしてかけるのもいいですね。

また、抗酸化作用があり老化防止に効果があるとされているリコピンは、加熱調理することによって吸収率が増えると言われています。栄養素が凝縮された冷凍トマトを加熱したら、スープや煮込み料理に大活躍すること間違いなしです。

ただし、万能な冷凍トマトも、自然解凍してしまうと組織が壊れて水分と一緒に栄養素や旨味が外に出てしまうので美味しくなくなるのだそうです。よって、冷凍トマトの場合は凍ったまま調理をしてしまいましょう。もし、冷凍トマトが解けていて水が出ていたら、ぜひ調理に使ってください。そうすると、栄養素や旨味を逃がさずに済みます。

まとめ

  • トマトを冷凍すると、その時点から旨味成分や栄養素は失われず保たれる
  • 冷凍トマトはゼリー状の部分と身の部分が一体化しており、一層旨味を感じやすくなる
  • 自然解凍してしまうと、水分と一緒に栄養素や旨味が外に出てしまうので不味くなる

旨味や栄養素を凝縮できて、日持ちもする冷凍トマト。凍ったまま刻んだり加熱したりできますので、解凍する手間暇もかかりません。トマトが余ってしまった場合にぜひ試してみてくださいね。

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