それ、問題です!

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国語新辞典 政治家の言葉

2020-03-25 19:00:33 | 教育

 今に始まったことではないが、国会中継や不祥事の当事者である政治家の言葉を聞いていると、正統国語辞典の語義を見ていては、到底理解しえない言葉が多々ある。そのうちのいくつかを取り上げてみよう。

【仰るとおり】不都合な事実を自分の口から表現したくない場合、相手の言葉に便乗する時に用いる。「俺は口にしたくもないが、あんたのいう通りかもよ。」の意味。

【個別の事例、個別の案件】具体的事例・案件に踏み込んで言及することを避ける言い訳として用いられる表現。かつて法務大臣が地元で浮かれて発言し、有名になった。

【重く受け止める、真摯に受け止める】「一応頭に入れておきます」と同義。

【しっかり】「一応」の意味。

【粛々と】雑音や異論、正論には耳を貸さず。自分のやり方で進める時に用いる。

【シュレッダー】都合の悪い情報を「無いことにする装置」。具体的に粉砕するかどうかは問題外。

【整合性】言っていることや証拠相互の関係が矛盾しているかどうかを表す言葉。この言葉が使用される場合、相互に矛盾していることがほとんど。

【注視する】行動せず,、見てるだけの意味。

【長期政権】物理的に長く続いた政権。腐敗、劣化することが多く、「凋」期政権という表記がふさわしいこともある。

【体調不良】不祥事を起こした政治家が、窮地を脱する合図にする言葉。本当に体調が悪いかどうかは問題外。

【丁寧に】丁寧に説明するという文脈で用いられることが多いが、聞き手が納得することは、ほぼない。

【データの削除】不都合な真実を「ないことにする」行為。関連語は【シュレッダー】。

【法治国家】『広辞苑』では、「国民の意思によって制定された法に基づいて国家権力を行使することを建前とする国家。」とあるが、為政者の思いつきで国家の意思決定がなされることの少なくない当今は、法に目もくれない【放置国家】が適切かもしれない。

【「募集」と「募る」】日本の政治家の読字能力の低さを証明することになった事例。「死亡はしていないが死んでいる」などとSNSで揶揄された。文科大臣の発言でなくて幸いであった。PISA調査で,日本が世界15位だったことを嘆くには当たらない。

 


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