それ、問題です!

引退した大学教員(広島・森田信義)のつぶやきの記録

公私混同?

2019-08-11 01:33:48 | 教育

 かつて、女性国会議員(複数名)が、ファッション雑誌か何かのグラビア写真を撮影するために国会議事堂を使ったというので批判されたことがある。思い上がった、見苦しい行為であった。

 このたび、自民党議員の小泉氏が、総理官邸で、自らの結婚発表をした。テレビ各局は、いずれも大騒ぎで報道していた。この報道に接して、「なぜ官邸?」という疑問を抱いた。これは私だけではあるまい。どの局だったか、官邸を選んだ理由として、「多くの皆さんに知っていただくのに最適の場所だと思った」という趣旨の言葉を引き出していたが、純粋に私事である結婚の発表と記者会見を、公的な場である官邸でする必要は全くない。多くの人に、結婚の報告をするのは、国会議員が是非ともしなくてはならぬことではない。タレント気取りであることが情けない。

 もっとも、官房長官や総裁に結婚の報告に出かけ、その折に、官邸詰めの記者連中に捕まって、急遽、結婚の報告に来たことを明らかにしたということかもしれないが、記者会見の様子からは、突然の、間に合わせの出来事のようではなく、それなりに準備されたもののようであった。

 小泉氏の結婚は、それはそれとして目出度いことではあろうが、公的なものではない。いかに人気があろうが、純粋に私的なできごとなのである。わが国のメディアの取材能力の低劣さは今さらいうまでもないが、ありがたがってばかりいないで、わずかでも、公私の分別に関わる質問や意見を表明してみてはどうだったのだろう。

 ついでに、官邸で、新婦(会見時点では婚約者)は妊娠中であることなど、私事中の私事を明らかにする必要があったのかどうか。世間では、タレント、政治家等が、病気になると当然のように公表するが、そんな個人的な情報を公にする必要がどこにあろうか。

 個人情報尊重の動きの一方で、なんと安易に、また時に積極的に個人情報を垂れ流しているのだろう。


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