【奈良県】御所市
重伝建並みの町並み/市松模様にうっとり/正岡子規ゆかりの柿
大和郡山を後にして最後に訪れたのが奈良県御所市。
「ごしょ」ではありませんよ、「ごせ」と読みます、読めましたか?
奈良県の中西部に位置する御所。
江戸時代初めに関ケ原の合戦で戦功を収めた桑山氏が入ったが、改易後は天領となって代官所が置かれます。
その陣屋町が葛城川の西側にあったのだが、一方で反対側の東側も一向宗円照寺の寺内町として街が発達。
それぞれ「西御所」「東御所」と呼ばれて街の成り立ちこそ異なるが、それらをまとめて「御所まち」と呼ばれる古い街並みが今も残しています。
今回は立ち寄らなかったが近くの「今井町」や「五條」といった国指定の重伝建と比べても遜色ない古い街並みを散策しました。
最寄駅は御所駅、JR和歌山線と近鉄御所線が入っていますが、交通の便としては間違いなく後者。
1時間に4本も電車が入るうえに、大阪天王寺から1時間弱とアクセスはさほど悪くないので、大阪のベッドタウンにもなっています。
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近鉄御所駅から目的の「御所まち」へは、まず「新地商店街」と呼ばれるアーケード街を通る。
「新地」という名前からして、かつて花街とかがあったのだろうか
時間があったらじっくりと回りたかったところなのだが......
新地商店街に入ったものの、買い物客がほとんど見かけない。
潰れてしまった昭和なパチンコ屋さんも残っている。
アーケードが切れた辺りから古い町家が見られるようになる。
町家の前に置かれている巨大な石は、風水で邪気を受け止めるといわれているらしい。
西町の街並み。
かつて「モリソン万年筆」を製造していた蔵がカフェとして利用されている。
「モリソン万年筆」は大正7年に創業し、関西を中心に愛されてきたが、昭和45年に製造を中止している。
西久保の街並み。
この町家には古い瓦がたくさん使われている。
御所まちの町家で使われている瓦は、ここから東南2㎞にある「柏原」で製造されてきた。
西久保の街並み。
東御所のメインストリートだった本町の街並み。
本町の造り酒屋「油長酒造」。
玉楠が下がる伝統的な店蔵。
その向かいが近代的な醸造タンク。
享保4年創業という伝統的な酒蔵も、近代的な技術を取り入れながら酒造りを続けている。
スクラッチタイル貼りに恐らくパタパタ窓という外観がレトロだ。
葛城川で東御所と西御所に分れるが、東御所にも古い街並みが見られる。
ここからが東御所。
町家の軒下に神様が2体。
(訪問 2019年7月)