【福島県】会津若松旧市街「七日町」を歩く(その2) | 日本あちこちめぐり”ささっぷる”

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休日に街をあてもなく歩き回って撮った下手糞な写真をだらだらと載せながら綴る、お散歩ブログ。
東京や近郊メインも、ごくまれに遠方にも出かけています。
観光案内には全くなっておりませんのであしからず。

【福島県】会津若松

 

前回に続いて、会津若松の旧市街、「七日町」周辺を歩きます。

戊辰戦争で荒れ果てた城下町を復興させた原動力となったのが、古くからの有力商家たちでした。

喜多方と同様に短冊状に敷地を持ち、奥にも蔵を構える一方で、蔵造りの商家だけでなくモダンな近代建築や看板建築が七日町通りを中心に並ぶようになります。

ところで、戦前の会津若松は、日露戦争の際に第13師団歩兵65連隊が置かれ、日中戦争時には仙台から第2師団歩兵29連隊も異動してきたことで、会津きっての軍都でもありました。

前回取り上げた「磐見町遊廓」も恐らく軍の需要や要請もあって置かれたのだと思います。

しかし、大東亜戦争では運よく戦災を免れるのですね。

そのおかげで戦前の古い街並みが多く残っているのです。

 

*  *  *

 

 

前回の池田種苗店は2連のアーチ窓でしたが、こちらは3連のアーチ型窓。

やはり昭和初期に建てられたものでしょう。

 

 

会津若松には、通りにモダン建築、奥に蔵を構えるという形が特に多く見られます。

七日町通りがかつての繁華街として人通りが多かったので、見栄えよくしたのでしょう。

 

 

和風の店構えながらモダンな窓を持った建物。

実は最近まで「レオ氏郷南蛮館」という名前の資料館でした。

元々は大正時代に建てられた洋品店だったそうです。

 

 

中央がアーチ窓で、再度に長方形のステンドグラス張りの窓、何となく教会をイメージしてしまいます。

実はレオ氏郷とは鶴ヶ城主だった蒲生氏郷の洗礼名。

氏郷はまた、キリシタン大名でもありました。

 

 

さて、ここからは七日町通りを代表する建築物が目白押し。

まずは手前の「第二塚原呉服店」から。

 

 

前回の「塚原呉服店」の後に支店として建てられたもので、やはり木造のモダンな石張りという建物。

真ん中の"Department Store"のレタリングが素晴らしい。

 

 

対照的に側面の"新柄は塚原へ"の字体がシブい。

 

 

反対側は"第二チエンストアー塚原呉服店"。

「チェーン」ではなく「チェン」ですぞw

 

 

こちらも実は木造の「白木屋漆器店」、大正3年築。

会津で最初のルネサンス様式で建てられた洋風建築だそうで。

これを機に、七日町通りにはモダン建築が並ぶことに。

 

 

今も現役の漆器商で、開店時間には内部に資料室もあって見学もできるそうで。

早い時間帯で空いてなかったのが悔やまれます。

 

 

白木屋漆器店の並びにイオニア式のタテモノがあります。

この形式は銀行というパターンがほとんどですが、やはりそうで、元は第四銀行会津支店でした。

昭和2年築で、設計はあの岡田信一郎、東北の一地方である会津若松にも作品を残していたとは。

現在は地元の建設業者の会社として使われてます。

 

 

その先の交差点角にも実は旧銀行。

大正10年築の旧郡山商業銀行若松支店です。

 

 

レンガ風の建物にお洒落なレリーフ。

レンガ造りに見えて、実はタイル張りです。

現在は「大正館」という名前でカフェが入っています。

 

 

その先に見える蔵造り、横に立つ煉瓦造りの防火塀が目立ちます。

 

 

何とこれ、江戸時代後期に建てられたもので、鈴木屋という漆器店でした。

ここで立派な海鼠壁を見るのは珍しいかも。

黒漆喰と三連の観音扉が重厚感を出してます。

 

 

七日町通りと交わる形で南に伸びているのが「野口英世青春通り」。

あの千円札の顔の人、出身地は会津若松でした。

 

 

南に行くと、重厚な黒漆喰の蔵が3つ並んでいます。

 

 

 

大正3年築の福西商店、元は綿問屋でした。

財力の大きさを表すほどに重厚で迫力あります。

 

 

 

 

福西本店の奥には野口英世が医者を志すきっかけになった旧会陽医院が残っています。

そのエピソードは長くなりそうなんで、各自ググっていただくとして、現在はカフェとして使われてます。

 

駆け足で辿ってきたが、じっくり歩き回るには時間たっぷり欲しいほどに見所ある建物ばかり。

鶴ヶ城や飯盛山もいいですが、七日町通り周辺はお勧めですぞ。

 

というわけで、会津若松編はここまで、次回は会津旅最終章、あの辺境の地に残る日本の原風景に足を伸ばします。

 

(訪問 2019年10月)